【行ったつもりシリーズ】「多摩東京移管130周年デジタルスタンプラリー」に自転車で挑戦!(8)秋川渓谷から日の出町の大仏へ

かつて、武蔵五日市駅と日の出町の「つるつる温泉」の送迎に使われていた機関車型バス。この付近のシンボルだったが、今年3月で車両老朽化のためその役目を終え、近くの駐車場にとめられていた(撮影:光石 達哉)

読んでいるうちに行ったつもりになれるかもしれない、プチ旅行の紀行文コラム「行ったつもりシリーズ」。

東京都多摩地域の30市町村に散らばる130カ所のデジタルスタンプを集める「多摩東京移管130周年デジタルスタンプラリー」に自転車で挑戦中。第8回は、檜原村、あきる野市、日の出町でスタンプ集めに奔走した。

 

 

 再び東京本土唯一の村 檜原村へ

「檜原村郷土資料館」では出土品・古文書・生活用品などを展示し、縄文から江戸までの檜原村9000年の歴史を学ぶことができる。入館料無料(撮影:光石 達哉)

今年は1893(明治26)年に西多摩・南多摩・北多摩の3郡が神奈川県から東京府(現在の東京都)に移管されて、130周年。それを記念して多摩地域のおすすめスポット130カ所をめぐるデジタルスタンプラリーが、10月29日まで開催されていた。これまで4日間走り回って73個のスタンプを集めていて、この日が5日目の挑戦となる。

10月上旬のこの日は曇り空でやや肌寒く、久しぶりにウインドブレーカーを着て出発。あんなに暑かった夏も、本当に終わってしまったようだ。

まずは挑戦初日にも走った東京本土唯一の村、檜原村を再訪。JR五日市線・武蔵五日市駅前を西へ向かい、檜原街道を進むのは前回と同じだが、今回は檜原村役場の先の橘橋交差点を右折して檜原街道を離れ、北秋川沿いに伸びる都道をさらに進む。こっちの道の方が交通量や人の気配が少なく、東京の秘境を感じられるエリアのひとつだ。交差点から約3kmの「檜原村郷土資料館」が、この日最初のスポット。ポスターのQRコードを読み込んで、デジタルスタンプを手に入れる。

 

 

「檜原村観光協会」では観光情報を入手できるほか、特産品やお土産も買える。自転車用工具などが借りられるサイクルステーションにもなっていて、空気入れを借りたことがある(撮影:光石 達哉)

この先、景勝地の神戸岩(かのといわ)などサイクリング向きのスポットもあるが、今回は約4km引き返して村役場近くの「檜原村観光協会」で2つ目のスタンプゲット。先日、すでに「檜原都民の森」など2カ所のスタンプを手に入れているので、これで檜原村の4カ所をコンプリートした。

 

 「うる肌1位」の温泉

あきる野市の日帰り温泉「秋川渓谷瀬音の湯」。入浴料金はおとな1,000円で、宿泊コテージ、レストラン、物産販売店などもある。左側の無料の足湯では、多くの人がくつろいでいた(撮影:光石 達哉)

さらに檜原街道を約4km東へ戻り、あきる野市に入る。脇道にそれ、「秋川渓谷瀬音の湯」に到着。日帰り温泉施設だが、宿泊できるコテージもある。

泉質はアルカリ性単純硫黄温泉で「温泉総選挙2022」の「うる肌部門」では通算3度目の1位に輝いている。入口ではスタッフが来場客に今年の投票を呼び掛けていた。

 

瀬音の湯周辺は、秋川渓谷が流れる。新矢柄橋の白いアーチが緑の渓谷に映える
(撮影:光石 達哉)

秋川の支流、養沢川にある「秋川国際マス釣場」。釣った魚をその場でバーベキューできる。マスの塩焼きが食べられる食堂もある(撮影:光石 達哉)

今度は北へ3km。裏道みたいなところを通ったのでちょっとした激坂を越えたりしながら、「秋川国際マス釣場」に着いた。今がシーズンなのか、家族連れの釣り客でにぎわっている。

 

市立戸倉小学校の廃校を利用した「戸倉しろやまテラス」。宿泊施設、レストランなどがあり、農業体験、自然体験なども楽しめる(撮影:光石 達哉)

檜原街道に戻って再び脇道へ入り。南東へ約3km。丘の上にある小学校の廃校跡を改修した施設「戸倉しろやまテラス」へ。校庭ではスポーツチャンバラの大会みたいなのをやっていて、みんな大声を出して盛り上がっていた。

 

