【パラスポーツ】年内最終合宿終了 本番へ「家族のように絆深める」~ブラインドサッカー男子代表活動報告

ブラインドサッカー

代表活動について話した高田敏志監督(提供:日本ブラインドサッカー協会)


日本ブラインドサッカー協会は12月21日、男子日本代表の活動説明会をオンラインで開催した。高田敏志監督が、合宿をはじめとした代表活動や現状などを報告。パラリンピック本番へ、限られた時間と環境の中で、21年も戦術の確認や課題解決に向けた取り組みを継続していく。

 

 

 

 

 

定期練習・合宿を継続  コロナ対策も入念

パラリンピックを見据え、できることを積み重ねていく。

ブラインドサッカー男子日本代表は、9月以降も週2~3回の定期トレーニングと月1回の合宿を実施。12月19、20日には、年内最後となる合宿を行った。攻守それぞれの戦術確認や課題である得点力の向上へ、選手たちが汗を流した。

 

最後の合宿では高田監督が選手らに言葉を送った。「これから1年9カ月、良いことも悪いこともあると思う。どんなことがあっても家族のように喜怒哀楽を共にして、時には叱咤激励もありながら、絆を深めてやっていこう」

 

6月の練習再開以降、選手への負荷をコントロールしながら練習を続け、10月合宿の体力測定では、ほとんど選手が過去最高の数値を記録。国内初のブラインドサッカー専用コート「MARUI ブラサカ!パーク」(東京・小平市)ができたことで、定期的な練習が可能になり、これまで以上に運動量も増加。選手が集まって練習できる環境が整備されたことで、戦術の落とし込みも早くなったという。

 

新型コロナウイルス対策も入念に行い、合宿前には選手、スタッフ全員がPCR検査を受けて、全員の陰性を確認している。

 

 

スピードのある相手にどう立ち向かうか

 

 

 

守備では、ボールを保持している相手選手にスペースや時間を与えないためのグループ戦術をテーマに確認。特にスピードのある選手に対し、単にスピードで対抗するのではなく、自分たちから相手のスピードを封じる状況を作るための戦術を構築しようとしている。

 

攻撃面では得点力アップに向けて、ゴール前でのプレーに着目。シュートのタイミングの工夫などを確認している。また、サブメンバーのレベルアップもパラリンピックに向けた課題の1つ。高田監督は「1%でもレベルを上げたい」と話した。

 

現状、代表戦など試合の予定はない。実戦練習として、月1回ナショナルトレセン(ユースチーム)と対戦を行っている。

 

 

東京パラリンピック「プレーすることに価値のある大会に」

東京パラリンピックに向けて、代表選手はこれまでの方針と変わらず強化指定選手から選考される見通し。合宿での評価が中心となる模様だ。また、大会に向けての活動計画は、過去のサッカーW杯や他競技における日本代表の活動を参考に決めていく。

 

海外でも大会がなく、日本代表もライバルチームとの対戦予定はない。高田監督は海外チームとの対戦について、他競技団体の事例を見ながら、コロナの影響なども含めて「可能性を模索したい」との考えを示した。

 

パラリンピック開催へ無観客開催など、さまざまな議論がなされているが、高田監督は「ブラインドサッカーの世界最高のプレーを東京で披露し、ファンに感動を与えたい。8カ国が全力で戦い、勝ち負け以上に選手がプレーすることに価値のある大会にしたい」と、欧州の主要リーグやチャンピオンズリーグで無観客でも質の高いプレーを続ける選手を例に挙げてパラリンピックへの思いを話した。

(mimiyori編集部)