【自転車】若葉マーク脱出計画⑲輪行で霞ヶ浦一周に挑戦!ショートコースだけどね<後編>

今回はショートコースなので、霞ヶ浦大橋を渡る。全長約1.1km、奥に虹の塔が見える(撮影:光石 達哉)

自転車初心者の編集部見習いコイケとともに、サイクリングをより楽しむためのノウハウやアイテムを学んでいくシリーズ「若葉マーク脱出計画」。

今回はコイケにとって「初めての輪行」で出かけた茨城県で、国内第2位の大きさの湖、霞ヶ浦一周にチャレンジ!

 

 

 「潮来市」「行方市」なんて読む?

霞ヶ浦最東端の北利根橋。ここまで約半分の50kmを走ってきた。相変わらずの曇り空(撮影:光石 達哉)

今回は、電車に自転車を載せる輪行で土浦駅まで出かけ、霞ヶ浦一周のショートコース(約90km)に挑戦中。

前回は、約31km地点にある「鴻野菓子店」で今や幻となった大福を食べたところまでだった。

 

その先も、右に田んぼ、左に湖という「ザ・湖畔」の景色を眺めながら、東へと進む。

約52km地点にある北利根橋が霞ヶ浦の最東端。

ちなみに、このあたりの地名は潮来市、行方市と書いて「いたこ・し」「なめがた・し」と読むちょっとした難読地名で、愛知県出身のコイケは標識を見て珍しそうにしている。

 

食べ盛りの若者コイケが「お腹が空いた」と訴えてくるので、「つくば霞ヶ浦りんりんロード」の公式サイトにも乗っている「メガ盛り」が有名な「しをみ食堂」に向かった。お店は満席で、外にもオートバイ乗りが10人ほど待っている大人気。

店員さんに聞いたら、20~30分待ちだということで、別の店を探すことに。

 

「みやもと食堂」でランチタイム。コイケはがっつりかつ丼、僕はオムライス。しっかり火の通った卵にケチャップがかけられた昔ながらの味わい(撮影:光石 達哉)

次に向かったのが、2kmほど先の「みやもと食堂」。

ほかに客はおらず、おばあさんが1人で接客している静かな店だったが、食事には大満足だった。

 

ここまで約60km走って、時間は14時前、残り30kmぐらいと考えると時間的にも余裕がありそうなので、ゆっくりゴールを目指す。

 

 筑波山を眺めながらサイクリング

霞ヶ浦の向こうに猫耳のように見える筑波山がそびえる。釣り糸を垂らす人も多い(撮影:光石 達哉)

再び霞ケ浦湖畔を走っていると、今までもちらちら見えていた筑波山が正面に見えてきた。

男体山、女体山と2つの峰がある筑波山のシルエットは、猫の耳のようにも見える。

山登り好きのコイケも「かっこいい~」と感動している。

相変わらず釣り人も多く、湖岸やボートの上から釣り糸を垂らしている。

 

「道の駅 たまつくり」でちょっと休憩。後ろは「虹の塔」という展望台で高さ約60m(撮影:光石 達哉)

約73km地点にある「道の駅 たまつくり」に到着し、ちょっと休憩。

 

コイケが飲んでいた茨城メロンサイダー。茨城はメロンも有名だね(撮影:光石 達哉)

まっすぐ進むと130kmの1周コースだが、今回は左折して霞ヶ浦大橋を渡り、90kmのショートコースを走る。

 

 霞ヶ浦を一望できる茨城百景

霞ヶ浦大橋のあたりには、湖上に小さな小屋がいくつも建っていた。コイケが調べたところによると「コイの養殖場」らしい(撮影:光石 達哉)

約78km地点、コイケが見つけた展望台へ向かう。

湖畔からだと階段をかなり上るようだが、裏に回ると自転車でも上れる坂道がある。

この日はずっと平坦な道を走ってきたので、ようやく坂らしい坂を上った。

軽量級のコイケはスルスルと先に上っていく。

 

小さな丘の上にある「歩崎展望台」。霞ヶ浦が一望でき、茨城百景にも指定されているという。(撮影:光石 達哉)

目指していた歩崎(あゆみざき)展望台に到着。

曇り空だったが霞ヶ浦が一望でき、今まで通ってきたサイクリングロードも見渡せる。

 

「かすみがうら市交流センター」。レンタサイクルやカフェもあり、霞ヶ浦一周するサイクリストの拠点としても使いやすそうだ(撮影:光石 達哉)

坂を下りたところにある歩崎公園内の「かすみがうら市交流センター」は、何やら自転車に関連した施設のようなので寄ってみる。

中には、カフェとレンタサイクルなどがある。

 

