【行ったつもりシリーズ】「多摩東京移管130周年デジタルスタンプラリー」に自転車で挑戦!(1)奥多摩の「東京で一番高い道路」へ

久々にデジタルスタンプラリーに挑戦! 多摩30市町村がエリアだが、まずは最難関の奥多摩の山へ。写真は、奥多摩周遊道路から見下ろした奥多摩湖(撮影:光石 達哉)

読んでいるうちに行ったつもりになれるかもしれない、プチ旅行の紀行文コラム「行ったつもりシリーズ」。

今回から「多摩東京移管130周年デジタルスタンプラリー」に挑戦。東京都多摩地域の30市町村に散らばる130カ所のデジタルスタンプを、自転車で回って集めていく。初回は最難関の奥多摩エリアへ。

 

 

 多摩東京移管130周年デジタルスタンプラリー

9月になってちょっと涼しくなったからか、この日はサイクリストが多かった。近くの温度計は25℃を表示していた(撮影:光石 達哉)

東京23区の西側にあり、30市町村からなる多摩地域。今年は1893年(明治26)に西多摩・南多摩・北多摩の3郡が神奈川県から東京府(現在の東京都)に移管されて、130周年になるという。三多摩が、もともとは神奈川県だったというのは驚きだ。今回挑戦するデジタルスタンプラリーは、そんな多摩地域のおすすめスポット130カ所をめぐるように設定されている。

僕自身、上京してから10数年は多摩地域を転々として住んでいたし、今も23区の中で多摩地域と接するエリアに住んでいるので、なじみはありすぎるほどにある。130カ所のうち、半分ぐらいは過去に行ったことがあり、そのまた半分ぐらいは記事でも紹介した気がするが、130周年は今年しかないのでこの機会に挑戦してみたいと思う。

スタンプラリーは、7月22日~10月29日の開催。気づくのが遅れて9月になってから始めたので、2カ月弱で130カ所制覇はかなりの難題だ。ルール的には全部集める必要はないようだが、できるかぎりたくさん集めてみよう。

最初は、後回しにすると大変そうな奥多摩方面へ。JR五日市線の終点・武蔵五日市駅前を左折して檜原街道に入り、東京本土唯一の村、檜原村へ。ここまでもスタンプが取得できるスポットはいくつかあったが、この日はスルーして先を目指す。

檜原村役場の先の橘橋交差点を左折し、南秋川沿いに伸びる街道をひたすら西へ進む。徐々に上りが厳しくなって、山深い景色になっていく。都内の最高気温はまだまだ30℃を越えているが、9月になって体に当たる風も少し秋の気配を帯びてきた気がする。日差しのあるところはまだ暑いけど、山陰は気持ちいい。

 

 久しぶりに「奥多摩周遊道路」を上る

この日最初のスタンプスポット、檜原村の「旧高橋家住宅」。江戸時代末期に建てられたかぶと造りの民家だという。現在は「古民家カフェ晴ノ舎」となっている。標高は500mほど(撮影:光石 達哉)

檜原村役場から約12㎞走り、この日最初のスタンプスポット「登録有形文化財 旧高橋家住宅」に到着。現在は「古民家カフェ晴ノ舎」として営業されている。

 

古民家カフェの中は、おしゃれで過ごしやすい空間。地元の特産品や雑貨なども売っているようだ(撮影:光石 達哉)

中に入って店員さんに声をかけ、デジタルスタンプのQRコードをスマホで読み取る。特にお茶していかないといけない雰囲気でもなかったので、外のベンチで呼吸を整えて再出発。

 

奥多摩周遊道路に突入。ここは、かつて檜原側の料金所があったところ。現在も夜間通行止め用のゲートがある(撮影:光石 達哉)

料金所跡のすぐ先にある「夢の滝」。檜原村は滝が多いが、ここは周遊道路から眺められる唯一の滝だそうだ(撮影:光石 達哉)

ここから5kmほど上ると、檜原街道から奥多摩周遊道路に切り替わる。山を越えて、奥多摩湖方面まで通じる道だ。昔は有料道路で、自分が初めてここを通った10年ちょっと前は料金所の建物が残っていたが、今は完全に撤去されている。

 

「檜原都民の森」に到着。ドライブで来た人やオートバイのライダー、サイクリストにとっては休憩スポットだが、登山客にとっては奥多摩の山々に上るための出発地点となっている(撮影:光石 達哉)

ここから約3km、さらに上っていくと「檜原都民の森」に到着。標高は約1000mで、登山やハイキングをする人の拠点のひとつでもある。久しぶりにここまで上ってきたので、ヘトヘトだ。

 

