【プロレス】ゼロワンの「大谷晋二郎エイド」大会②=負傷した試合の対戦相手・杉浦貴 56日間の苦悩/大谷からの長文メッセージ発表

決意をもって試合に臨んだ杉浦貴(撮影:いいの けい)

プロレスのZERO1(ゼロワン)のリーダーで、4・10両国国技館大会で頸髄損傷を負った大谷晋二郎を支援する大会「押忍PREMIUM ONE TEAM ZERO1! 大谷晋二郎エイド!! 何度でも立ち上がれ!」が2022年6月4日、東京・大田区総合体育館で行われた。

メーンイベントでは田中将斗が世界ヘビー級王座奪還に成功したほか、

【プロレス】ゼロワンの「大谷晋二郎エイド」大会①=盟友・田中将斗が王座奪還に成功~大谷の「座右の銘」を体現する大熱戦 - Webメディア「mimiyori」

 

4・10の対戦相手で、今大会で田中とタイトルマッチに臨んだ杉浦貴(プロレスリング・ノア)が事故後、初めてその試合について会見に臨んだ。

また、大谷の妹・葉月さんが大谷からのメッセージを代読。大谷の古巣である新日本勢も参戦し、それぞれの思いがこもった試合を繰り広げた(①/③以下に続く)

 

 

 

「協力させてください。これは本当にお願いします」

互いに譲らぬ大熱戦となったメーンイベントで、杉浦(右)は防衛線に臨むも敗れる
(撮影:いいの けい)

壮絶な打撃戦。王座から陥落した杉浦が会見で声を絞り出した。4・10両国で大谷が頸髄損傷を負った試合について口を開いたのは初めてだった。

「4月10日。大谷選手と試合をして、僕の技でケガをしてしまったので、これについては大谷選手に申し訳なく思っています。すみません。そして何より、大谷選手のご家族のご家族にご心配とご迷惑をおかけしたままで本当に申し訳ないです。申し訳ありません」


一つ一つ謝罪していく姿に、この56日間の苦悩がにじむ。今大会は、大谷が負傷した世界ヘビー級選手権に大谷の盟友・田中が挑戦する形となったリマッチ。4・10を想起させる試合でもありつつ、今でき得る最善のカードでもあった。

 

「4月10日から、僕なりにどうしていけばいいかを考えたのですが、きょうみたいな大会があれば、プロレスラーとしてお手伝いをできればと思って今回出場させてもらいましたが、今後も大谷選手の力になれるなら、試合でもほかのことでも協力させてください。これは本当にお願いします」

 

4・10から苦悩し続けている杉浦(撮影:丸井 乙生)

杉浦には一部から誹謗中傷が浴びせられたが、大谷の親族はそれを望んでいない。大谷の兄・裕一郎さんは4月28日の記者発表で「晋二郎は逆に、杉浦選手に申し訳ないと思っているはず。晋二郎の名誉のためにも、今後の変わらない杉浦選手のご活躍を心より願っております」という思いを表明している。

 

杉浦は今大会で敗れたしたものの、田中との名勝負には無言の熱い思いがあふれていた。

「大谷選手は何度でも立ち上がってくる男だと思っています。今回も、ケガから必ず復帰して、また立ち上がってリングに戻ってきてくれると信じて、そして祈って、そしてリングで大谷選手を待っています」

 

妹・葉月さんが大谷の長文メッセージを代読

応援募金の発起人であるパブリックビジネスジャパンの萩原宣CEO(左)と大谷の妹・葉月さん(右=撮影:いいの けい)

試合終了後、長期の治療とリハビリを支える目的で創設された「大谷晋二郎 応援募金」の発起人兼世話人のパブリックビジネスジャパンの萩原宣CEO、そして大谷の妹・葉月さんが壇上に上がった。
葉月さんによると、現在は新型コロナの影響で親族、家族も長らく本人とは直接会うことができず、手紙をしたためて届けている。大谷は体のまひが続いているほか、思うように言葉を出すことも難しい状況にある中で、今大会への長文のメッセージを送ってきたという。葉月さんもこれには驚き、兄の熱い思いに改めて感じ入った。

 

「今の状況でこれだけの内容を送ってくれるには、本人の努力と(病院関係者による聞き取り、代筆など)周りのサポートがあったことと思います。感謝の気持ちでいっぱいです。兄は自分の現実と向き合って戦っております。引き続き、ご支援のほどを宜しくお願いいたします」

 

大谷本人からのメッセージ

募金活動や今大会開催は、多くの人に支えられている。ファンも関係者も、これまで大谷から受け取った勇気、元気、エネルギーを今こそ返そう、という思いからだ。

 

今回、大谷が発信した長文メッセージ内容は病床にあっても、受け取った相手にエネルギーをもたらすものだった。

 

大谷からのメッセージは下記の通り。

……………………………………

本日は素晴らしい時間を作っていただき、本当にありがとうございます。

本当であれば僕が会場に行き、皆様にごあいさつをしなければならないところですが、来場することができず本当に申し訳ありません。

 

「プロレスとは、見ている人に元気を与えるものである!」

 

いつもそう叫ぶ僕ですが、その思いはきょう出場してくださるプロレスラーが皆、心に秘めている思いだと信じています。

 

4月10日、両国国技館大会からもうすぐ2カ月ですが、今も僕は自分の意思では体を動かすことも、思い通りに言葉を発することもできません。

 

しかしながら、僕は今たくさんのことを学ばせていただいています。

毎日支えてくださる病院の先生や看護師の皆様、家族や多くの関係者の皆様のおかげで、今僕の心の中は、人の温かさと優しさがあふれ感謝の気持ちでいっぱいです。

 

そしてまた強くなった大谷晋二郎は、必ず皆様の前に帰ります。

 

ずっと近くで支えてくれている僕の家族は「もう頑張らなくていいよ。もう十分頑張ってきたし、今も頑張っているから今のままで大丈夫だよ」と言ってくれます。

でも、大谷晋二郎に限っては、もっともっと頑張るという気持ちでいたいのです。

僕が頑張ることでプロレスを応援してくださる皆さんに、勇気や元気が伝わるはずだと信じているからです。

 

皆、毎日どこかで一生懸命頑張ってるんです。だからこそ何度でも僕は叫びます。

「頑張れ!」

「頑張ろう!」

「頑張るんだ!」

「負けてたまるか!」

「みんなみんな一緒に頑張ろう!」

 

令和4年6月2日  大谷晋二郎

……………………………………

 

(丸井 乙生)

 

 

◆募金活動

頸髄損傷を負った大谷晋二郎選手を支援するプロジェクト「何度でも立ち上がれ! 大谷晋二郎 応援募金」は随時、募金を受け付けている。

振込先は大谷の兄・裕一郎さん、妹・葉月さんで、詳細は下記の通り。

海外からはクレジットカードのみ受け付け可能。

https://otanishinjiro.com/

 

●三菱UFJ銀行 広島支店

普通0717636 口座名義 オオタニユウイチロウ

●ゆうちょ銀行 五五八支店

普通0227704 口座名義 オオタニハヅキ

 

 

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