自転車初心者の編集部見習いコイケとともに、サイクリングをより楽しむためのノウハウやアイテムを学んでいくシリーズ「若葉マーク脱出計画」。
今回は自転車を専用の袋に入れて電車で出かける輪行(りんこう)にコイケが初挑戦。
後編は輪行旅の計画の立て方について紹介しよう。
ルート選び 基点派?ワンウェイ派?
輪行でサイクリングする場合、基本的なルート選びにはいくつかのパターンがある。
ひとつの駅を基点にして出発&ゴールするときは、輪行袋などの荷物はコインロッカーに預けられるので身軽になる。
しかし、また元の駅に戻ってこなくてはならないので、ルートがある程度制限される。
一方、降りる駅と乗る駅を別にする場合、また往復の片道をサイクリング、片道を輪行にする場合は、より自由なルートを走れるが、輪行袋を持って走らなければいけないので、荷物がかさばってしまう。
どちらがいいとかはないので、自分好みのスタイルで計画を立てよう。
路線選びのコツは乗り換えの少なさ
次に電車の路線選びも重要だ。
前回重量を量ったように、自転車を入れた輪行袋は結構重いので、駅の階段を何度も乗り降りするのは大変。
なので、なるべく乗り換えを少なくするように電車のルートを考えよう。
エスカレーターやエレベーターが多いターミナル駅は便利なようだが、ホーム数が多いと輪行袋を担いでの移動も長くなるので一長一短だ。
輪行袋で自転車を運ぶ場合、多くの電車が予約なし、無料で利用できる。
しかし、2020年から東海道・山陽・九州新幹線は「特大荷物スペースつき座席」と呼ばれる各車両最後尾の座席の後ろのスペースに置く場合は、事前予約制(無料)となっており、予約なしで置くと1000円の料金がかかる。
デッキなどに置く場合はこれまで通り無料だが、他の乗客の邪魔にならないようにしよう。
また、サイクルトレインという自転車を輪行袋に入れずにそのまま載せられる列車も地方の私鉄を中心に広がっている。
ただ、走っている区間や運行本数が限られているので、よく調べてから利用しよう。
電車の出発時間が決まっている場合は、作業時間を見込んで30分前ぐらいには駅に着くように余裕を見ておいた方がいいだろう。
駅で輪行袋に自転車を収納するスペースは、他の利用客の邪魔にならない場所を選ぼう。
改札から近い場所を選ぶと楽だ。
電車の中でも他の乗客の邪魔にならないように、なるべく空いている先頭か最後尾の車両を利用する。
手すりなどに輪行袋のストラップを巻き付けておくと、転倒や盗難のリスクが減るが、これもあくまでも他の乗客の邪魔とならないように心がけよう。
バスや飛行機でもレッツ輪行!
バスや飛行機でも、輪行は可能だ。
高速バスは客室下の荷物スペースに収納することになるが、路線バスの場合はそのまま客室に持ち込むことになるので、周りの邪魔にならないように。
飛行機は手荷物で預けることになり、航空会社によって重量やサイズが大きい場合は追加料金がかかることがある。
フルサービスと呼ばれる従来の航空会社は1人分の運賃で輪行袋も載せられることが多いが、LCCは数千円追加になるケースがほとんどのようだ。
また輪行袋も、パッドなどが入った自転車を保護する性能が高い飛行機専用のものが市販されている。
僕の場合、電車と同じ輪行袋を何度か使って特にトラブルはなかったのだが、気になる人は飛行機専用の輪行袋を準備した方がいいだろう。
今回はコイケがルートの計画を立てて、茨城県の土浦駅を起点に霞ケ浦一周のサイクリングをすることにした。
東京駅から常磐線の快速電車で1本で行けるので、乗り換えもない。
この日は運よく乗客も少なくて、端っこの車両はガラガラだった。
ただ初輪行のコイケは「輪行袋の持ち運びがきつくて、端の車両まで行くのがしんどかった」と、やはり輪行袋の重さに難儀したようだ。
というわけで、次回から霞ケ浦一周サイクリングの模様をお伝えしていく。
(光石 達哉)