【新語・流行語】2021年ノミネート30語が発表!コロナ・五輪・大谷翔平・SDGs…年間大賞発表前にこっそり予習②

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2021年のトレンドを示す「2021新語・流行語大賞」は12月に発表(写真=photoAC)

「現代用語の基礎知識選 2021ユーキャン新語・流行語大賞」のノミネート30語が、このほど発表された。選考を経て、12月に年間大賞語とトップテンが発表される。

よく知っている言葉もあれば、実はちょっと知らない言葉も。今さら聞けないノミネート30語について、発表までにこっそり予習してみると…?

前編につづいて後編をお届けする。

 

 

 

「エペジーーン/カエル愛/ゴン攻め・ビッタビタ/13歳、真夏の大冒険/スギムライジング/チキータ/チャタンヤラクーサンクー/ピクトグラム/ぼったくり男爵」

流行語大賞 オリンピック 東京2020 杉村英孝 ボッチャ 金メダル

杉村英孝選手の武器は「スギムライジング」(撮影:岡田剛

エペジーーン…フェンシング・エペ種目の日本代表愛称。「エペ陣」と「ジーンと感動させる」をかけたもの

カエル愛…ボクシング女子フェザー級で金メダルを獲得した入江聖奈選手の趣味。カエルそのものが好きで、五輪後はカエル関連企業への就職を希望していた

ゴン攻め・ビッタビタ…新競技のスケートボードの解説者、瀬尻稜さんが中継番組で発したコメント。「very 攻めている」の意。「ビッタビタ」は「very キマっていた」の意

13歳、真夏の大冒険…スケートボードの中継番組で、実況の倉田大誠アナがストリート女子で金メダルを獲得した西矢椛選手のフィニッシュ時に発したコメント

スギムライジング…パラリンピックのボッチャ競技で個人金メダルを獲得した杉村英孝選手のスゴ技

チキータ…卓球のテクニックの一つ。主にレシーブの時に行われる、バックハンドドライブ。大きく曲がることから、バナナメーカー「チキータ」になぞらえて命名された

チャタンヤラクーサンクー…空手の「形」の名称。沖縄の言葉で「北谷屋良公相君」と書く。糸東流の最高峰の形といわれる

ピクトグラム…視覚的に情報を伝えるシルエットのイラスト。イメージで意味が把握できることから、万国で意思疎通を図る表示などに使用される

ぼったくり男爵…米ワシントン・ポスト紙がIOCのトーマス・バッハ会長を評した言葉で、世界的に話題となった

 

 

2021年の夏を盛り上げてくれたのが東京オリンピック・パラリンピックだった。

「スギムライジング」は、パラ・ポッチャで初の金メダルを獲得した杉村英孝選手の得意技だ。

ボッチャは目標とする白球(ジャックボール)に対し、最終的に赤、青色の球のどちらがより近くにあるかを競うスポーツ。杉村選手は投球したボールを跳ねさせ、ジャックボールなどに乗り上げる超難度の投球技「スギムライジング」が話題となった。

 

「チャタンヤラクーサンクー」は、新競技・空手で銀メダルを獲得した清水希容選手が決勝で演じた形。技の名称や、実況・解説で生まれた名言、開会式のパントマイムで話題になった「ピクトグラム」などが並ぶ中、IOCのトーマス・バッハ会長のあだ名もノミネート。新競技のスケートボードや空手で日本の選手がメダルを獲得した感動と同じくらい、「ぼったくり男爵」のスピーチや銀ブラは話題となってしまった格好だ。

 

新語ではないが、柔道ウルフ・アロン選手の「ウルフタイム」も、最近のテレビ露出の多さも相まって世間に浸透している気がしていたのだが、選ばれなかった。

 

「ショータイム/リアル二刀流」

流行語大賞 大谷翔平 ショータイム リアル二刀流 

MVPも流行語大賞も総なめ!?
「大谷翔平 2021年シーズン全本塁打 徹底分析」発売中(写真提供:宝島社

ショータイム…大谷選手の活躍について〝ショータイム(SHOW TIME)開始〟と本人の名前をかけた造語。スペルは「SHO-TIME」

リアル二刀流…投手として登板しつつ、野手としてもチームの中核を担う出場スタイル

 

 

こちらもスポーツの話題。米大リーグ・エンジェルスの大谷翔平選手が、投手としても打者としても歴史に名を残す大活躍を見せた。

その「ショータイム」

海を越え、時を超え、あのベーブ・ルースにも例えられるほどの野球選手が日本から誕生するとは。ものすごく歴史的な瞬間に立ち会えているのは幸せなことだ。

 

