【行ったつもりシリーズ】埼玉のお花見スポットをサイクリングでめぐる!<後編> 〝満足度日本一〟の名所とは?

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満足度日本一の花見スポット「幸手権現堂桜堤」(撮影:光石 達哉)

コロナ禍でも安全にお花見を楽しもうということで始めた、丸1日で複数のお花見スポットを回るサイクリング。

3年目の2022年は埼玉県で挑戦。後編では、幸手市、行田市など県北東部の桜名所をめぐった。

 

 

 満足度日本一! 桜&菜の花の「幸手権現堂桜堤」

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堤の上から菜の花畑を見下ろすとこんな感じ。平日なのに花見客も多かった
(撮影:光石 達哉)

前編では、さいたま市内6カ所と杉戸町の杉戸西近隣公園の計7カ所を回り、今回はその続きから。

 

杉戸町から北に向かって走り、隣の幸手(さって)市に入ると車が渋滞してきた。

その横を自転車ですり抜けながら先に進むも、ずっと渋滞が続いている。

この日は平日だったにもかかわらず、ここまで車が多い理由は、どうやらみんな次の花見スポットを目指しているようだ。

 

杉戸西近隣公園から6kmほど移動し、到着したのは「幸手権現堂桜堤」。

やはり駐車場も混雑しているし、人出も多い。

その中を駐輪場を見つけて自転車を停め、堤防の上の桜並木に向かう。

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約1km続く桜並木と菜の花畑のコラボは一見の価値あり!(撮影:光石 達哉)

この権現堂堤は中川沿いに築かれた堤防で、その上に約1000本のソメイヨシノの桜並木が1kmにわたって続く。

さらに、河川敷には菜の花畑が広がり、菜の花の黄色と桜の薄ピンクが鮮やかなコントラストをつくり出し、多くの人を引きつけているようだ。

今回、花見スポットの参考にしているサイト「ウォーカープラス」の「みんなが行ってよかった桜名所・お花見2022ランキング」でも全国1位にランクされているほどの人気だ。

全国の「みんなが行ってよかった」桜名所・お花見2022ランキング | ウォーカープラス

夜間はライトアップされて、夜桜も楽しめるという。

 

周辺は埼玉県のほぼ北東端で茨城県との県境からも近いので、ここからは西へ進路を変える。

幸手市周辺の渋滞を抜けると、交通量も減って走りやすい道が続く。

東京などと違って花見スポット間の距離も離れているため、サイクリング的にも走りがいがある。

 

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「加須はなさき公園」は園内のあちこちで桜が咲く。午後になって雲が広がってきた…
撮影:光石 達哉)

10kmほど走って加須(かぞ)市の「加須はなさき公園」に到着。

遊具が充実していて、地元の人に親しまれている大きな公園だ。

四輪の変わり種自転車で遊んでいる子どもたちもいる。

バーベキュー広場や池の周りなど公園のあちこちで桜が咲いていて、みな思い思いに花を眺めていた。

 

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鴻巣市の「あかぎ公園」。花の下での宴会を思い出すような提灯が下がっていた(撮影:光石達哉)

さらに西へ約13km進み、鴻巣(こうのす)市の「あかぎ公園」へ。

小さな公園だが、池の周りや広場に約200本の桜が咲いていて、ここも地元の憩いの場所といった感じだ。

 

 歴史を感じながら眺める行田の花見スポット

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行田市の「古代蓮の里」。園内の中央付近には桜並木がある(撮影:光石達哉)

次は北西に2.5km進み、行田(ぎょうだ)市の「古代蓮の里」へ。

古代蓮とは何かと言うと、1970年代初め、この場所で工事中にできた水たまりが池となり、掘り起こされた土砂に混じっていた大昔の蓮の種が発芽し、開花。

その後の研究の結果、この蓮は1400年から3000年前のものであることが分かり、古代蓮・行田蓮と呼ばれるようになったという。

 

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蓮池の周りも桜の木が囲む。古代蓮が花を咲かすのは夏(撮影:光石達哉)

古代蓮が咲くのは6月中旬~8月上旬とのこと。

桜の名所としても有名で、蓮池の周りにお花見広場や桜並木もある。

 

時間がなかったので登らなかったが、地上50mの展望タワーからも桜を見下ろすことができるようだ。

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展望タワーの前にはパンジーなどの花畑も。秋は田んぼアートも鑑賞できる
(撮影:光石 達哉)

ちなみに、ニュースなどで見かける田んぼアートもこのタワーから鑑賞できるそうだ。

 

お昼もだいぶ過ぎていたため、園内の売店でさくらもちと行田のB級グルメ、ゼリーフライを買って腹ごしらえしてから、約2.5km西にある「丸墓山古墳」へ。

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この日の昼食兼おやつ。地元で作られたさくらもちはもちがフワフワで、塩味の葉っぱがいいアクセントに。ゼリーフライは衣のないコロッケみたいな感じ。名前の由来は、小判のような形で銭(ぜに)フライがなまったからとか(撮影:光石 達哉)

