【行ったつもりシリーズ】三浦半島一周サイクリングで灯台めぐり<4>半島南端から〝いざ鎌倉〟 ついに一周達成!

マイルストーン

三浦半島一周、コンプリートへ!(撮影:光石 達哉)

読んでいるうちに行ったつもりになれるかもしれない、プチ旅行の紀行文コラム「行ったつもりシリーズ」。

今回は神奈川県の三浦半島をサイクリングで一周。ルート沿いにある灯台やサイクリングのモニュメント、秋の花をめぐりつつ、デジタルスタンプラリーにも挑戦。完結編となる第4回は、三崎漁港から鎌倉まで三浦半島西岸を一気に北上していく。

 

 

 灯台は目と鼻の先なのに...まさかの通行止め

城ヶ島大橋

三崎漁港周辺。奥に見えるのは、先ほど渡ってきた城ヶ島大橋(撮影:光石 達哉)

城ヶ島を離れて三浦半島に戻り、西へ。観光客で賑わう三崎漁港を過ぎ、その名も西海岸線という道を北へ。しばらくして左に曲がり、アップダウンのある道を進んでいく。

 

今回のサイクリングのテーマのひとつは灯台めぐりだが、この先に「諸磯埼灯台」がある。

諸磯神明社

三崎漁港から約3kmの諸磯神明社。この裏に「諸磯埼灯台」があるのだが…(撮影:光石 達哉)

灯台に通じる道

灯台に通じる道は「感染拡大防止のため立ち入りをお控え下さい」とのこと。人の気配はないのだが、引き返すことに(撮影:光石 達哉)

諸磯神明社という神社の脇の道を進むらしいが、なんと「感染拡大防止のため近隣の方以外は立ち入りをお控え下さい」と通行止めになっている。回り道して灯台が見える場所を探したが見つからないので、あきらめて次へ向かう。

 

 「マイルストーン」探しに右往左往

荒崎公園

諸磯神明社から約13km。「荒崎公園」でマイルストーンを探してウロウロ。ここは「かながわの景勝50選」に選ばれている(撮影:光石 達哉)

ソレイユの丘

ソレイユの丘は、今年10月から来年4月まで改修工事で休園中。南仏プロバンス風の建物や観覧車、季節の花などが楽しめるテーマパークだ(撮影:光石 達哉)

そのうち道は国道134号に合流し、三浦市から再び横須賀市に入ったところで左折。現在、改修工事で休業中のテーマパーク「ソレイユの丘」を過ぎ、岬の先端まで進んで「荒崎公園」に到着。

荒崎の名の通り、リアス式海岸の入り組んだ岩場に波が荒々しく打ち寄せる光景が目玉で「かながわ景勝50選」にも選ばれている。

 

タカアシガニ

ようやく見つけたマイルストーンのモチーフは「タカアシガニ」。この辺りの深海で捕れるようだ(撮影:光石 達哉)

ここにはサイクリングのモニュメント、マイルストーンがあるのだが、園内のどこにあるか分からず、山道を行ったり来たりするはめに。ようやく入口の隅に「マイルストーンはこちら→」の小さい看板を見つけて、たどり着けた。ここのマイルストーンは「タカアシガニ」。この辺りの深海には生きている化石とも呼ばれている「タカアシガニ」が生息していて、近くの魚市場や旅館では食べることもできるそうだ。

 

荒崎公園

久々にカメラ台があったけど、セルフタイマーで失敗。後ろに見えるリアス式海岸の岩場が荒崎公園の注目ポイント(撮影:光石 達哉)

マイルストーン探しに20分ぐらい時間がかかってしまったので、もう午後4時に近い。だいぶ日が傾いてきたので、先を急ごう。

 

関口牧場

荒崎公園から約8km、動物との触れ合いも楽しめる「関口牧場」は、直売所の自家製ソフトクリームも人気。ここは、デジタルスタンプラリーのスポット(撮影:光石 達哉)

国道に戻って北上し、その先で右折して丘の上にある「関口農場」へ。ここはデジタルスタンプラリーのスポットのひとつ。この牧場では子牛、ヤギ、羊などを見学できるほか、自家製ソフトクリームも人気だという。この日は多くのオートバイ乗りがソフト目当てに来ていたようだが、日没が迫って時間がないのでQRコードを読み込んでそそくさと次へ。

 

湘南国際村

関口牧場から約8km。標高約180mの丘の上にある「湘南国際村」のマイルストーン。球体の表面に「ツツジ」が彫られている。そろそろ日没だ~(撮影:光石 達哉)

国道に戻って、さらにその先で右折して再び丘を上る。先ほどより長い坂で最大勾配も9%ぐらいあるが、上り切って「湘南国際村」へ。ここは大学や研究施設、住宅などが集まっている研究都市みたいなところ。この中の湘南国際村センターという宿泊施設の庭にマイルストーンがあるようだが、どこから入れるのか分からず、またも右往左往。駐車場の警備員さんに聞いたところ、車いすのスロープや階段を上った先にあり、なかなか自転車でたどりつくには難しいところにようやくあった。

 