「二刀流」だけでも十分すごいことなのだが、今回の「リアル二刀流」とは「投手として登板した試合でも、チームの中核を担って打席に立つこと」を指す。

日本のセ・リーグであれば、投手の打順は9番と相場は決まっているが、大谷はシーズンを通して1、2番を務め、本塁打王争いに最後までからむなど、投打ともに主力選手として活躍した。

 

「ジェンダー平等/フェムテック/SDGs」

流行語大賞 SDGs ジェンダー 平等

分かるようで分からないことも多い「SDGs」。身近なエコから始めたい(写真=photoAC)

ジェンダー平等…性別にかかわらず、平等に権利や責任や機会を分かち合い、あらゆる物事を一緒に決めていくこと

フェムテック…Femele(女性)×Technology(テクノロジー)をかけた造語。女性が特有の健康における課題を解決する技術、製品、サービスを指す

SDGs…「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称。2017年に国連サミットで採択されたもの。ざっくり言えば「みんな仲良く平和に過ごせるように、地球が長生きできるように、一旦2030年を目標に活動していきましょう」

 

 

ここからは打って変わって、社会問題や情勢を表すような言葉が並んでいる。

2015年に国連で採択され、持続可能な開発目標と訳される「SDGs」は、2021年にようやく流行語に。2030年までの目標達成に向けて、17のゴール・169のターゲットを一人一人が考えていく必要がありそうだ。

その17のゴールの5番目にも位置付けられているのが、「ジェンダー平等」。女性が抱える健康の課題をテクノロジーで解決しようという「フェムテック」と並んで、性にまつわるさまざまなことを考え、深く理解しようという潮流が巻き起こっているようだ。

 

「Z世代/NFT」

Z世代…1996年以降に生まれた、好景気を全く知らない世代

NFT…「Non-Fungible Token(ノン-ファンジブル・トークン」の略。ファンジブルとは代替性、トークンとは代用貨幣、引換券の意。

 

「Z世代」とは、バブル崩壊後の1990年代後半以降に生まれた世代のこと。物心ついた時からインターネットに接したデジタルネイティブ世代であり、SNSによるコミュニティを重視し、「モノ」よりも「コト」にお金を使うとされている。

また、「偽造不可能な鑑定書、所有証明書つきのデジタルデータ」を指す「NFT」

新時代を感じられる言葉だ。ブロックチェーンと呼ばれるデジタル台帳上のデータの一種で、コピーや改ざんが困難であることから、デジタルアートなどの〝1点モノ〟に資産性を持たせることができる。

何が何だかよく分からないが、「NFT」は仮想通貨の友だちだと思っておけば、たぶん大体おおよそ合っているはずだ。

 

「うっせぇわ/親ガチャ/ヤングケアラー」

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うっせぇわ…顔出ししない謎の歌手「Ado」のメジャーデビュー作品。抜群の歌唱力と、刺激的な歌詞で話題に。

親ガチャ…カプセルに入ったおもちゃが詰まった自動販売機、通称「ガチャガチャ」になぞらえ、子どもは親を選べないという意味で使用する

ヤングケアラー…家族にケアを要する人がいる場合、本来であれば大人が担うはずのケア責任を引き受けている18歳未満の子ども

 

 

音楽界から唯一のノミネートとなったのが「うっせぇわ」だ。

まだこの曲を知らない方で、1人でも上司がいる方は、決して社内で開いてはいけません。「鶴の恩返し」ではなく、ものすごいしっぺ返しが来る可能性があります。

子供は親を選べないことをもじった「親ガチャ」や、本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話を日常的に行う子供を指す「ヤングケアラー」など、子どもたちがさまざまな苦しみを抱えていることが明らかになった今。

「うっせえ うっせえ うっせえわ」と歌い上げる19歳が、何か代弁してくれているような気がして、熱中する人が続出するのもうなずける。

 

と、ここまで30語を見てきたが、小室眞子さんの結婚にまつわるロイヤルなキーワードは一切入っていない。そこには2017年度の大賞「忖度」があるのかないのか、それとも皇室は流行と捉える性質の存在ではない、という意味か。

 

2020年の大賞「3密」と比較すると、大賞をめぐる選考はし烈な争いになりそうな予感も。気になる大賞とトップ10は12月初めに発表される。

(五島由紀子=mimiyori編集部)

 

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