のんびりゆっくり、気になるところに立ち寄りながらサイクリングするのをポタリングと呼ぶが、今回は21年10月に行った世田谷区内のポタリングの後半戦。いつも何気なく通っている街の片隅にある隠れた名所を回ってみた。
梅が丘駅近くの花の名所からスタート
年が明けてから手首などを痛め、ほとんど自転車に乗れていなかったのだが、リハビリがてらクロスバイクで短い距離のサイクリングに出かけてみることにした。
21年10月、世田谷区が制作している「世田谷区サイクルマップ」の西半分に掲載されている17カ所の見どころスポットをめぐったのだが、東半分の15カ所はまだ訪れていなかったので、今回はそこを周って気になるスポットに立ち寄っていく。
東半分のスタート地点は、小田急線・梅ケ丘駅近くにある「羽根木公園」。
梅や桜の名所として知られるが、2月初めのこの日、早くもいくつかの梅の木が花を咲かせていた。
吉田松陰が眠る「松陰神社」へ
次は南へ1.5kmの「松陰神社」へ。
その名の通り、幕末の思想家、吉田松陰の墓がある神社だ。
鳥居をくぐると左に松陰の銅像があり、社殿の右には松陰が長州・萩で長州藩の志士たちを教えた松下村塾を再現した建物がある。
さらに社殿の左の通路の先には、松陰が眠る墓がある。
ちなみに、ここはもともと長州藩主の領地だったので松陰の墓が作られたそうだ。
松陰は大老・井伊直弼が指揮した安政の大獄で刑死したのだが、その井伊家の墓地がある豪徳寺とは約1kmしか離れていないというのもちょっと皮肉な話だ。
松陰神社を出て南下し、世田谷通りに出て西へ。さらに1本南のボロ市通りに入り、3カ所目の「代官屋敷」へ。
江戸時代、このあたりは井伊家の彦根藩の世田谷領だったらしく、ここはその代官を務めた大場家の屋敷だという。
大きな主屋は1837年ごろに建てられたもので、室内に上がることはできなかったが、中には早くもひな人形が飾られていた。
敷地内には世田谷区立郷土資料館もある。
東京農業大に「食と農の博物館」あり
続いて800mほど南西にある「教育センタープラネタリウム」へ。
このプラネタリウムは土・日・祝日、そして学校の春・夏・冬休みなどしか見学できないらしく、この日は平日だったので中には入らず次に向かう。
さらに西へ1.5km進んで、「東京農業大学『食と農』の博物館」へ。
すぐ近くにある東京農業大学の施設で、日本の古農具の常設展や食と農と環境に関する企画展が開催されているという。
入館無料だが、コロナ禍のため現在は事前予約制。混んでなさそうなのでその場で予約しても入れそうだが、ここは先を急ぐことにする。
続いてのスポットは、すぐ目の前の「馬事公苑」。東京オリンピック・パラリンピックの馬術競技の会場でもあるが、大会が終わった今もまだ休園中で中には入れない。
26階の「無料」展望ロビーから世田谷を一望!
今度は世田谷通りを約3.5km東へ向かい、三軒茶屋方面へ。
駅に直結している巨大なビル、文字通りニンジン色の「キャロットタワー」が次のスポットだ。
ここの26階には無料展望ロビーがあり、眼下には世田谷の町並みや先ほど通った松陰神社なども見える。
富士山も見えるようだが、この日は遠くに雲がかかっていた。
ロビー内にはベンチやカフェ、ミニFMのスタジオもあり、そこそこの混み具合でみなさん本を読んだりパソコンを開いたりしたながら思い思いの時間を過ごしていて、ちょっとした穴場だ。
展望ロビーの反対側にはレストランがあり、そこからは都心の景色が眺められるようだ。
キャロットタワーを出て、国道246号を横断。
住宅街の中をしばらく走り、池尻にある「世田谷公園」へ。
ここは噴水広場や遊具などもある都会のオアシス。週末などはミニSLが園内を走っているので有名だが、この日はお休み。
というわけで、今回はここまで約10キロ走って8スポットを訪問。残り7スポットは次回に続く!
(光石 達哉)