 

 「のぼうの城」の舞台! 丸墓山古墳、忍城址

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頂上からは周りの前方後円墳も見える。反対側からは遠くに忍城も望めた
(撮影:光石 達哉)

この古墳はさきたま古墳公園内にある国内最大の円墳で直径105m、高さ18.9mある。

園内には他に8基の前方後円墳などがあり、5~7世紀ごろに造られたものだそうだ。

 

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古墳の頂上も桜に囲まれていた。花見に訪れる人も多い
(撮影:光石 達哉)

ここは、小説・映画で知られる「のぼうの城」の舞台でもある。

豊臣秀吉に命じられた石田三成が丸墓山古墳に陣を置いて、北条側の忍城(おしじょう)を攻撃した。

 

丸墓山古墳の前から伸びる一段高くなった道は、三成が水攻めの時に築いた石田堤というもので、今はそこが桜並木となって古墳の上まで続いている。

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石田三成が築いた石田堤から「丸墓山古墳」まで桜の木が連なる(撮影:光石達哉)

数日前には歌番組の生中継もあったというほど映像的にも映えるところで、多くの人が古墳の上にも登っていた。

 

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小説・映画『のぼうの城』のモデルとなった「忍城址」。東側の堀からの眺めが美しい(撮影:光石 達哉)

続いては、その三成が攻めたという「忍城址」へ。

2万の石田軍の攻撃に対し、わずか500人で守り切り、秀吉が唯一落とせなかった城とも言われている。

水攻めにも耐えたことから「浮き城」とも呼ばれている。

 

現在は天守に相当する江戸時代の御三階櫓が再建されており、その周りで桜が花をつけていた。

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城壁内にも桜。隣接する郷土資料館から、この御三階櫓に登ることができる(撮影:光石達哉)

ということで、行田市では歴史的なストーリーもある3カ所のスポットを回った。

 

 両岸に500本のソメイヨシノ「元荒川の桜並木」

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「元荒川の桜並木」。約500本のソメイヨシノが川の両岸約2.5kmに並ぶ
(撮影:光石 達哉)

次は約5km南下し、再び鴻巣市に戻って「元荒川の桜並木」へ。

鴻巣市を流れる元荒川の両岸約2.5kmに500本もの桜並木が連なる埼玉でも人気の桜名所だ。

 

元荒川はその名の通り、もともとは荒川の本流だったそうだが、江戸時代に荒川と利根川を分離する工事が行われ、残った川筋が元荒川になったという。

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川面に向かって枝を伸ばす桜。川幅日本一の現在の荒川と比べると、元荒川はだいぶコンパクト。河川敷に降りて散歩することもできるようだ(撮影:光石 達哉)

さて、ここまで約95km走って時刻は午後4時。

時間はまだあるが、スタート地点の秋ヶ瀬公園に車を停めており、その駐車場が午後7時で閉まってしまう。

現在40kmほど離れており、2時間前後かかるとして、信号待ちや後片付けの時間を考えるとそろそろ向かった方がよさそうだ。

帰りの道すがら7~8か所の花見スポットに寄れそうだが、そこにも目もくれずペダルを回し続ける。

 

途中、ほぼノンストップで走れそうな荒川サイクリングロードに合流しようと思ったが、土地勘があまりないため何度も道に迷ったり、未舗装路に迷い込んだりと何だか余計にタイムロスしてしまった。

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荒川サイクリングロードへの合流地点を探しているとき、土手一面に菜の花が咲いていた
(撮影:光石 達哉)

 

それでも荒川の土手に菜の花が一面に咲いていたり、北本市の「城ヶ谷堤」という花見スポットを偶然通ったりといった発見もあった。

18時半に駐車場にたどり着き、なんとか無事に帰ることができた。

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急いで帰っている途中で運よく通りがかった「城ヶ谷堤」。右の方では出店も出ていた
(撮影:光石 達哉)

 

今回は埼玉県中部、東部エリアを中心に約11時間、約136km走り、15カ所の桜名所をめぐることができた。

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今回のルート:①幸手権現堂桜堤-②加須はなさき公園-③あかぎ公園-④古代蓮の里-⑤丸墓山古墳-⑥忍城址-⑦元荒川の桜並木-⑧城ヶ谷堤(撮影:光石達哉)

 

東京、神奈川では1日に20カ所以上回れたので少ない気もするが、その分、走りごたえもあって楽しめた。

花見スポットもスケールが大きく見ごたえがあるところが多かったので、機会があれば今度はゆっくり見てみたい。

 

(光石 達哉)

 

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