東京パラリンピックは1年延期されたが、21年8月24日に開幕することが決まった。オリンピック競技は知っているけれど、パラリンピック競技はよく分からない……という人も多いかもしれない。
この連載「パラQ&A」は各競技について、見どころをクイズ形式で紹介する。今回は射撃に関するクイズを出題。パラリンピックでは下肢に障がいのある車いすの選手も出場するため、撃ち方もさまざま。
- Q.クラスはどのような基準で分けられる?
- Q.車いす選手の「立射(りっしゃ)」の条件は?
- Q.次は「膝射(しっしゃ)」 車いす選手はどのように撃つ?
- Q. 続いて「伏射(ふくしゃ)」 車いす選手が”伏せる”ための条件は?
- Q. ライフル種目の選手が似たような服を着ている理由は?
Q.クラスはどのような基準で分けられる?
- ①上肢障がいの程度
- ②下肢障がいの程度
- ③手や腕で銃を保持できるかどうか
③手や腕で銃を保持できるかどうか
射撃のクラス分けの特徴は、選手の障がいの程度ではない基準となること。上肢で銃を保持できるSH1と、上肢では保持できないSH2の2つに分けられる。
ピストルはSH1のみで、ライフルは2クラス。また、障がいの程度によって使える車いすの背もたれの高さが決まっている。
SH2では銃を支えるスタンドを使うことができる。障がいの程度によって、安定しやすい強いバネのスタンドか、バネの弱いスタンドのどちらかを使うことが認められている。
Q.車いす選手の「立射(りっしゃ)」の条件は?
- ①背もたれに肘をつけて姿勢を良くする
- ②両肘が床や台に触れていない
- ③車いすから降りて補助員に支えてもらう
②両肘が床や台に触れていない
射撃の撃ち方は3種類。立射の条件は、両肘が床または台に触れていないこと。銃を構えた時に立った状態と同じ条件であれば、車いすに座っていても立射となる。ピストル種目は立射のみ。
車いすの選手は、左右の肘を車いすの背もたれや脚などにあてずに両腕で銃を保持して撃つ。肘や腕の支えがなく、撃ち方の中で最も不安定とされる。
Q.次は「膝射(しっしゃ)」 車いす選手はどのように撃つ?
- ①片肘がのるだけの台を膝に見立てて肘を台の上に置く
- ②車いすの足置き(フットレスト)の高さを肘が付くところまで高くする
- ③上半身を前に倒して肘を膝につける
①片肘がのるだけの台を膝に見立てて肘を台の上に置く
膝射の条件は、銃を構える際に片肘だけが膝または台に触れていること。
健常の選手は片足の膝を立てて、膝の上に腕を置いて銃を構える。車いすの選手は、片肘がのるだけの大きさの台を膝に見立て、車いすに座ったまま銃を支える方の肘のみを台の上に置く。
ちなみに膝射単独の種目は行われない。ライフルの3姿勢種目で見ることができる。
Q. 続いて「伏射(ふくしゃ)」 車いす選手が”伏せる”ための条件は?
- ①上半身を前に倒して両肘を膝につける
- ②車いすに取り付けたテーブルに両肘をのせる
- ③車いすから降りて床に体が触れていれば伏射とみなされる
②車いすに取り付けたテーブルに両肘をのせる
伏射の条件は、銃を構える際に両肘が床または台に触れていること。
健常の選手は、うつ伏せの状態で両肘をつき、上体を安定させて銃を構える。車いす選手の場合は、膝射と似たような形で車いすに取り付けたテーブルを床とみなし、両肘をのせることで「伏せ」の姿勢をとる。
引き金を引かない方の腕にはスリングと呼ばれる負い革を巻きつけ、銃を引き寄せて撃つ。
Q. ライフル種目の選手が似たような服を着ている理由は?
- ①条件を平等にするため
- ②服に煙がつくから
- ③万国共通のユニホーム
①条件を平等にするため
ライフルの選手が着用する服は競技専用に作られている。身体の動きをおさえるために、キャンバスや革でできている。
布地が硬いほど有利になるため、硬さと厚さのルールは厳格に定められている。検査で不合格になると失格。ピストルの選手は通常のウェアを着て競技に臨む。
(mimiyori編集部)