【行ったつもりシリーズ】「多摩東京移管130周年デジタルスタンプラリー」に自転車で挑戦!(6)高尾山麓からアキシマクジラへ

「TAKAO599 MUSEUM」前の広場には、高尾山の標高599mを表すモニュメント「599 BENCH」がある(撮影:光石 達哉)

読んでいるうちに行ったつもりになれるかもしれない、プチ旅行の紀行文コラム「行ったつもりシリーズ」。

東京都多摩地域の30市町村に散らばる130カ所のデジタルスタンプを集める「多摩東京移管130周年デジタルスタンプラリー」に自転車で挑戦中。第6回は八王子市、昭島市をめぐっていく。

 

 

 夕やけ小やけと花街の名残り

八王子の里山にある「夕やけ小やけふれあいの里」。入園料は大人200円。自分でもこんがらがるのだが、中村雨紅が作詞した「夕焼小焼」は山のお寺の鐘が鳴る方で、赤とんぼが出てくる方の曲名は「赤とんぼ」(撮影:光石 達哉)

今年は1893年(明治26)に西多摩・南多摩・北多摩の3郡が神奈川県から東京府(現在の東京都)に移管されて、130周年。それを記念して多摩地域のおすすめスポット130カ所をめぐるデジタルスタンプラリーが、10月29日まで開催されている。これまで3日間走って55個集めたが、挑戦4日目の今回はまず八王子市を目指す。

9月末のこの日は、秋晴れのサイクリング日和。最初は八王子市街地にある追分町の交差点から陣馬街道を西へ進んでいく。しばらく走るとのどかな里山の風景となり、道沿いにはコスモスや曼珠沙華も咲いていて、秋の訪れが感じられる。

最初に到着したのは、以前にも紹介したこともある「夕やけ小やけふれあいの里」。このあたりの恩方と呼ばれる地区は、童謡「夕焼小焼」の作詞家として知られる中村雨紅の出身地で、近くには雨紅の墓もある。現在は宿泊施設やキャンプ場、動物とふれあえる牧場などがあり、自然体験できる施設となっている。

 

「TAKAO599 MUSEUM」(入館料無料)の前には、オリンピックとパラリンピック(五輪の右側にある)のシンボルも設置されている。もともと高尾山山頂に展示されていたもので、大会終了後にレガシーとして移設したそうだ(撮影:光石 達哉)

この先、さらに西に進むと激坂の和田峠があるのだが、今回はここで引き返して高尾街道や甲州街道を繋いで、約12㎞南へ。高尾山の表参道の入口にある「TAKAO599 MUSEUM」に到着した。2015年にオープンした比較的新しい博物館で、高尾山の生態系・歴史・文化などを学べる。カフェやミュージーアムショップもあり、登山の情報も入手できる。ちなみに「599」は、高尾山山頂の標高が599mであることに由来する。

 

JR八王子駅南口・サザンスカイタワー八王子3階にある「桑都日本遺産センター 八王子博物館」。愛称は「はちはく」で、かつて養蚕が盛んだった八王子の歴史・文化を伝える。入館料無料(撮影:光石 達哉)

次は約8km東へ進み、八王子駅南口へ。あっという間に、都会の景色に変わっていく。南口前にある巨大なビル「サザンスカイタワー八王子」の駐輪場に自転車を預け、3階にある「桑都(そうと)日本遺産センター 八王子博物館」でQRコードを読み込んで、スタンプをゲット。ここも2021年オープンしたばかりの博物館だ。

 

黒塀と柳が花街の雰囲気を醸し出す「桑都テラス」。現在も芸者体験などができるそうだ(撮影:光石 達哉)

続いて駅の北口へ向かい、「桑都テラス」が次のスポット。ここも昨年11月にオープンした真新しいオシャレな施設で、飲食店、物販店、演芸場などからなる。昔ながらの「黒塀」の建物が特徴で、かつて芸妓衆が200人以上いたと言われる八王子の花街を再現しているそうだ。