体育館裏のおおもみじ。もう少し季節が進めば、紅葉が見られそうだ。その奥は谷になっていて、見晴らしがいい(撮影:光石 達哉)

レストランもある校舎の入口で、係のおじさんに「今日は貸し切りですよ」と告げられた。QRコードを読み取りに来たと答えると、「体育館の裏が景色いいですよ」と教えてもらったのでちょっと行ってみると、丘の上に立派なおおもみじの木が生えていた。

 

「都立小峰公園」では豊かな自然とふれあいながら、手軽にピクニックやハイキングを楽しめる(撮影:光石 達哉)

丘を下り、秋川を渡って東へ約4km。秋川街道に出て、「都立小峰公園」のビジターセンターで次のスタンプを手に入れる。山の中の自然豊かな公園で、春は尾根のサクラ並木が楽しめるそうだ。

 

 「ロン・ヤス会談」の別荘

日の出町の「つるつる温泉」。地下1,500mから汲み上げる温泉はアルカリ成分が高く、その名の通りお肌がつるつるに。入館料大人(町民以外)960円
(撮影:光石 達哉)

今度は秋川街道を武蔵五日市駅前まで戻り、そのまま北へ進んで日の出町に入る。約12㎞走って日帰り温泉施設「つるつる温泉」に到着。近くの日の出山、御岳山などを登った登山客が汗を流しに来ているようだった。この先、急勾配の梅野木峠があり、昔は毎週のように走っていたけど、ここ数年はすっかりご無沙汰だ。

 

ログハウスのカフェ「きりんかん」はケーキやコーヒーが味わえるほか、木工品のワークショップも体験できる(撮影:光石 達哉)

ここでちょっと小雨が落ちてきた。この日は夜から雨予報だったので早まったのかもしれないけど、走りにはほとんど影響ないほどの弱い雨だったのが幸い。約7km走って、秋川街道沿いの「きりんかん」というカフェで次のスタンプをゲットした。

 

ロン・ヤス会談が行われた「日の出山荘」。約2万5000平米の敷地内に3棟の建物と庭園があるが、写真はその入口付近。見学可能で、入館料は一般300円
(撮影:光石 達哉)

次は約3km北へ。途中でまた脇道に入ると、だんだん勾配がきつくなり、木が鬱蒼と茂っている。その行き止まりに「日の出山荘」の入口がある。ここは中曽根康弘元首相の別荘で、レーガン元米大統領、ゴルバチョフ元ソ連大統領、全斗煥元韓国大統領らとの会談も行われたという。現在、山荘の前は車1台ギリギリ通れるぐらいなので、よくこんなところに要人が来たものだ。僕のスマホだと電波が届かないほどの山道で、QRコードを撮影して後から読み込んだ。

 

 鹿が傷を癒した鹿野大仏

写真では小さく見えるけど、台座込みで高さ18mもある「鹿野大仏」。名前の由来は、かつて鹿がそばの温泉で傷を癒したから。「喫茶去(きっさこ)」と呼ばれるお土産処が、券売所兼入口になっている(撮影:光石 達哉)

気がつくと、もう雨は上がっている。今度は、5kmちょっと東へ走り、霊園の丘の上に鎮座する「鹿野(ろくや)大仏」へ。2018年に完成したばかりの大仏で、高さ18mもある立派なものだ。近くでお参りするには参拝料(大人300円)が必要だが、入口からも遠目に眺められる。

 

「喫茶去」で買ったどら焼きと抹茶の和ナンシェ(和風フィナンシェ)で、カロリー補給(撮影:光石 達哉)

QRコードはその入口のお土産処「喫茶去(きっさこ)」にあり、これで日の出町のスタンプも全4カ所クリアした。

 

秋川駅北口の複合施設「あきる野ルピア」。1,2階は商業エリア、3、4階はホール、会議室などが入っている(撮影:光石 達哉)

ここから南東へ向かい。再びあきる野市に入る、道を間違って少し遠回りしたが約4km走って、JR五日市線・秋川駅北口近くの「あきる野ルピア」という商業施設で、あきる野市5つ目にして最後のスタンプをゲットした。

すでに朝から100km近く走っているが、これからは福生方面に戻りつつ、スタンプ収集を続けていこう。

 

(光石 達哉)

 

今回のルート:①檜原村郷土資料館―②檜原村観光協会―③秋川渓谷瀬音の湯―④秋川国際マス釣場―⑤戸倉しろやまテラスー⑥都立小峰公園―⑦つるつる温泉―⑧きりんかん―⑨日の出山荘―⑩鹿野大仏―⑪あきる野ルピア

 

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