マイルストーンのモチーフは「ツツジ」。ここでは毎年春に約10万株のツツジが咲き、「かながわ花の名所100選」にも選ばれているとのこと。丘の上からは相模湾、富士山などの景色も楽しめるが、時刻は午後5時20分。まさに相模湾に夕日が沈もうとしていた。とはいえ、まだまだこの旅は終わらない…

 

 日本のヨット発祥地→「裕次郎灯台」を巡る

長者ヶ崎海岸

湘南国際村から約6km、「長者ヶ崎海岸」のマイルストーンは葉山町を象徴する「ヨット」。すでに太陽も水平線の向こうへ(撮影:光石 達哉)

坂を駆け下りて国道に戻り、横須賀市と葉山町の境にある「長者ヶ崎海岸」へ。ここも「かながわの景勝50選」に選定されていて、特に西向きの岬なので夕暮れの海の景色がきれいだそうだが、残念ながらちょっと前に日は沈んだ後だった。

 

ここの駐車場の片隅に、マイルストーン「ヨット」がある。葉山町が「日本のヨット発祥の地」だからということだ。さて、日が沈んだら昼間から吹いていた風がよりいっそう強くなった。南風なので走っているときは運よく追い風だけど、止まってスマホをいじったりしているときは苦しいくらいの強風だ。

 

再び自転車にまたがり、葉山御用邸の前でより海沿いを走る県道207号に入る。この先、「葉山灯台」、通称「裕次郎灯台」がある。昭和の大スター石原裕次郎の三周忌に兄・石原慎太郎が会長を務めていた日本外洋帆走協会が約1億円の基金を集めて建てたので、そう呼ばれているらしい。ただし、海岸から700mほど沖に建っていて、しかも夜なので点滅する灯台の光が遠くに見えるのみだ。

 

小坪飯島公園

長者ヶ崎海岸から約8km、逗子市の「小坪飯島公園」のマイルストーンは「海」。真っ暗で分からないけれど、裏手はすぐ海(撮影:光石 達哉)

さらに葉山アリーナの前を過ぎて逗子市に入り、国道134号と交わる交差点を西の鎌倉方面へ。途中で国道を外れて坂を下り、「小坪飯島公園」に到着。ここにマイルストーンがあるはずだが、真っ暗で何も分からない。残り2個でついに断念かと心が折れかけたときに、ようやく海のそばで見つけられた。なお、マイルストーンのモチーフは「海」とややザックリだ。

 

 日が沈んでも〝いざ鎌倉〟→横須賀で一周達成!

鎌倉海浜公園(由比ガ浜地区)

小坪飯島公園から約2㎞。最後のマイルストーンは、「鎌倉海浜公園(由比ガ浜地区)」の「家族とビーチ」。由比ガ浜海水浴場にちなんで、このモチーフのようだ(撮影:光石 達哉)

マイルストーン

実は今年5月に鎌倉でこのマイルストーンをたまたま見つけたことが、今回のサイクリングのきっかけだった。昼間の景色はこんな感じ(撮影:光石 達哉)

その後、路地を繋いで鎌倉市に入り、鶴岡八幡宮の参道である若宮大路に突き当たったところで左折して再び海へ向かう。国道134号と交わる滑川交差点そばの「鎌倉海浜公園(由比ガ浜地区)」に最後のマイルストーン「家族とビーチ」があった。これで8個のマイルストーン、ついにコンプリートだ。

 

浄土寺

最後に横須賀駅近くの「浄土寺」へ。夜遅くて閉まっていたが、デジタルスタンプラリーのQRコードは外に張り出されていた(撮影:光石 達哉)

ここまで100kmちょっと走って時計も午後7時になろうとしているが、車を止めているJR横須賀駅まで戻らないといけない。県道24号や国道16号で西に向かい、横須賀駅の手前で最後にもう1カ所だけ寄るところがある。

横須賀にあるデジタルスタンプラリーのスポットの残るひとつ「浄土寺」だ。ここは「鎌倉殿の13人」にも出てくる武将・畠山重忠が建立したお寺で、のちに徳川家康の外交顧問となった三浦按針(ウィリアム・アダムズ)の菩提寺でもあるという。午後8時近くなのでお寺は閉まっていたが、QRコードは門扉の前に設置されていたので無事に読み込んで、横須賀分の5個のデジタルスタンプラリーもコンプリートした。

 

JR横須賀駅

JR横須賀駅にゴールして三浦半島一周をコンプリート!(撮影:光石 達哉)

浄土寺から1kmほどでJR横須賀駅にゴール。途中いろいろ立ち寄って道に迷ったりもしたので約116km走って、すでに午後8時。それでも三浦半島はまだまだ見どころがまだありそうなので、また機会があれば走ってみたい。次回はデジタルスタンプラリーの残り半分、横浜エリアの5つを集めに行く。

 

(光石 達哉)

 

今回のルート:①諸磯埼灯台-②荒崎公園-③関口牧場-④湘南国際村-⑤長者ヶ崎海岸-⑥小坪飯島公園-⑦鎌倉海浜公園(由比ガ浜地区)-⑧浄土寺

 

 

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