自転車初心者の編集部見習いコイケが、師匠に弟子入りして上達を目指す企画「若葉マーク脱出計画」。
新年を迎えたということで、今回は初詣サイクリング。
多摩川サイクリングロード「たまリバー50キロ」を走り、交通安全の自転車お守りを手に入れようというのが今回の目的だ。
神社を目指す旅~スタート地点は巨大な鳥居!
寺社巡りが好きなコイケが自転車お守りが欲しいということで、いろいろ本人に調べてもらったところ、多摩川サイクリングロードの上流側の終点付近にある羽村市の阿蘇神社にあるらしいというので、初詣がてら行ってみることにした。
せっかく多摩川サイクリングロードを走るのなら、河口からさかのぼって終点までコンプリートにも挑戦。
コイケも僕も部分的には走ったことがあるが、一度に全ルートを走るのは初めてだ。
河口側の多摩川サイクリングロードの起点をどこにするかは諸説あるが、今回は羽田空港の南西端、天空橋駅近くにある「平和の大鳥居」からスタートすることにした。
初詣サイクリングにはぴったりのシチュエーションだが、実はこの日はまだ12月下旬だったりする。
「平和の大鳥居」とは?
この大鳥居は、もともと穴守稲荷神社の一の大鳥居だったのだが、戦後間もない昭和20年9月、GHQによる羽田空港拡張のため穴守稲荷は周辺住民とともに移転を余儀なくされた。
しかし、この鳥居は土台が頑丈で撤去できず、しばらく羽田空港の駐車場に残されることに。そして、平成11年の滑走路整備の際に電波障害を起こす可能性があるとして現在の位置に移転、その後「平和の大鳥居」と呼ばれるようになったという。
周りにはベンチやイスもあって、サイクリング中に景色を見ながらのんびり休憩するにもいいところだ。周りの風景も少しずつ変わっていて、河口の方を見ると今までになかった大きな橋がかかっている。
これは今年3月12日に開通する「多摩川スカイブリッジ」だそうだ。全長約675メートルで、東京都大田区と神奈川県川崎市を結ぶ多摩川で河口に最も近い橋となる。
大鳥居の北側には、2020年7月に先行開業した「羽田イノベーションシティ」が見える。グランドオープンは今年だが、すでに商業施設のほか、ライブホール、フライトシミュレーター体験施設、足湯スカイデッキ、オフィスや会議室などがすでにオープンしている複合施設だ。
コロナ禍の影響なのかあまり注目されていないが、羽田空港の周りもまだまだこれから開発されるようだ。
全長53キロ走破を目指して さあ漕ぎ出そう
午前8時過ぎに、大鳥居前をスタート。すぐそばの弁天橋を渡り、堤防沿いをしばらく走って大師橋の下をくぐると、整備されたサイクリングロードっぽくなってくる。
天気もよくて、多摩川河口近いこのあたりからも雪をかぶった富士山の姿がくっきりと見える。
すぐ右手に見える本羽田公園の前に「たまリバー50キロ案内図」が立っている。
この案内板の位置「大師橋緑地」が「たまリバー50キロ」のスタート地点で、全長は53kmとなっている。
多摩川サイクリングロードは、川崎側というか南側の岸と東京側(北側)の岸を行ったり来たりしながら進んでいくのもひとつの走り方だが、この案内図によると北側の岸のみをつないでいくルートになっているので、今回はこれに従って進んでみる。
富士山の眺望は「多摩川浅間神社」が◎
多摩川サイクリングロードは、東京周辺のサイクリストにとっては荒川サイクリングロードと同じく馴染みの道だ。ほぼ平坦で信号もほとんどないので、サイクリング初心者にとっても走りやすい。
週末などは散歩やランニングしている人も多いので、あえて車道に避けたりもするのだが、この日は平日だったので人も少なく、快調に進んでいく。
ただスムーズに走るには、橋などを避けるために土手の上を走ったりに河川敷に降りたりとチョコチョコしなければならず、そのルートがわかりにくいところもあるので慣れが必要なところもある。
約11km走ったところで、丸子橋に到着。ここから先は川崎側に渡れば土手の上のサイクリングロードが続いているのだが、「たまリバー50キロ」の案内図通り東京側を進むと砂利道になっているので、しばらくは車道を走ることとなる。
丸子橋を過ぎてすぐ右手に「多摩川浅間神社」がある。コイケが「ここ寄っていいですか?」と提案してきたので、立ち寄ることにした。
多摩川浅間神社は小さな丘の上に立つ神社で、石段が富士塚になっている。境内の一部は展望台のようになっていて、多摩川の流れや東急東横線の線路、武蔵小杉の高層ビル群、そして遠くには富士山が一望のもと見渡せる。
未完成のサイクリングロードを進む
ここから5kmほど車道を走り、二子玉川駅周辺で再び河川敷のサイクリングロードに入る。この先もときおり車道に出たり、土手の上に上がったりを繰り返して進んでいく。
ついこないだまで砂利道だったところが舗装されていたりといった変化も発見しながら、さらに上流を目指す。
スタートから約37km、全行程の約2/3を走り、中央自動車道の下をくぐって国立市と立川市の市境付近に到着。ここで再びサイクリングロードは途切れる。
どうやら新しい道を作ってつなげようとしているようだが、今のところは住宅街の中の小道をクネクネと走って立川側に抜ける。というわけで、後半戦は次回!
(光石 達哉)