「現代用語の基礎知識選 2021ユーキャン新語・流行語大賞」のノミネート30語が、このほど発表された。選考を経て、12月に年間大賞語とトップテンが発表される。
よく知っている言葉もあれば、実はちょっと知らない言葉も。今さら聞けないノミネート30語について、発表までにこっそり予習してみると…?
まずは前編をお届け。
ノミネート30語一覧
年末の風物詩となっている「現代用語の基礎知識選 2021ユーキャン新語・流行語大賞」。2021年を、そして自分の1年を振り返るきっかけにもなるイベントだ。
ノミネート30語は以下の通り。
イカゲーム/うっせぇわ/ウマ娘/SDGs/NFT/エペジーーン/推し活/親ガチャ/カエル愛/ゴン攻め・ビッタビタ/ジェンダー平等/自宅療養/13歳、真夏の大冒険/ショータイム/人流/スギムライジング/Z世代/チキータ/チャタンヤラクーサンクー/ととのう/ピクトグラム/フェムテック/副反応/変異株/ぼったくり男爵/マリトッツォ/黙食・マスク会食/ヤングケアラー/リアル二刀流/路上飲み
感染爆発から2年目を迎えた新型コロナウイルス関連、東京2020オリンピック・パラリンピック関連など、2021年ならではの出来事が思い起こされる。。
一方で、コロナとオリパラには心当たりがありつつ、若者の間で流行したモノについては「…?」の方々もいるだろう。
「自宅療養/人流/副反応/変異株」
自宅療養…医療崩壊を防ぐため推奨された、コロナ軽症者の自宅療養
人流…大勢の人による移動を伴う動きの意味として使用された
副反応…コロナワクチン接種後に表れる発熱、だるさなどを伴う身体の症状
変異株…新型コロナウイルスの遺伝子情報が時と共に変化する「変異ウイルス」の意味で使用された
まずはこれなしに2021年は語れない、コロナ関連ワードを見ていこう。
ユーキャン新語・流行語大賞2020の年間大賞に「3密」が選ばれてから早1年。2021年もコロナ関連ワードが影を潜めることはなかった。
思い返せば、2020年の大みそかには、東京都の新規感染者数が初めて1000人超え。年が明けた1月7日、東京都で過去最多を更新する2520人の感染が発表され、1月8日には1都3県に緊急事態宣言が発出された。
「今年こそ、コロナ前の日常生活を取り戻せますように」と初詣で願った人も多かっただろうに、出端をくじかれるような2021年の始まりだった。
ただ、2月にはコロナワクチンが国内で承認され、医療従事者などへの先行接種が始まった。
そういえば、「ワクチン」や「コロナワクチン」というワードはノミネートされていない。接種予約のサイトにアクセスが殺到したり、渋谷のワクチン接種会場に早朝から行列ができたり、少なからずワクチンに振り回された人はいたはずだ。
そのものズバリよりも、ワクチンによってどんな現象が注目されたのか=ワクチン接種による「副反応」が話題になったからなのだろう。
「腕が上がらないなあ」くらいで微熱さえ出なかった筆者は若干の疎外感を感じている…など不謹慎なことは言わない方が良さそうだ。
(ちなみに20代・モデルナ製)
「自宅療養」「人流」「変異株」。
この言葉は、感染が再拡大する中で耳にしない日はなかった。ノミネートはされなかったが、コロナ感染後の「後遺症」に苦しんでいる方もいると聞く。
3回目のワクチン接種も始まるようだし、22年、23年…コロナとは長いお付き合いになるのかもしれない。
「黙食・マスク会食/路上飲み」
黙食・マスク会食…複数人で食事をする際は言葉を発しない、または口に食べ物を運んだ後はマスクをつけ直し、口でマスクを覆わないまま話すことを防ぐ新作法
路上飲み…飲食店の営業時間短縮に伴い、コロナ対策の換気を満たしているとして路上でお酒を1人または複数人で飲むこと
コロナがなければ、生まれていなかったであろう言葉だ。
黙食とマスク会食は1語としてノミネートされているが、マスク会食を呼びかけた張本人でありながら、実施していなかったらしい某エライ人などの影響で、マスク会食と聞くと政治家を連想してしまうのは筆者だけだろうか。
「イカゲーム/ウマ娘/推し活/ととのう/マリトッツォ」
イカゲーム…Netflixで配信された韓国のサバイバル番組。内容は日本で言えば、漫画「賭博黙示録カイジ」、小説「バトル・ロワイヤル」などの要素あり
ウマ娘…「うま・むすめ」と読む。スマホアプリまたはPCで遊べるゲーム。正式名称は「ウマ娘 プリティダービー」
推し活…主に、自分が好きなアイドルやアニメキャラをひいきにする一連の行動
ととのう…サウナ、水風呂、休憩をワンセットで行う中、ふいに訪れる爽快感
マリトッツォ…あっさり系の生クリームを大量にパンでサンドしたイタリアのお菓子
ここまでコロナによるネガティブな影響の話が多かったが、もちろん「おうち時間」を充実させる話題のキーワードもノミネートされている。
ユーキャン新語・流行語大賞2020のトップ10にランクインした「愛の不時着」に続いて、今年も韓国発のドラマ「イカゲーム」が選ばれた。
日本のドラマでも「リコカツ」など流行語大賞に選ばれそうな傾向(カタカナで文字数少なめ)を感じるのだが、世界的人気作の影響力は絶大なようだ。
「ととのう」は、サウナ愛好家たちの間では昔から使われていたが、ここであらためてランクイン。
イタリア・ローマ発祥の伝統的スイーツ「マリトッツオ」はおいしい。生クリームがたっぷりで幸せな気持ちになる。
母とよくパン作りをする筆者も、マリトッツオの手作りに挑戦。工程としては生クリームを泡立てる以外はごくごく普通のパンと同じように感じたのだが、コンビニで250円ほどで販売されているものもあって驚いた。
(つづく=五島由紀子 mimiyori編集部)