【行ったつもりシリーズ】多摩川スカイブリッジを渡って変わりつつある羽田空港周辺をサイクリング<2>

羽田空港周辺の再開発の目玉のひとつ「羽田イノベーションシティ」にも立ち寄った(撮影:光石 達哉)

読んでいるうちに行ったつもりになれるかもしれない、プチ旅行の紀行文コラム「行ったつもりシリーズ」。

今回は開通したばかりの多摩川スカイブリッジを渡り、羽田空港周辺をサイクリング。コロナ禍の中で変貌を遂げつつある都心のウオーターフロントを実際に見て回る。連載2回目は再開発で新たにできた「ソラムナード羽田緑地」や「羽田イノベーションシティ」にも立ち寄る。

 

 

 自転車で第1・第2ターミナルに行けるのか?

環八の右側の歩道を走って羽田空港の奥深くへ。この看板があるということは、トンネル内の歩道も自転車で入ってよさそうだ(撮影:光石 達哉)

前回、多摩川スカイブリッジを渡り、環八通りの下道に降りたところで歩道上に区切られた自転車レーンを発見。このレーンは、空港の中心部に向かって伸びているようだ。

実は15年ほど前、このあたりの道を自転車で走っていたら、たまたま第1・第2ターミナルビルにたどりついたことがあった。今でも、この自転車レーンを使って行けるのかなと期待を込めて走り始める。

と思ったら、わずか600mほど走った次の信号のところで自転車レーンはあっという間に終わってしまった。信号を渡った先は、自転車通行可の歩道になっている。

道交法では自転車は原則車道を通行することになっているのだが、羽田空港周辺の車道は高速道路のように自動車専用になっているのか、たまに見かける自転車も歩道を走っている。自分も歩道上をキープし、せっかくなら多摩川沿いを走ろうと右側に渡る。

 

トンネルの出口。空港の施設っぽいビルが並ぶ。この先、環八の突き当りで湾岸道路にぶつかる(撮影:光石 達哉)

しばらく進むと道は左にカーブし、トンネルになっている。トンネル内も歩道は続いていて、自転車も入ってよさそうだ。トンネルを抜けると空港の関連施設の建物が並んでいて、その周りに停められている自転車もあるため、自転車通勤でここまで来ている人もいるのかもしれない。

 

今度は湾岸道路の歩道を進んでいったが、第1・第2ターミナル手前で歩道が途切れた。右の階段の上も扉が閉まっていた(撮影:光石 達哉)

その先が環八の終点で、湾岸道路が左右に走っている。左側が第1・第2ターミナルだが、渡る手段がないため、歩道にしたがって右折。このままだと海底トンネルに入って浮島ジャンクションの方に行っちゃうのかなと不安になっていたら、歩道は地上をUターンしている。

結果的に第1・第2ターミナルに向かう方向になったのが、たどりつく手前で歩道が途切れ、標識も「自転車通行可ここまで」となり、万事休す。

 

 新整備場駅から第3ターミナルへ

引き返して、今度は環八の左側の歩道を進む。頭上を東京モノレールが走る
(撮影:光石 達哉)

仕方なく来た道を先ほどの交差点まで戻り、今度は左側の歩道を進んでいく。再びトンネルを抜けたところで左折して少し行くと、ビルの1階にコンビニがあった。しばらく自販機もないところを走っていて喉も渇いていたので、いったん休憩。

ここは東京モノレールの新整備場駅のそばで、駅から出てきた空港関係者らしき人たちがコンビニに立ち寄っていく。金網の向こうでは滑走路へと移動する飛行機がすぐ近くでよく見える。

 

新整備場駅周辺で、立入禁止の看板。この先は、文字通り整備場に続くようだ(撮影:光石 達哉)

一息ついて走り出すと、すぐ関係者以外立入禁止の看板が立っていたためこれ以上進むのをあきらめ、またも来た道を引き返す。あとで地図アプリを見返すと、ほかにも通れそうな道があったかもしれない。

 

再び引き返して、第3ターミナルへ。コロナの影響でまだ利用する人は少ないようだ。屋根のあるスペースは押し歩きだが、自転車でも通れる(撮影:光石 達哉)

みたび先ほどの交差点に戻って、今度は第3ターミナルに向かう。ここは自転車でアクセスできたが、タクシーやバスの乗降エリアは降りて押し歩きするようになっていた。

 