「つくば霞ヶ浦りんりんロード」は、レンタサイクルも充実。11カ所の施設でレンタルでき、違う施設での乗り捨ても可能。クロスバイク、ロードバイクから電動アシスト付きのEバイクまで1日2,000~3,000円で借りられる(撮影:光石 達哉)

 

 チャリPay登録で〇〇ゲット⁉︎

「チャリPay」が気になるので登録してみることに(撮影:光石 達哉)

「チャリPay」という横断幕があるので、新しいキャッシュレス決済なのかなと興味を示していると、係の男性が近づいてきた。

今登録するとシフォンケーキがもらえるという。

食べ盛りのコイケが食いついたので、登録してみる。

 

登録した特典でシフォンケーキがもらえた(撮影:光石 達哉)

アプリに掲載されているかすみがうら市内のスポットを回るとポイントが貯まり、地元の特産品や宿泊券と交換できるようだ。

 

 カキの化石ってどんなの?

崎浜カキ化石床に掘られた崎浜横穴墓群。ベンチのように一段高くなっているところに遺体が安置されていたという。小さな白い石はカキ殻の化石(撮影:光石 達哉)

サイクリングロードに戻って約88km地点。コイケによると、このあたりに「崎浜カキ化石床」なるものがあるという。

カキの貝殻が集まっているところのようだが、いわゆる縄文人のゴミ捨て場だった貝塚ではなく、約13~12万年前に霞ケ浦が海(古東京湾)だったころ、干潟に群生していたカキが化石となったものだそうだ。

化石と言っても、近くで見ると「先週捨てたんじゃないの?」ってぐらい、形や色もカキの貝殻そのものだった。

 

このカキの化石層に横穴が掘られており、「崎浜横穴墓群」という大昔のお墓だそうだ。

大化の改新後、墓の規模を身分で規定して簡素化を図る薄墓令というおふれが出され、いわゆる大きな古墳が造られなくなり、このような小規模の横穴墓が作られるようになったと考えられている。

だから、奈良時代以降の人の古墳とかないんだなあ、と納得。

近くにはハス田も広がっている。夏にはハスの花もキレイに咲くようだ(撮影:光石 達哉)

カキ化石床の前はハス田が広がっている。

そういえば、茨城はレンコンの産地としても有名だ。

 

 ウェルカムバック土浦駅

ゴールの土浦駅近くにあるサイクリング休憩所「りんりんポート土浦」。今回は立ち寄らなかったけど、休憩スペース、無料駐車場、シャワー室などもあって便利そう(撮影:光石 達哉)

さて、90kmコースなのであと2~3kmでゴールかなと思ったら、遠くに見える土浦のビル群はまだまだ遠そうだ。

タイムトライアルごっこしたりしながらしばらく走り、17時過ぎに土浦駅に到着。

そんなに遠回りや寄り道をしたわけじゃないのに、なぜかほぼ100km走っていた。

この日は夕方から雨予報だったのだけど、ちょうどポツポツと小雨が降り出してきたところでいいタイミングだった。

 

土浦駅ビル1階のサイクルショップの前で無事ゴール!(撮影:光石 達哉) 

今回のコースは道路上の矢羽根の標識で迷うこともなく、信号もほぼなくて、さらにずっと平坦(獲得標高168m!)と、初心者でも長距離サイクリングに挑戦したい人には最適なコースだった。

 

コイケも「サイクリングロードが走りやすかった。道路上の矢印がとてもわかりやすかった。路面状況もよかったし、見通しもよくて気持ちよかった」と満足そう。

初めての輪行について、大変な点を挙げるなら「持ち運びはキツイ! 端の車両まで行くのがしんどい」というが、「バラして組み立てるのはわずらわしいと思ったけれど、日帰りでは行けないような地域にも行けて可能性が広がる」とその楽しみを知ったようだ。

 

今回走ったエリアは、本当にサイクリストに優しかった。

今度は一周のロングコースも走って見たいし、土浦駅を起点に廃線跡を利用した旧筑波鉄道コースや筑波山方面へもサイクリングできるようなので、機会があればまた出かけてみたい。

 

(光石 達哉)

 

今回のルート:①土浦駅-②霞ヶ浦総合公園-③予科練平和記念館-④鴻野菓子店-⑤北利根橋-⑥みやもと食堂-⑦道の駅 たまつくり―⑧歩崎展望台・かすみがうら市交流センター―⑨崎浜牡蠣化石床・横穴古墳群-⑩りんりんポート土浦(撮影:光石 達哉)

 

mimi-yori.com

 

mimi-yori.com