【ラグビー】欧州ラグビーテストマッチ~スコットランドプチ情報前編

 

ラグビー ゴール

ラグビーのゴール(写真:photoAC/MuddyFox)※写真はイメージ

 ラグビーの欧州テストマッチが23日(現地時間)、始まった。10月24日に試合がなかった6nations出場国のうち4カ国にジョージアが加わり、同日、同25日にかけて2試合を行う。WOWOWでは25日午後1時からスコットランドVSジョージアを放送予定。

今回はラグビー専門誌にはなかなか掲載されない、スコットランド代表FWのプチ情報をお届け。

 

 

 

 

PR:多国籍軍~インドにルーツも

19年W杯日本代表は海外出身の選手が多かったことは記憶に新しい。スコットランド代表もまた”多国籍軍”だ。

PRサイモン・バーグハンはニュージーランド・クライストチャーチ生まれ。祖父がスコットランド出身で、14年に同国へ移住した。

15年から2大会連続W杯代表のPRウィレム・ネルは南アフリカ出身で、12年に夫人とともに移住。移住後に相次いで2児が誕生し、19年7月には、第3子の女児が体重4450gで生まれるなどスコットランドに根をおろした。PRオリ・ケブルも南ア出身。

 

PRジェイミー・バティは祖父がインドから英国へ移住した。代表への道のりは長く、中学卒業後は17歳から食肉工場、週末はナイトクラブでドアマンとして勤務するダブルワークをこなしながら、クラブチームでラグビーを続けた。現状打破の手段として、警官の試験に応募し、体力テストには合格したが「なぜ警官になりたいのか」と聞かれて絶句し、不合格になったというエピソードがある。

 

 

PR/HO:過去は「聖歌隊」/息抜きは飛行機操縦

 

ラグビー以外で玄人はだしの”ワザ”を持つ、意外な素顔も。PRザンダー・ファーガソンは以前、国立少年聖歌隊に属したほか、マウンテンバイクのユース大会で優勝したことがある。

15年から2大会連続W杯代表で、19年大会は主将を務めたHOスチュアート・マキナリーは、小型飛行機免許を所持している。最高の息抜きは操縦している時だという。

同じくW杯2大会連続代表のHOフレイザー・ブラウンの実家は農家。今でも、休日や長期離脱中は家業を手伝うのだとか。13年に初代表入りを知らせる電話を受けたのも農場だったという。

 

家族の支えを得て活路を開いた選手もいる。HOジョージ・ターナーはかつて注目されながらも代表入りを果たせない苦しい時期があったが、父から「今はじわじわと来ている時期。いつか目標には到達できる」と諭された。17年に初代表入りをつかむと「これは家族で得た代表キャップ」とコメント。19年大会でW杯初出場を果たした。

PRロリー・サザーランドは16年に股関節の負傷で約1年間も試合から離れた。リハビリ中は車いすユーザーとなり、トイレに行くにも夫人に手伝ってもらっていた。20年6nationsは4年ぶりの代表復帰となる。

 

 

LO:ツインタワーのグレイ兄弟

 

多国籍軍はLOでも豊富。19年8月に代表デビューした直後にW杯にも出場したブレイド・トムソンはニュージーランド・オークランド出身。祖父がスコットランド出身という縁だった。

同じく19年W杯代表のベン・トゥーリスは豪州出身で、母がスコットランド出身。日本の栗田ウオーター・ガッシュに所属したことがある。

サム・スキナーはイングランド・エクスターで生まれ育ち、18年秋にスコットランド代表ヘッドコーチから「父親孝行をしないか?」と連絡が。父がスコットランド出身であることを踏まえた口説き文句だった。

 

同じポジションの兄弟選手は「グレイ・ブラザーズ」。

兄リッチーは11、15年W杯代表。身長205センチという事もあってか、睡眠時間は1日10時間も確保するようにしているとか。弟ジョニーも身長198センチの長身で、15、19年大会W杯出場を果たしている。

 

LOには理系男子がそろう。スコット・カミングスは大学で数学を選考。W杯2大会連続出場中のグラント・ギルクリストは、大学で化学工学を学び、石油企業で実習も行った。 

 

3列目:リーチ マイケルから模造刀プレゼント

19年W杯の日本戦で注目されたジェイミー・リッチー。日本戦で日本代表CTBトゥポウをヒジで押し倒し、SO田村と小競り合いになるなどして、SNS上で批判された。試合後にはリーチマイケルから模造刀を贈られ、仲直りした。

 

引退後のプランがユニークな選手も。長髪のブレア・カウワンは引退後に備えてロンドン理髪学校を卒業済み。クラブの更衣室は、定期的に”ブレアの理髪店”が臨時開店するという。

198センチの長身、ロブ・ハーレーは小説出版が夢。普段から難解な書籍を読破しており、大学のオープン講座で古典を学んでいる。コロナ禍のステイホーム期間中はドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」を研究しながら読み終えた。

 

マット・ファガーソンはPRザンダーの弟で、母国では「ファガーソン兄弟」として知られる。

ひげがトレードマークのコーネル・デュプレアは南ア出身で、ニック・ヘイニングは豪州出身。こちらも海外出身だ。

(mimiyori編集部)

 

 

※スコットランドージョージア戦のもようは、10月25日(日)午後1時~、WOWOWで解説・大西将太郎氏、実況・鈴木健アナウンサーで放送される。

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