第3ターミナルのそばには羽田空港の駐輪場がある。空港従業員、一般利用者(航空旅客・ターミナル見学者など)が無料で利用でき、24時間オープン(撮影:光石 達哉)

第3ターミナルは国際線がメイン。最近は入国制限が緩和されてきているといっても、ビル内の人影はまだまばらだ。また、ターミナルの先には駐輪場があり、ここが羽田空港唯一の公共の駐輪場となるようだ。

 

駐輪場の先を右折して第1・第2ターミナルに向かう歩道は、歩行者・自転車とも通行止め(撮影:光石 達哉)

その先の丁字路の交差点を右に行けば、第1・第2ターミナルに通じているが、歩道上には自転車・歩行者通行禁止の看板が立っていて、進めない。今は自転車で第1・第2ターミナルに行くのは難しいかもしれないが、将来的には自転車レーンが整備されるといいな。

 

 ソラムナード羽田緑地と羽田イノベーションシティで再開発を感じる

多摩川沿いに新たに作られた遊歩道「ソラムナード多摩緑地」へ。多摩川スカイブリッジや空港を離着陸する飛行機もよく見える(撮影:光石 達哉)

やむなく左に向かい、再び多摩川の方へ。川沿いには、再開発の一環で2020年4月に完成した「ソラムナード羽田緑地」という遊歩道がある。大田区のHPには全面開園したと書いてあるが、スカイブリッジより下流の部分はまだ工事しているところもあるようだ。自転車は押し歩きでないと入れないが、新しくてきれいだし、羽田空港と多摩川を同時に眺められる気持ちのいいスポットだ。

 

ここから少し上流に向かうと、再開発エリアのひとつ「羽田イノベーションシティ」がある。当初は2020年4月に開業予定だったがコロナ禍のため延期となり、同年7月から施設・店舗等が順次開業。フルオープンは2023年ということで、まだ工事しているエリアもある。

中には飲食店やホテルなどのほかに、企業などの研究施設もあり、ロボット技術やフライトシミュレーターなどを体験・見学できるスペースもあるそうだ。過去にも何度か紹介したが中に入ったことはなかったため、駐輪場(自転車24時間100円)に自転車を停めて脚を踏み入れてみる。

 

羽田イノベーションシティの「足湯スカイデッキ」。この日は暑かったため足湯につかる人は少なかったが、空港や飛行機を眺めるにはいいスポット。利用は無料
(撮影:光石 達哉)

中にはライブハウスの「ZEPP HANEDA」もあって、この日はアイドルのライブをやっていたようで、カラフルなTシャツを着た若者がたくさんいた。名前を聞いて興味をひかれた「足湯スカイデッキ」に行ってみる。3~4階ほどの高さの屋上に足湯が設置してあるスペースで、足湯につかっている人も2、3人いたが、この日は暑くて自分は入る気にはなれなかった。ここからも羽田空港がよく見え、飛行機を撮っているカメラマンもたくさんいた。しかし、日影がまったくなく、暑さに耐えきれず早々に退散。

 

    天空橋駅から平和大鳥居へ

過去にも何度か紹介した平和大鳥居。日の丸の下の三角の旗は、ウクライナ国旗のカラーだった(撮影:光石 達哉)

空港の周りを走る。赤い飛行機には「FIFA WORLD CUP TROPHY TOUR」と書かれている。ちょうどこのとき、都内でW杯トロフィーの展示イベントが行われていて、それを運んできたものだった(撮影:光石 達哉)

空港の西側をあちこち走ったが、モノレールの整備場駅周辺で八方ふさがり(撮影:光石 達哉)

再び自転車に乗って、モノレール・京急の天空橋駅から平和大鳥居の方へ。ここから空港の西側を自転車で走ってみようとしたが、モノレールの整備場駅周辺で高速道路や関係者専用入口などに阻まれ、先へ進めなかった。

次回は羽田空港をちょっと離れて、周りを取り囲む埋め立て地や公園から空港を眺めていこうと思う。

 

(光石 達哉)

 

今回のルート:①トンネル―②新整備場駅-③第3ターミナル―④ソラムナード羽田緑地-⑤羽田イノベーションシティ―⑥平和大鳥居-⑦整備場駅(撮影:光石 達哉)

 

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