【パラQ&A】パラスポーツの花形! ドイツにはプロリーグも ~車いすバスケットボール①

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日本代表の顔である香西宏昭選手(撮影:mimiyori編集部)
20年8月25日に開幕する東京パラリンピック開催まで1年を切った。オリンピック競技は知っているけれど、パラリンピック競技はよく分からない……という人も多いかもしれない。

この連載「パラQ&A」は各競技について、見どころをクイズ形式で出題する。第2回はパラスポーツの花形競技、車いすバスケットボール。
初開催の1960年ローマ大会から行われており、国内では日本選手権が1970年から開催されるなど、国内外で人気がある競技だ。

パラスポーツ初心者でも、ルールをよく知らなくても十二分に楽しめる競技。男子日本代表は2020年東京パラリンピックで同競技初のメダル獲得を狙っている。

 

Q.競技用車いすと、一般的な車いすの違いは何?

  1. ①違いはない
  2. ②ボールを運ぶための装置がついている
  3. ③タイヤが「ハの字」に取り付けられている

  

③タイヤが「ハの字」に取り付けられている

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日本代表主将の豊島英選手(撮影:mimiyori編集部)

競技用車いすには小回りがきくようにするため、傾斜をつけた状態でタイヤが取り付けられている。一般的な車いすに取り付けられているグリップやひじ置きはない。足元にはバンパーがつけられ、足を保護するほか、他選手の車いすに引っかからないように工夫されている。

また、タイヤは簡単に着脱が可能。試合中にパンクすることがあり、取り付けている間は試合が中断して“パンク待ち”となる。

Q.車いすバスケ特有のルールは?

  1. ①まったく同じ
  2. ②トラベリングがない
  3. ③ドリブル自体がない

②トラベリングがない

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長年の日本代表を務める香西宏昭選手(撮影:mimiyori編集部)

ルールは基本的なルールは健常のバスケも、車いすバスケも同じだが、車いすを使用するためにオリジナルの決まりがある。健常のバスケでは、ボールを保持した状態で3歩以上歩けばトラベリングという反則になるが、車いすバスケは車いすを漕がなければならないため、2回を漕ぐ間に1回でもドリブルをすれば、再び漕ぐことができる。

これは何度も繰り返してOK。ただし、ボールを持った状態で車いすを3回漕いでしまうとトラベリングになる。

Q.コートにいる選手は5人…どんな組み合わせ?

  1. ①障がいが軽い選手が出場
  2. ②座高が高い選手が出場
  3. ③障がいの程度の組み合わせで出場

③障がいの程度の組み合わせで出場

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試合前に仲間の肩に手を置き、心を一つにする(撮影:mimiyori編集部)

選手には、障がいの程度に応じて1.0~4.5点まで0.5点刻みで8段階の「持ち点」が与えられている。障がいの程度が軽い、つまり身体で使える部位、筋力が多いほど持ち点が高く、程度が重いほど持ち点の数字は低い。

この8段階の持ち点を組み合わせ、5選手合計で14点になるように構成する。持ち点が高いハイポインターはおしなべて得点力が高く、主に攻撃面で活躍することが多いが、ハイポインターを多く入れ過ぎると、主に守備面を担うローポインター(持ち点が低い選手)は障がいがより重い選手ばかりを複数入れることになり、攻守のバランスが難しくなる。

試合中は、この5人の組み合わせパターンを複数用意し、試合の流れや場面に応じて投入。得点力が高いユニット、守備力が高いユニットなど、5人の構成を見れば、指揮官がどんな局面と考えているかが分かるため、選手の組み合わせに注目することも観戦ポイントとなる。

Q.バスケの戦術 「スクリーン」。車いすバスケで多用される理由は?

  1. ①試合規則で決まっているから
  2. ②流行だから
  3. ③車いすの幅を利用できるから

③車いすの幅を利用できるから

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豊島英がドリブルで持ち込む(撮影:mimiyori編集部)

車いすバスケでは車いすの幅があるため、例えばゴール下などで選手が密集した場面では体の向きを変えることが難しい。しかし、それは逆に相手選手と味方の間で「壁」となれば、味方がシュートするスペースをつくり出せることから、車いすバスケでは壁=スクリーンが効果的なプレーとなる。

障がいの重い選手「ローポインター」は、相手の守備陣をブロックして味方をアシストする場面がよくみられる。

Q.全国屈指の強豪チーム「宮城MAX」。19年日本選手権は何連覇?

  1. ①11連覇
  2. ②10連覇
  3. ③9連覇

①11連覇

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日本代表で長年活躍するハイポインター・藤本怜央選手(撮影:mimiyori編集部)

車いすバスケの名門チームは宮城県仙台市に拠点を置く「宮城MAX」。日本選手権では2008年の初優勝から、11年の東日本大震災による開催延期を挟んで19年に大会史上初の11連覇を成し遂げた。

大学まで健常のバスケ部で活躍した岩佐義明氏が01年からヘッドコーチを務め、チームを強豪にそだてあげた。岩佐氏は08年北京パラリンピックで女子日本代表、12年ロンドンでは男子日本代表のヘッドコーチも務めた。19年現在は女子日本代表のHCに復帰し、20年東京に向けて指導している。

宮城MAXは19年1月、長きにわたって日本の司令塔を務めた藤井新悟選手がヘッドコーチに就任した。日本代表の藤本怜央選手、豊島英選手、女子代表の主将を務め、藤井ヘッドコーチの妻でもある藤井郁美選手らが在籍。ベテランに加え、20年東京を目指す女子代表の萩野真世選手ら若手も台頭している。

(mimiyori編集部)

 

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