海外、国内へ取材に行くと、その国、土地ならではの特色や意外なヒト・コト・モノに出会う。取材陣が実際に足を運び、体験した海外&国内のプチ情報を紹介する。
旅気分をアゲてくれるトゥクトゥク
東南アジアで旅行者が利用しやすい気軽な乗り物といったら、三輪タクシーのトゥクトゥクだろう。
運賃も比較的安くて、町中の近距離の移動には便利。さらに、異国情緒あるエスニックな見た目と風を感じられる開放感ある乗り心地は、旅の気分をちょっと上げてくれる。
カンボジアで新型登場
最近仕事で訪れたカンボジアの首都プノンペンでは、ちょっと変わった形をした新型のトゥクトゥクを多く見かけた。車体自体がややコンパクトで、客室部分もほろで覆われている点が特徴だ。
どうやら乗客の荷物をバイクで走りながらひったくる窃盗犯対策でこの形になったようだが、確かにこの新型トゥクトゥクの座席に座っていれば、ひったくり犯も手が届きにくそうだ。
とはいえ、新型のドライバーも念のために「荷物に気をつけろよ」と注意してくれる。
エスニック感と開放感では旧型の方がいい感じだが、新型も昭和の日本の街を走っていたダイハツ・ミゼットのようで乗り物としての形はカッコいいし、かわいげもある。
もとは あの大女優が乗ったメーカー
トゥクトゥクはもともとイタリアのピアッジオ社が開発してアジアに広めたそうだが、この新型トゥクトゥクもピアッジオ社製のものをよく見かけた。
ピアッジオ社といえば、映画「ローマの休日」でオードリー・ヘップバーンとグレゴリー・ペックが乗っていたスクーター・ヴェスパを製造したメーカーだが、新型トゥクトゥクのかわいらしさもヴェスパに通じるものがあるように感じる。
配車アプリまで登場
トゥクトゥクの進化は車体だけに留まらず、最近はUBER(ウーバー)のような配車アプリもあり、アプリ上でトゥクトゥクを呼んで、オンライン決済できるサービスも広がっている。
運賃も走行距離に応じて決まるため、ドライバーに吹っ掛けられたり、値段交渉したりという手間も省ける。
それが旅の楽しみという人もいるかもしれない。 ちなみに、道端で拾って新型と旧型で運賃が違うこともなさそうで、そこはあくまでも交渉次第という感じだった。
新型制覇はプノンペンがオススメ
最近訪れた東南アジアの街の中ではこの新型トゥクトゥクを見かけた地域はプノンペンだけで、郊外ではほとんど見られなかった。
タイのバンコクでは旧型のトゥクトゥクばかりで、数はそれほど多くなかった。 ベトナムのハノイでは自転車の前に客席があるシクロや、バイクの後部座席に客を乗せるバイクタクシーの方をよく見かけた。
ミャンマーのヤンゴンはバイク乗り入れ禁止でトゥクトゥクも見かけず、郊外ではシクロの方をよく見かけた。
というわけで、筆者が知る限りでは新型トゥクトゥクに乗ってみたい人は、プノンペンへ行ってみるのが良さそうだ。(光石 達哉)