 

都内唯一の道の駅「道の駅八王子滝山」。野菜の直売コーナーなども賑わっていた(撮影:光石 達哉)

今度は約4km北へ移動し、「道の駅八王子滝山」に到着。過去にも紹介したが、東京都内唯一の道の駅だ。

 

お昼過ぎでフードコートも混んでいたので、お菓子でエネルギー補給。焼き印の入ったまんじゅうと餅どら焼き。腹持ちバツグン(撮影:光石 達哉)

この日は平日だったのだが、駐車場待ちの車が列になるぐらい賑わっていた。これで八王子市のスタンプ5つをコンプリート。ここからは戻りながら、スタンプを集めていく。

 

 クジラの骨が吊るされた図書館

昭島市に移動し、「イサナブルーイングブルワリー&ロースタリー」でスタンプゲット。クラフトビール、コーヒーの他にカレーも自慢のようだ(撮影:光石 達哉)

まずは北に向かい、拝島橋で多摩川を渡って昭島市に入る。約4km走って、JR青梅線・昭島駅の南口付近にある「イサナブルーイングブルワリー&ロースタリー」へ。昭島の深層地下水を使ったクラフトビールや自家焙煎コーヒーが人気の飲食店だ。

 

昭島駅北口の階段を降りたところにある「昭島観光案内所」。お土産なども売っている(撮影:光石 達哉)

すぐそばの踏切を渡って、次は北口の「昭島観光案内所」でスタンプゲットする。

 

「昭島・昭和の森 武藤順九彫刻園」。バチカンのローマ法王宮殿やインドの世界遺産・マハボディ寺院に展示されている作品の1/2モデルなどを展示。「フォレスト・イン 昭和館」というホテルの裏庭にある。入園料無料(撮影:光石 達哉)

さらに北に向かい、「昭島・昭和の森 武藤順九彫刻園」を目指す。迷わず行けば数百mで着いたのだが、スマホのナビに従ったらゴルフ場の駐車場に入り込んで、行き止まりになってしまった。しばらくウロウロした挙句にネットで調べた結果、近くのホテルの裏庭にあるようで、ようやくたどりつけた。武藤順九はイタリア在住の芸術家で、バチカン市国のローマ法王宮殿などにも作品が展示されているという。園内では、9作品を鑑賞できる。

 

市民図書館などが入った「アキシマエンシス」。その名の由来は、アキシマクジラの学名の一部から(撮影:光石 達哉)

少し時間を使ってしまったけど、次は南東へ1kmちょっと走って「アキシマエンシス」へ。ここは市民図書館、郷土資料室、教育センターなどからなる複合施設で、小学校跡地に2020年にオープンした。

 

市民図書館入口のくじらホールには、全長13.5mあるアキシマクジラの原寸大全身骨格レプリカが吊るされている(撮影:光石 達哉)

市民図書館入口の吹き抜けのエリアには、アキシマクジラの原寸大全身骨格レプリカが天井から吊るされていて、なかなかの迫力だ。

 

アキシマクジラの化石の実物も展示中。図書館に通っている学生さんらは見慣れているのか、まったく気にしていなかった(撮影:光石 達哉)

アキシマクジラとは、昭和36年(1961年)に昭島の多摩川河川敷でほぼ全身の化石が発見された約200万年前のクジラのこと。それから60年近く経った2018年に新種であることが正式に認められたという。

これで昭島市の4カ所も制覇したが、まだまだ時間的に行けそうなので後半は立川の方へと向かっていく。

 

(光石 達哉)

 

今回のルート:①夕やけ小やけふれあいの里―②TAKAO599 MUSEUM―③桑都日本遺産センター 八王子博物館―④桑都テラス-⑤道の駅八王子滝山―⑥イサナブルーイングブルワリー&ロースタリー-⑦昭島観光案内所―⑧昭島・昭和の森 武藤順九彫刻園―⑨アキシマエンシス

 

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