【パラスポーツ】ジャパンパラ水泳・2日目~鈴木孝幸が個人メドレーでも内定獲得

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男子150メートル個人メドレー(SM4)で代表に内定した鈴木孝幸(撮影:岡田剛=5月21日撮影

東京パラリンピックの代表選考戦を兼ねた水泳のジャパンパラ大会2日目は5月22日、横浜市の横浜国際プールで行われ、男子150メートル個人メドレー(SM4)で鈴木孝幸(GOLDWIN)がパラリンピック派遣基準記録を突破。前日の200メートル自由形(S4)に続いて2種目で内定を得た。

男子50メートルバタフライ(S5)で15歳の日向楓(宮前ドルフィン)、女子50メートルバタフライ(S7)で西田杏(三菱商事)が、いずれも自らの日本記録を更新したが、派遣基準記録の突破はならなかった。

 

 

鈴木孝幸:パラメダル獲得種目で危なげない泳ぎ

戦い方を熟知するベテランの泳ぎが光っている。初日に200メートル自由形で5大会連続のパラリンピック代表内定を決めた鈴木孝幸。08年北京、12年ロンドン共に銅メダルだった150メートル個人メドレーでも派遣基準記録を上回った。

予選は派遣基準記録の2分40秒50から10秒以上遅いタイムだったが、決勝は2分38秒76。「国内大会では40秒を切れていなかったので切りたかった。タイム的には悪くない」と、自己ベストの日本記録からは1秒以上の差はあったものの納得した様子だった。

 

初のパラリンピック出場となった04年アテネは17歳。08年北京では50m平泳ぎで金メダルを獲得するなど通算5個のメダルを手にした。34歳で迎える5大会目のパラリンピックについて問われると、「最後になるかな。雰囲気とかを経験したことのない自国開催で楽しみにしている」と思いを口にした。

メダルへの強い思いは変わらないが、ライバルの状況も気に掛けている。今大会と重なるようにポルトガルで行われている欧州選手権で、同じクラスのロシアの選手が150メートル個人メドレーの世界記録を更新した。「19年の世界選手権より厳しいレースになると思う。それでも、できることをやっていきたい」。最終日は19年世界選手権で銀メダルを獲得した50メートル自由形に挑む。

 

 

西田杏:自己ベスト更新も内定まで0秒47差

女子50メートルバタフライ(S7)で西田杏(三菱商事)が、37秒01の日本新記録を樹立。3月の日本選手権で出した37秒74の自己ベストを更新したが、派遣基準記録の36秒54まで0秒47及ばなかった。決勝は「力みすぎた」と37秒41でフィニッシュした。

16年リオは100メートルバタフライで参加標準記録を突破していたが、代表には選ばれなかった。今回は50メートルで挑んだが、「50メートルの派遣基準も不可能ではないと思っていたので悔しいと唇をかんだ。

 

それでも予選の37秒01は、パラリンピック〝内定番付〟で6位相当。可能性がゼロとなったわけではない。「一歩メダルに近づくことができたと思っている。でも、今のタイムには満足はしていない。体力面も強化したい」と、大舞台への思いを胸に練習を続ける。

 

日向楓:日本新連発も派遣基準届かず

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男子50メートルバタフライ(S5)に出場した日向楓(撮影:岡田剛=5月21日撮影)


男子50メートルバタフライ(S5)に出場した15歳の日向楓(宮前ドルフィン)は、予選で35秒89、決勝は35秒78と、いずれも自身の日本記録を上回る好記録で泳いだが、決勝のタイムは派遣標準記録の35秒14まで0秒64届かなかった。

小学生で水泳を始めた。中学1年の時にクラスがS6から現在のS5に変更された。今回は3月の日本選手権で出した36秒86を1秒以上縮めるなど、成長を続けている。

 

決勝のタイムはパラリンピック〝内定番付〟5位相当の記録。「イルカのようなイメージで、滑らかな泳ぎが自分の強み。持久力をつけて後半に強くなりたい」。派遣基準記録突破での内定とはならなかったが、今大会のタイムを基にした残り枠での選考に望みをつなぐ。

 

 

一ノ瀬メイ(近大職)は、前日21日の初日に続き欠場した。

日本パラ水泳連盟は、今大会の出場を代表入りの条件としていたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響を考慮し、大会に出場できない選手が不利とならないよう「推薦選手選考審査」の申請を受け付けた。同連盟によると、一ノ瀬をはじめ、辻内彩野、山田美幸、小池さくらが申請を行い、棄権が認められた。(岡田剛)

 

 

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