【自転車】ショルダーバッグ「サコッシュ」が人気上昇中

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左が自転車ロードレース用のサコッシュ、右がファッションアイテムとして日本で人気のサコッシュ。大きさは2周りほど違う。(撮影:光石達哉)

最近、「サコッシュ」と呼ばれるショルダーバッグが日本で人気だ。1~2年前からアウトドアブランドやバッグブランドがサコッシュを発売するようになり、今ではファストファッションのお店でも見かけるほど、一般的になってきている。

 

「サコッシュ」は、自転車ロードレース発祥のバッグと言うけれど

もともとサコッシュは、ツール・ド・フランスなどの自転車ロードレースで補給用のドリンクや食べ物を入れて渡すためのバッグだ。
しかし、やはりレースで使われるものと街中で使われるものはいくつか違いがあると感じている。

1レースで5000キロカロリー消費

1日200km前後、4~5時間走ることも当たり前な自転車ロードレースでは、レース中の補給は欠かせない。
しかも、補給するのは水やスポーツドリンクのような飲み物だけではない。
1レース走れば成人男性の1日の平均的な消費カロリーの2倍近い5000kcal前後を使うと言われ、エナジージェルのようなスポーツ用食品、さらにはバナナなどの果物、ジャムやはちみつをはさんだパンなど高カロリーの食べ物までレース中に摂取する。
しかも、平均毎時40kmのスピードで走っているため、陸上のマラソンのようにテーブルに置かれたボトルを取るというわけにはいかない。

補給の受け渡しには熟練の技

そのため、コース上で1~2カ所、補給ゾーンが主催者によって設置され、待機するチームスタッフ(大抵の場合はマッサージなど体のケアを担当するスタッフ)が、サコッシュにボトル2本ぐらいと食べ物を詰め込み、それをチームの選手に手渡しする。
もちろん、このサコッシュの手渡しにも熟練の技が必要で、車輪と絡まって落車するなんてアクシデントもたまに発生する。

観戦のお土産代わりに

サコッシュを受け取った選手は、自転車のボトルゲージやジャージの後ろポケットに必要なものをしまい、空になったサコッシュはグルグル丸めてコース脇にポイと投げる。
そのサコッシュにはチームのロゴなどがプリントされているため、自転車ファンはそれを拾って観戦のお土産に持って帰る。だから、基本的にゴミにもならない(ルールでは補給ゾーンの前後にゴミ捨てゾーンが設置されているため、原則としてそこに捨てる)。

取材用アイテムにも愛用

個人的にこのサコッシュは、自転車など屋外のスポーツイベントを取材している時にとても便利だ。
容量がかなりあるため、A4サイズの資料もすっぽり入るし、筆記用具にノート、スマホ、小型のカメラの替えレンズやバッテリーぐらいは一度に入れられる。
肩掛けで口も空いているから、必要なものをすぐに取り出せる。

ファッションアイテム用は頑丈

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自転車用のボトルを入れてみた。左は余裕で2本入るが、右はボトルの頭が飛び出してしまう。(撮影・光石達哉)

しかし、あくまで使い捨てのバッグのため、布2枚を貼り合わせて、肩ヒモを縫い付けただけの簡単なつくり。そのため重いものを入れ過ぎたり、長期間使っていると肩ヒモの縫い目がほつれてきたりと、あまり長持ちするものではない。

その点、日本でファッションアイテムとして売られているサコッシュはさすがに頑丈で、ファスナーで開閉できたりもするのだが、こちらも惜しいところがある。
なんと言っても、小さいのだ。
レース用のものより、2周りぐらい小さく、自転車用のボトルもA4の冊子も入らない。 だからレースの補給にも取材用のバッグにも、使えない。

自転車の海外現場では通称「ミュゼット」

もちろん、作っているメーカーもこれを本気で自転車レースで使う人がいるとは思ってないだろうし、あくまでスマホや財布などを入れる小物入れのサコッシュ風ショルダーバッグということなのだろう。

ちなみに、サコッシュはフランス語でカバンやバッグの総称で、海外では自転車ロードレースの補給用のバッグはミュゼットと呼ばないと通じないそうだ。

(光石 達哉)

 

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