みとうだんご(ピンボケ)で腹ごしらえ。近くにある三頭山(みとうさん)が、名前の由来のようだ。タレは甘辛醤油とくるみ味噌の2種類があり、くるみ味噌を注文。砕いたくるみの粒感も感じられる。税込み400円(撮影:光石 達哉)

しばらく休憩して、入り口付近にあったのぼりにプリントされていたQRコードを読み込んで2つ目のスタンプをゲットした。

 

「東京で一番高い道路 奥多摩周遊道路 最高地点 標高1146m」と刻まれた標識。ちなみにここまで上る別ルートの林道もあるのだが、激ヤバな激坂そうなので、行ったことはない(撮影:光石 達哉)

都民の森を出ても、まだしばらく上り坂は続く。アップダウンをこなしながら3kmちょっと走り、「東京で一番高い道路。奥多摩周遊道路 最高地点 標高1146m」の標識に到達。ここは風張峠とも呼ばれている。データを見返すと前回ここを上ったのは約6年前で、ずいぶんとサボっていたことになる。ここから先は基本的に下りなので、だいぶ気が楽だ。

 

 奥多摩湖を見下ろす絶景の駐車場へ

月夜見第1駐車場から見下ろした奥多摩湖。ちょっと曇っているけど、いい景色。標高1000mほど(撮影:光石 達哉)

この最高地点から、奥多摩側へ約3.5km下った月夜見第1駐車場に立ち寄る。ここからは奥多摩湖・小河内ダムが眼下に見渡せ、個人的に好きな景色のひとつだ。自分みたいにお腹が出ていて運動経験ほとんどないオッサンでも、自分の力だけで100km以上走って1000mを越える山にも登れるってロードバイクってすごい乗り物だなとあらためて思わせてくれる。

さらに6kmほどダウンヒル。苦労して稼いだ標高があっという間に減っていく。オートバイや車も多いし、数日前の台風の影響で路面が濡れていたり、枝葉が散らばっているところもあるので安全第一で下っていく。

 

奥多摩町の「山のふるさと村」に到着。写真のクラフトセンターは、木工や陶芸などの体験ができる施設(撮影:光石 達哉)

キャンプ場などがある奥多摩町の「山のふるさと村」に到着。この中のクラフトセンターと呼ばれる施設の前にQRコード入りののぼりがあった。

 

ダムについて学んだり、レストランもある「奥多摩 水と緑のふれあい館」。この日は郷土芸能の実演も行われていた。スタンプラリーののぼりは、館内にあった
(撮影:光石 達哉)

山のふるさと村を出て、奥多摩湖畔を走る青梅街道をしばらく東へ。小河内ダムのそばにある「奥多摩 水と緑 のふれあい館」で次のデジタルスタンプをゲットする。

 

 奥多摩町のスタンプをコンプリート

先ほど山の上から眺めていた小河内ダムと奥多摩湖。標高は500mちょっとで、あっという間に5~600m下ってきたことになる(撮影:光石 達哉)

ダムを離れて、再び青梅街道を東へ。

 

約1カ月ぶりに訪れたJR奥多摩駅。8月よりも観光客は少ないかな(撮影:光石 達哉)

下り坂のトンネルが連続し、トンネル内の路面は塗れているので、注意しながら進んでJR奥多摩駅前に出た。つい先月、日原鍾乳洞を訪ねたときも立ち寄ったところだ。

 

奥多摩駅の目の前にある「奥多摩町観光案内所」も、デジタルスタンプのスポット
(撮影:光石 達哉)

駅前にある「奥多摩町観光案内所」がスタンプスポットになっている。

 

「せせらぎの里美術館」。町営の美術館だが、この日は不思議な展示をやっていたようだ。第2会場の「国立奥多摩美術館」の前も通ったことがあるけど、かなり妖しげな建物だった記憶がある…(撮影:光石 達哉)

さらに10km弱、東へ進み「せせらぎの里美術館」に立ち寄る。何やら風変わりな展示をやっているようで、若い女性2人組が興味深そうに入っていった。ここでもデジタルスタンプをゲットして、奥多摩町のスタンプは4カ所コンプリート。1日目は計6個ということで、まだまだ先は長い……。

ここからちょっと走ると、青梅市に入る。青梅市内にもスタンプは何カ所かあるが、ひとつ手ごわい難所があるので、日をあらためて再訪しよう。結局、この日は久しぶりに100マイル(約161km)走って疲れたけど、また次回もスタンプ収集を続けていこうと思う。

 

(光石 達哉)

 

今回のルート:①旧高橋家住宅―②檜原都民の森―③山のふるさと村―④奥多摩水と緑のふれあい館―⑤奥多摩町観光案内所―⑤せせらぎの里美術館

 

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