ラグビーの欧州テストマッチが23日(現地時間)、始まった。10月24日に試合がなかった6nations出場国のうち4カ国にジョージアが加わり、同日、同25日にかけて2試合を行う。WOWOWでは25日午後1時からスコットランドVSジョージアを放送予定。
今回はラグビー専門誌には掲載されない、スコットランド代表BKのプチ情報をお届け。
新型コロナウイルス感染拡大前、リーグ戦開幕直前に偉大な選手がやらかして叱られた話も。
SH/SO:叱られた英雄 フィン・ラッセル
SOフィン・ラッセルは石工として働いていた経験を持ち、15、19年W杯に2大会連続出場する選手となった。19年大会では日本戦で先制トライを決めるなど脂がのった28歳だが、20年6nations前の代表合宿中にお酒を飲んで翌日の練習に参加しなかったため、規律違反としてクラブに”強制送還”される憂き目にあった。
リーグ戦再開にあたって無事メンバー入りしているが、タウンゼンド代表ヘッドコーチと話し合った上で招集されており、クギを刺されたとみられている。
家族で代表入りを果たした選手もいる。19年W杯代表のSHジョージ・ホーンは、兄ビートが元スコットランド代表で、過去に代表で兄弟同時出場を飾ったことがある。
同じく19年W杯代表のSOアダム・ヘイスティングスは同国初のW杯親子出場を達成。父ギャヴィンはFBで元代表主将を務め、61キャップ667得点を誇る伝説的な選手だ。
少年時代はラグビーよりも他競技で活躍していた選手では、クリケットのU17地区代表だったSHアリ・プライス。サッカーのユースチームに所属していたSHスコット・スティール、SOダンカン・ウィアーはセルティックFCのユースでプレーしていた。
CTB/WTB/FB:日本代表とゆかり
日本代表とゆかりのある選手が多い。ニュージーランド出身のCTBクリス・ハリスは、19年W杯で祖母の母国であるスコットランド代表として出場。元日本代表の畠山健介とはニューカッスルで同僚で、W杯期間中に畠山がツーショットをSNSに投稿した。
15、19年W杯代表のWTBショーン・マイトランドは日本代表・堀江翔太とニュージーランドのアカデミー時代に一緒に住んでいた時期があるという。
意外な素顔を持つ事例では、CTBジェイムズ・ラングは少年時代はテニスに夢中で、何とウィンブルドンでボールボーイを務めた経験を持つ。CTBニック・グリッグはIKEAが大好きで、何度も通って家具を取りそろえている。
トラウマをバネに~起業したダミアン・ホイランド
トラウマから脱出したケースもある。19年W杯代表のWTBダーシー・グラハムは少年時代、ラグビー開始後にサッカーも始めたが、初めての試合で初めて来たパスを手で受け「ハンド!」と叫ばれたことでサッカーを断念した。
19年W杯後に代表主将の座に就いたFBスチュアート・ホッグは、超怖がり。代表仲間によくドッキリを仕掛けられる。仕返ししようと企画するも、ホッグのプランでは相手は驚いてくれないという。
豪州出身のCTBサム・ジョンソンは、15年に故郷を離れてグラスゴー入り。最初の半年間はホームシック状態で、誰とも話さずにスマホの動画ばかり見ていた、と告白している。
ケガに悩まされ続けたWTBダミアン・ホイランドは、新たな趣味が思わぬ起業につながった。15年8月イタリア戦で代表デビューも、17年6月以来代表戦出場なし。不遇のここ数年でコーヒー愛に目覚め、同じ代表のスチュアート・マキナリーとベンチャー会社を立ち上げ、19年から高級コーヒーブランド「Ruck Coffee」を売り出した。
キングホーンの時代がやってくる
世界を渡り歩いてきた。CTBヒュー・ジョーンズはイングランド育ちで、12年にはケープタウン大学に入学するため南アへ移住。17年にはスコットランドラグビー協会の働きかけで、17年にグラスゴーへ移籍した。
一方、WTBドゥアン・ファン=デ=メルヴェはジュニア時代は南アフリカ代表、のちにフランスのTOP14のモンペリエへ加入し、17年1月からスコットランドのエディンバラと契約。今回のジョージア戦がスコットランド代表デビュー戦となった。
また、19年W杯代表の23歳WTBブレア・キングホーンは、 新聞の見出しに「キングホーンの時代がやってくる」とつけられるほど期待されている。
(mimiyori編集部)
※スコットランドージョージア戦のもようは、10月25日(日)午後1時~、WOWOWで解説・大西将太郎氏、実況・鈴木健アナウンサーで放送される。