【プロレス】ゼロワンの「大谷晋二郎エイド」大会①=盟友・田中将斗が王座奪還に成功~大谷の「座右の銘」を体現する大熱戦

メーンイベント終了後、参加選手がリングに集結(撮影:いいの けい)

プロレスのZERO1(ゼロワン)のリーダーで、4・10両国国技館大会で頸髄損傷を負った大谷晋二郎を支援する大会「押忍PREMIUM ONE TEAM ZERO1! 大谷晋二郎エイド!! 何度でも立ち上がれ!」が2022年6月4日、東京・大田区総合体育館で行われた。

大谷、そしてゼロワンにゆかりのある男女60選手が集結して10試合が行われ、売り上げから経費を差し引いた現金全額が、長期治療・リハビリで入院中の大谷へ寄付されるもの。

メーンイベントの世界ヘビー級選手権では、盟友・田中将斗(ゼロワン)が4・10に大谷と対戦した王者・杉浦貴(プロレスリング・ノア)に挑戦。大谷の座右の銘である「何度でも立ち上がれ!」を体現する大熱戦を繰り広げ、田中が24分40秒、スライディングDを決めて、大谷が果たせなかった王座奪還に成功した。

また、この日は大谷の妹・葉月さんが大谷からのメッセージを代読、大谷の古巣である新日本勢も参戦し、それぞれの思いがこもった試合を繰り広げた(②以下に続く)。

 

 

 

 

「何度でも立ち上がる」大熱戦

田中将斗(右)とノア・杉浦貴のメーンイベントは大熱戦(撮影:いいの けい)

絶対にあきらめない。エルボー、エルボー、またエルボー。肘打ちは両者合計100発にも及び、バックドロップを食らっては立ち上がりざまに相手に同じ技を食らわせる。大谷の自伝「何度でも立ち上がれ―僕の人生、起き上がりこぼし」を地でいくかのような熱戦だった。

入場は、大谷と田中の曲をミックスした「炎武連夢」のテーマ曲でリングイン。序盤から互いにエルボーでの打撃戦に突入した。

 

机にダイブする田中(撮影:丸井 乙生)

試合時間10分過ぎには、田中はエプロンでのデスバレーボム、さらにテーブルクラッシュで試合の主導権を握ったが、王者・杉浦も倒れない。打撃の往復に2人とも膝に手をつき、疲労困ぱいとなったが、田中は「お前より多く打ってやる!」と叫びながら肘を繰り出した。

 

大谷の得意技「スパイラルボム」で高々と杉浦を掲げる田中(撮影:丸井 乙生)

20分過ぎには大谷の得意技「スパイラルボム」を繰り出し、打撃戦では頭突きまで投入。最後は必殺のスライディングD連発で決めて3カウント。勝者も敗者も、リングに大の字となった。

 

大谷の帰還まで「絶好調の田中将斗であり続ける」

リング上であいさつする田中(撮影:いいの けい)

4・10両国国技館では、大谷が世界ヘビー級王者・杉浦とタイトルマッチに臨み、15分過ぎに大谷が後頭部を打って体が動かなくなった。セミファイナルで試合を終えて控室に下がったばかりの田中は異変を察知したのか、すぐにTシャツを着て大谷のもとへ駆けつけていた。

大谷は救急車で病院へ運ばれ、頸髄損傷と発表された。この日発表された大谷自身からのメッセージでは、首から下のまひは続いており、発声することも思うようにならない旨が記されている。

 

リング上で円陣を組むゼロワン勢(撮影:いいの けい)

新王者・田中がリング上でマイクを握る。杉浦が大谷の負傷に責任を感じて苦悩する中、勇気をもって今大会参戦を決断したことに、厚く感謝の思いを述べた。

「ベルトを獲れてうれしいです。ご来場いただいたみなさん、ありがとうございます。大谷さん、そして杉浦さん、あなたも俺にとっては欠かせない(人)。メーンに上がっていただいて本当にありがとうございます。思うところがあったと思いますが、リング上の杉浦さんはいつもと変わらず、肘をぶつけてきてくれて感謝しています」

 

田中がゼロワンの選手たちをリング上に集め、円陣を組んだ。

「おい、北村。泣くんじゃねえぞ。俺たちはもっともっと意思の疎通をして、このリングを守っていかなアカン。円陣を組め。俺ら、もっともっともっと頑張るぞ!」

恒例の締め「3、2、1、ゼロワン」の前には、もしかしたら病院でAbemaTVの中継を見ているかもしれない大谷に向けて、「大谷コール」を呼びかけた。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、まだ会場では大声の声援が自粛されているが、田中のマイクに合わせて、観客から大きな手拍子が贈られた。

 

「3、2、1、ゼロワーン」の合唱の後、大会終了を告げる曲が流れた。ハウンドドッグの名曲「ff(フォルティシモ)」だ。

――激しく 高ぶる 夢を眠らせるな あふれる思いをあきらめはしない――

 

試合後に会見に臨んだ田中(撮影:丸井 乙生)

「大谷晋二郎がチャレンジする時には、俺が必ずベルトを持っている。何年後になるか分からないけれど、俺は絶好調の田中将斗であり続けます。ゼロワンの歴史を見ていくと、ずーっとピンチでやってきた。今が最大のピンチ。気持ちを強く持ってやっていこうと思います。僕にとっては、大谷選手も杉浦選手も、炎武連夢も、切っても切れない仲。僕にとってお2人との絆と歴史は、このままずーっと続いていくと思っています。僕は大谷さんにかなり影響を受けている人間です。ちょっとずつ、ちょっとずつでも返さないといけない」

共に歩んで早20年近く。盟友は、大谷が人生をかけたリングを守り通す覚悟だ。

(丸井 乙生)

 

………………………………………

◆募金活動

頸髄損傷を負った大谷晋二郎選手を支援するプロジェクト「何度でも立ち上がれ! 大谷晋二郎 応援募金」は随時、募金を受け付けている。

振込先は大谷の兄・裕一郎さん、妹・葉月さんで、詳細は下記の通り。

海外からはクレジットカードのみ受け付け可能。

https://otanishinjiro.com/

 

●三菱UFJ銀行 広島支店

普通0717636 口座名義 オオタニユウイチロウ

●ゆうちょ銀行 五五八支店

普通0227704 口座名義 オオタニハヅキ

………………………………………

 

#頑張れ大谷晋二郎

#何度でも立ち上がれ大谷晋二郎

 

mimi-yori.com

 

mimi-yori.com