【旅行】「プライベートかまくら」「温泉パレット」って何?星野リゾートが打ち出す創意工夫の「冬の旅」

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「界 アルプス」における夜のかまくら(写真:星野リゾート提供)

次々に斬新なプランを打ち出してきた星野リゾートから、また新たな提案が発信されている。

 今回のプランは新型コロナ対策を重視。社会全体に閉塞感が漂う中で最大限、旅の喜びを知ってもらおうという思いが詰まっている。

3密を回避するのはもちろんのこと、客室完結型のプランでさらに安全。雪国の雰囲気を堪能できる「プライベートかまくら」も。

コロナに「かからない」だけでなく、発生してしまった問題をおいしく「解決」しようという商品も登場している。

 

不況にあえぐ宿泊業界だが、星野リゾートはただ手をこまねいているだけではない。その工夫と心をご覧あれ。

 

 

 

 

星のや東京:「発酵×フレンチ」でコロナに打ち勝つ!

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発酵×フレンチの美しい料理に舌鼓(写真:星野リゾート提供)

星のや東京では日本の「発酵」という食文化に着目。誰もが健康を意識している今だからこそ、発酵食品を使用した料理を食べて免疫力を高めようと、2020年12月18日から「Nippon キュイジーヌ ~発酵~」冬メニュー(~21年2月)の提供を開始している。

 

醤油、味噌、漬物……。日本の食文化に欠かせない発酵食品だ。これらは腸内環境を整える「善玉菌」を多く含んでいる。免疫細胞が多く存在しているのが腸。つまり、発酵食品を食事に取り入れることで、免疫細胞の働きを助け、病気にかかりにくくなる効果が期待できるという。

 

このコースではフレンチでは本来使われない柿酢、酒かす、豆腐ようといった発酵食品を多く使用。健康に良いだけでなく、発酵や熟成によって新たなフレンチの魅力と味わいを引き出している。

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視覚でも楽しめる料理。5つの味覚が表現されている。左から(酸)小肌のルーロー(塩)ビスク(苦)ほっけのブランダート(辛)いかのメルゲーズ(甘)黒豆とレバーペースト
(写真:星野リゾート提供)

「石」五つの意思

星のや東京料理長の浜田統之(のりゆき)氏の、代表的な料理の1つが、その名も「『石』五つの意思」(写真)だ。

視覚でも堪能できるその料理は、5つの味(酸・塩・苦・辛・甘)をそれぞれ小さな料理に詰め込んだもの。味付けには柿酢、酒かす、かんずり、豆腐ようなど、日本で古来から親しまれてきた発酵食品を取り入れている。

 

 

 

コースの中から1品ご紹介しよう。

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ふぐの白子のパイ包み。おいしそう!(写真:星野リゾート提供)

「稀」ふぐの白子のパイ包み

ふぐの身と卵巣の粕漬け、白子を使った濃厚なフィリングにマデラソースとトリュフをあわせてパイ生地に包んで焼き上げた逸品。サクッとしたパイの食感と、白子の柔らかくトロリとした食感の組み合わせがたまらない。

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「改」紅まどんなと生姜。ヨーグルトのアイスクリームも使った、さわやかなデザート(写真:星野リゾート提供)

他にも創意工夫が凝らされた品ばかり。魅惑のコースだ。星のや東京では、衛生管理や3密回避対策が徹底されており、安心して食事ができる。みなさんもおいしい食事をいただきながら免疫力もアップさせてはいかがだろうか。

 

界 加賀:伝統の「金継ぎ」に触れる

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金継ぎの美しさに目を奪われる(写真提供:星野リゾート)

界 加賀では「金継ぎに触れるプログラム」が2月からスタートする。

 

みなさんは「金継ぎ」をご存じだろうか。茶器が欠けたり、割れたりしたときに破損部分を漆で接着し、金紛によって仕上げる手法だ。継ぎ目を隠すのではなく、あえて金紛によって目立たせることで、新たな美へと昇華させる方法として、古くから行われてきた。

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修復された器たち(写真:星野リゾート提供)

 

 

 

かつて界 加賀の前身である白銀屋には、かの北大路魯山人が滞在したのだという。「器は料理の着物」という彼の言葉を体現すべく、界 加賀では色鮮やかな九谷焼を惜しむことなく料理提供に用いている。大切に扱ってはいても、やはり「諸行無常」。形あるものはいつか壊れてしまう。

 

そこで注目されたのが金継ぎ。スタッフが自ら修繕に取り組んでおり、これまで修復した器は200を超えるとか。 

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使用する道具はやすり、へら、筆、彫刻刀など(写真:星野リゾート提供)

このプログラムでは視点の違う3つの方法で金継ぎを体験することができる。

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夕食の懐石料理は金継ぎの器で提供される(写真:星野リゾート提供)

1つ目は「聞く」。夕食の会席料理に金継ぎの器が使用される時に、金継ぎ文化についての解説をする「金継ぎ語り」が行われる。「料理と器のマリアージュ」を大切にしてきた界 加賀のこだわりと、金継ぎの魅力について知ることができる。

