【北京パラ】メダル期待のアルペン座位 村岡桃佳が7カ月間で夏冬のパラ出場

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21年の東京大会に続き夏冬連続出場の村岡桃佳(日本パラリンピック委員会提供)

 

3月4日に開幕する北京パラリンピックを前に、アルペンスキー座位の代表選手らが2022年2月16日、オンライン会見を行った。

18年平昌で金を含むメダル5個を獲得した〝冬の女王〟村岡桃佳(トヨタ自動車)は、21年夏の東京大会陸上競技にも出場して夏冬出場を達成。「二刀流挑戦の集大成と位置づけている。つらかったけど、最後に笑って、やって良かったと思えるように、メダルに向けて全力を尽くしたい」。今回はわずか7カ月後に冬季大会に出場するという強行軍となる。

会見には村岡のほか、6大会連続出場で初の金メダル獲得を目指す森井大輝(トヨタ自動車)らが出席した。

 

 

村岡桃佳 二刀流の集大成

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北京大会への意気込みを話す村岡桃佳(日本障害者スキー連盟提供映像より)


4年間の変化と成長を結果につなげる。村岡桃佳は18年平昌大会後から夏の東京大会を目指して陸上競技に注力。21年9月1日、車いすクラスT54の100メートルで決勝の舞台にも立った。

陸上に挑戦したことで、体の使い方などスキーに取り組む上でも良い影響がもたらされた。「久々に雪上で練習をした時に、体が動かしやすく、ターンの質も良かった。スキーのトレーニングだけでは得られない体の使い方をしていたことで、筋力アップができていた。思わぬ副産物だった」。異なる競技で違った景色を見たことで、自らの経験値を高めることもできたという。

 

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東京大会から7カ月後に冬の北京。当初は2020年から2年後の北京のはずだったが、1年延期となったことで東京と北京の間は縮まった。短期間での競技移行は「難しかった」と振り返る。

本番迫る22年1月には、練習中に右肘をを痛めた。利き手だったため生活に支障をきたしたこともあったが、リハビリを経て現在は雪上練習も再開し、今は「全く不安はない」として調整を続けている。

全5種目出場予定で、平昌金メダル大回転は連覇が懸かる。さらに今回は選手団主将の大役も務める。「持ち前の明るさ、笑顔、いろいろなところで日本チームを盛り上げたい。東京大会でパラスポーツを身近に感じてもらえる機会が増えたと思うので多くの人に見てほしい」。金メダリスト、そして日本代表の顔として最後まで走り抜く。

 

森井大輝 悲願の金へ全5種目「フルスイング」

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初の金メダルを目指す森井大輝(日本パラリンピック委員会提供)

 

森井大輝は02年ソルトレークシティーから6大会連続出場となる。11-12年シーズンには日本人初となるW杯年間総合王者。世界選手権での優勝もある。しかし、パラリンピックではまだ金メダルに届いていない。

メダルは06年トリノの大回転銀に始まり、10年バンクーバーは滑降銀とスーパー大回転銅、14年ソチでスーパー大回転銀、18年平昌で滑降銀。北京で狙うは頂点だけだ。

新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、会場のコース状況が分からないまま本番を迎える。大ベテランも「今までにないパラリンピックを迎える」と話す。それでも「できることを1つずつ積み重ねてきた。どの種目でも狙える位置にいると思っている。どれもフルスイングで、表彰台の真ん中を狙っていきたい」と準備万端だ。

 

ソチ金メダリスト 得意種目でもう一度頂点へ

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14年ソチ金メダリストの狩野亮(左)と鈴木猛史(日本パラリンピック委員会提供)

 

座位の代表は2人に加え、14年ソチの金メダリスト狩野亮(マルハン)と鈴木猛史(KYB)、そして2大会ぶり4度目の出場となる田中佳子(Tポイント・ジャパン)が選ばれている。

狩野はソチ大会で金メダルを獲得した滑降、スーパー大回転の高速系種目に力を入れ「大会前半に勝負をかけて良い流れを作りたい」との狙い。鈴木はソチ大会金メダルの回転を本命種目とし、メダルなしに終わった平昌の雪辱を晴らす。

久々の大舞台となる田中は、得意の大回転を含む4種目に出場を予定している。

 

競技最終日までメダルチャンス

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北京パラリンピックは3月4日に開会式が行われ、競技は翌5日からスタートする。

アルペンスキーの日程は下記の通り。全種目、同じ日に座位、立位、視覚障がいの全カテゴリーを行う。会場は五輪のアルペンスキー競技と同じ国家アルペンスキーセンター。(岡田剛)

 

◆開催日メモ

3月5日…滑降(男女)
3月6日…スーパー大回転(男女)
3月8日…スーパー複合(男女)
3月10日…大回転(男子)
3月11日…大回転(女子)
3月12日…回転(男子)
3月13日…回転(女子)

 

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