【自転車】「若葉マーク脱出計画」⑪~初めてのビンディングペダルに挑戦(後編)

ビンディングペダル

ビンディングペダルを使いこなそう!(撮影:光石達哉)

自転車初心者の編集部見習いコイケとともに、サイクリングをより楽しむためのノウハウやアイテムを学んでいくシリーズ。

今回はサイクリストとしてレベルアップの一歩、シューズとペダルを固定するビンディングペダルに初挑戦。

前回はペダルとシューズを選んだが、いよいよ自転車に取り付けて走って見よう。

 

 

 第一関門! ペダル交換の方法は?

ペダルレンチ

ペダルを交換するには、専用のペダルレンチを使うと便利。右側のペダルを外すには、クランクを前方斜め上の方向にして、ペダルレンチを逆「く」の字に差し込んで下に降ろすと力が入れやすい(撮影:光石達哉)

まずはペダルの交換。

もともとついているペダルを外さなければいけない。最初は自分でやろうとしたコイケだったが、うまくいかず断念した。

 

ペダルレンチ

逆ネジの左側のペダルもクランクを前方斜め上の方向にして、ペダルレンチを「く」の字に差し込んで、下に降ろす(撮影:光石達哉)

自転車のペダルは漕いでいる時に緩まないようにネジ穴が切られているため、左側が逆ネジ(時計回りに緩む)になっている。

また普通のレンチでは届きにくく、力が入りにくいところなので、専用のペダルレンチを使う方がいい。

 

六角レンチ

六角レンチで脱着できるペダルもある(撮影:光石達哉)

裏側から六角レンチで取り外すペダルもある。

取り外せたら、ネジ穴を洗ってグリスを塗り、新しいペダルを取り付けよう。

 

マジックリン

ペダルを外したら、ネジ穴を掃除。油汚れ用のマジックリンは、自転車のあらゆるところで使えるので便利。洗い終わったら、洗剤はきちんと拭き取ろう(撮影:光石達哉)

グリス

新しくつけるペダルのネジ山にグリスを塗る。サビ防止・固着防止のためだ。これはちょっとつけ過ぎ。はみ出した分は拭き取る(撮影:光石達哉)

ペダルレンチ

ペダルをクランクに取り付ける。ある程度まで手でねじ込んで、最後はペダルレンチで締め込む(撮影:光石達哉)

ペダル交換

ペダル装着完了! 見た目もすっきりしていい感じ(撮影:光石達哉)

 

 クリート位置は母指球からスタート

クリート

次はシューズにクリートを装着。クリートは親指の付け根の母指球に合わせるのが最初の基本(撮影:光石達哉)

次にシューズのソールにクリートを取り付ける。

SPDのクリートはネジ2本、(ロード用は3本)で固定。

ソールにはネジ穴が4つ空いていることが多いが、クリート位置を前寄りか後ろ寄りにする調整幅のためだ。

 

クリート

母指球の位置を目安に、六角レンチでクリートを装着。クリート位置は前後左右に調整可能なので、痛みやこぎにくさを感じたらミリ単位で動かしてみる(撮影:光石達哉)

クリート位置はプロ選手などはコンマ数ミリ単位で調整するほど繊細な位置決めが必要だが、最初は母指球と呼ばれる親指の付け根の骨のでっぱりにクリートの中央が来るように合わせるのが基本だ。

 

この位置でしばらく漕いでみて、ひざなどに痛みが出たり、脚が回りにくいと感じるときは細かく調整しよう。

 

 効率のいい安定したペダリングを目指して

ビンディングペダル

さて、いよいよビンディングペダルで走ってみる。まずは片足ずつはめて外してを繰り返し練習(撮影:光石達哉)

いよいよビンディングペダルを実際に使ってみる。

メリットとしてよく言われるのは引き足と言って、後ろ側の足を引き上げるときも力をかけることで、速く走れるようになるというもの。

しかし、いろんな計測で引き足のパワーはそれほど大きくないことはわかっている。

 

ただ、ペダリングがぎこちないと、引き足=後ろ側の足がおもりになって前側の足の踏み込む力を邪魔するので、そうならないように後ろ側の足をスムーズに引き上げることが効率のいいペダリングになる。

また、常に同じ位置で脚を回せるので、安定したペダリングができるのもメリットだ。

 

BOAダイヤル

シューズはBOAダイヤルでワイヤーを締め付ける。脱ぐときはBOAダイヤルを上に引っ張ると、ワイヤーが緩む(撮影:光石達哉)

ペダルとシューズを固定するのは、最初は恐怖感があるかもしれないが、ある程度練習すればすぐに慣れるものだ。

行きつけの自転車屋がある人は、固定ローラー台に自転車を固定して練習させてくれることもあるが、個人的にやるのなら公園など安全なところで練習してみよう。

 

自転車初心者

慣れてきたら、両脚とも固定する。最初はついつい下を向いてしまいがちだが、前を向いたままできるようにならないと一般道では危ない(撮影:光石達哉)

 

ペダルをはめるときは、つま先から前斜め下に降ろすとクリートとペダルがカチッとかみ合って固定される。外すときは、かかとを真横に外側にひねる。

コイケが使っているマルチリリースだと、多少アバウトな角度でも外れるので、安心だ。

 

 あわや立ちゴケ⁉→再び練習→走って効果を実感!

立ちごけ

止まるときも、うっかりしていると立ちゴケするので注意(撮影:光石達哉)

練習方法としては、まず右足だけを固定して片脚でペダルを漕いでみる。

何度かつけ外しをして慣れたら、今度は左足だけでも同じように片脚ペダリングと脱着を繰り返す。片脚ペダリングは、ぎくしゃくしないスムーズなペダリングを身に着けるのにも役立つので、定期的に練習するのもいいだろう。

ある程度慣れたら、先に右足を固定してから漕ぎ出し、自転車が安定したら左足を固定しよう。

 

若いだけあってコイケはすぐに慣れていたが、一度止まるときにペダルが固定されていることを忘れて、立ちゴケしそうになった。

幸い、転ぶ前にペダルを外して事なきを得たが「マルチリリースじゃなかったら、外れなくて危なかったかもしれない」とちょっと肝を冷やしていた。

 

ビンディングペダル

慣れればすぐに使いこなせるようになる。スピードもアップするし、長距離も楽ちんだ(撮影:光石達哉)

ある程度、慣れたところで一般道に出て走ってみる。街中は信号など止まる機会も多いので、無意識に足首をひねってペダルを外せるようになるまで繰り返そう。

 

さて、僕の後ろを走っていたコイケは「今まで30km/hだとついていくのが大変だったけど、楽についていけるようになった!」と早くもビンディングペダルの効果を実感。またペダル自体の重量も軽くなり、ベアリングなども性能がいいのものが使われているのでペダリングの軽快さも増したようだ。これからの走りに期待だ。

(光石達哉)

 

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