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1人あたり1500円にて、金継ぎ九谷焼の器で提供される加賀棒茶2種、干菓子と主菓子を楽しむことができる(写真:星野リゾート提供)

2つ目は「使う」。金継ぎされた九谷焼と登録有形文化財に指定された江戸時代の茶室を使って、加賀棒茶を飲む「独服」が体験できる。本来、主人と客人がお茶を介して空間をつくり上げる茶会に対して、敢えてお茶室をひとりで使うことで三密回避も兼ねた特別な体験を提供。心のおもむくままに器を楽しむことができる。

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アクセサリーづくりもできる(写真:星野リゾート提供)

3つ目は「作る」。九谷焼のかけらを使ったアクセサリー作りに挑戦できる。金継ぎは高度な技術だが、日ごろから金継ぎを行うスタッフが丁寧に指導してくれる。かけらはあくまで偶然に生まれたもの。そのかけら同士の組み合わせともなれば発想は無限大。まさに世界にひとつだけの金継ぎアイテムをつくることができる。

 

界 津軽:憧れの「プライベートかまくら」登場!

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こちらのかまくらは「界 津軽」。地元工芸の「こぎん刺し」のもようがほどこされた灯ろうに囲まれた様子は幻想的

(写真提供:星野リゾート)

コロナ禍であっても雪国ならではの体験ができるように、と粋なサービスが登場している。その名も「プライベートかまくら」。

純白のかまくらを、地元工芸の「こぎん刺し」模様があしらわれた燈籠たちが囲んでいる。幻想的でありつつ、かまくらの中にはこたつが用意されている現実的なサービスも融合。暖かく、かつムーディーな時間が楽しめる。

 

21年2月1~27日(※積雪の状況によって変更の可能性あり)に、17時50分から1組あたり20分区切り、10分間の入れ替わり時間を設ける。最終回は20時20分~40分。

 

かまくらの中では地元の洋菓子店が作った、伝統的なこぎん模様のチョコレートと、地元名産のりんごを使ったホットカクテルを楽しむことができる。

こたつでぬくぬくとしながらスタッフ考案のオリジナルのカードゲームも楽しめるなど、「プライベートかまくら」の名の通り至れり尽くせり。

 

こんなご時勢だからこそ、かまくらのプライベート空間で安全に冬を堪能するのもまた乙というものだ。

 

 

 

 

界:「おこもりグッズ」で客室完結の体験を

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「界 津軽」ではこぎん刺しを体験できる貸し出しキットあり。1時間程度で1500円
(写真:星野リゾート提供)

全国に展開する星野リゾートの温泉旅館ブランド「界」では21年1月12日~7月16日、「界」ブランド全施設で「界のご当地おこもりグッズ」を提供する。感染防止を万全にしながら、それでも旅に新たな発見を見出してもらおうというサービスだ。

 

どのサービスも客室内で、ゲストのみで楽しむことができる。ご当地の伝統工芸、文化、自然素材に触れ、造って楽しんだり、学べたり、癒されたりする体験が用意されている。

 

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「界 箱根」では世界にひとつだけのコースターを作ることができる。30分程度で1320円(写真:星野リゾート提供)

例えば、「界 箱根」では有名な寄木細工を使った「エコースター作り」を体験することができる。気の色味や木目を活かしたオリジナルのコースターが手に入る。

天然の木をつないで1つのコースターを自作。出来上がったコースターを家で使用することで、旅が終わったあともその余韻に浸れること請け合いだ。

 

ほかにも、アクセサリーやがまぐちが作れたり、ワインのテイスティングができたり。なんと、温泉に入りながら絵が描けるという「温泉パレット」セットを用意している施設も。

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「界 仙石原」では客室の露天風呂に浸かりながら、風景画を描ける「温泉パレット」セットの貸し出しあり。終日可能で5500円(写真:星野リゾート提供)

「界」ブランドの各施設で内容はさまざま。狙った施設でどんな”おこもりセット”が借りられるか、チェックすると

 

界:美味!「お茶羊羹」でフードロスを防ごう

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浜松の美味しいお茶で作られた羊羹は絶品

(写真提供:星野リゾート)

コロナ禍の影響で全国で食品の廃棄や在庫過多の問題が各地で発生している。お茶業界にとっても他人事ではなく、せっかくのおいしいお茶が捨てられてしまう危機に瀕している。そこで、お茶文化を盛り上げ、消費を増やすべく「界のお茶羊羹(かん)」が販売されることとなった。

 

煎茶とほうじ茶の2種の味があり、それぞれ小さな食べきりサイズに個包装されている。煎(せん)茶羊羹は静岡県浜松市の天竜茶を、ほうじ茶羊羹は同じく浜松市の浜松茶を使用。素材にもこだわり、香り高く味わいのある羊羹に仕上がっている。

 

お茶農家の方々を支援する意味もこめて、味わってみたいところだ。

(mimiyori編集部)

 

 

 

 

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