632ページに、220の語句。これはもはや辞書ふうではなく、辞書といっても過言ではない。
「残念な○○」「捨て左折」など、数々の造語を生み出してきた鬼才・千原ジュニアの辞書ふうエッセイ「大J林」が12月18日に発売される。
この事典は吉本興業所属のお笑い芸人・千原ジュニア氏が「週刊SPA!」誌上で3年3カ月に及ぶ連載コーナー「明日使いたくなる新語・造語」の中から編んだもので、220の語句を厳選。それぞれの意味や用法を記した、集大成の一冊となる。
掲載の新語・造語は、千原ジュニア自身の体験や見聞を通じて生成されたもので、汎用性の高さや機知に富んだネーミングセンスは古今類を見ぬものであり、不可思議な魅力に満ちている。
今回はその中から2つの語句をピックアップして、本書の内容をご紹介。
1・2度見【いってんにどみ】
2度見するほどのことではないがどこか気になってしまうものを見つけたときにしてしまうさま
千原ジュニアはテレビ朝日に張られている時代劇ドラマ「必殺仕事人2019」のポスターを目にするたびに思うことがあるのだという。
ーーいや、時代劇に年号を入れるなと。それはもう、ただの現代劇です。2度見するほどではないですが、素通りできるほど大人じゃない。【1・2度見】してしまうことっていろいろあると思うんですよ。
千葉県のゆるキャラ・チーバくんについても物申している。
ーー横から見ると千葉県の形をしているという、ゆるキャラ・チーバくん。ここまではわかりますが、そのチーバくんが普通に正面を向いてたりするんですよ。それはもう千葉ではありません。正面のチーバくんは何なら形としては秋田県に近いですし、それはもう、ただの秋田犬です。
左脳を粗塩でもみ洗う【さのうをあらじおでもみあらう】
非常識すぎる言動に対して正気を取り戻して欲しい一心で浴びせる最上級の言葉。
類語:左脳洗ってこい
2019年正月、番組のロケでイスラエルに行った時のことだ。
後輩芸人のてつみちが同行を熱望したため、マネジャー代わりには及ばないものの、一緒に連れて行った。
この、てつみちがなかなかの”逆・博学”ぶりを発揮したのだという。
道すがら、新元号の話題になった時のことだった。
「次の天皇って誰っすか? もうオーディションやってるんすか?」
「やってんちゃう?次はどういう人になってほしいねん?」
「やっぱり筋が通った人がいいっすね!」
てつみちは2021年で40歳を迎える。
「日本の大統領って誰っすか?」
「……」
「いや教えてくださいよー。と言うか大統領と総理大臣、どっちが偉いんすか?そりゃ大統領か、大がついてるもんな。……いや、総理大臣も大がついてる!!」
ーーこの旅でも「ちょっと左脳洗ってきてもらっていいですか?」と言いたくなるような、非常識すぎる言動のオンパレード。いや、それすらも超えた【左脳を粗塩でもみ洗いしてきてもらっていいですか?】と言いたくなるような、キテレツな言動ばかりで。
(mimiyori編集部)
◆千原ジュニア
1974年3月30日、京都府生まれ。15歳で実兄せいじと千原兄弟を結成。 現在は『にけつっ!!』(読売テレビ)、『千原ジュニアの座王』(関西テレビ)、 『ABEMA的ニュースショー』(ABEMATV)など数多くの番組にレギュラー出演中。 Youtubeチャンネル『ジュニア小籔フットのYouTube』は登録者数45万超。 『週刊SPA!』誌上では直筆4コマ漫画「囚囚囚囚」を連載中
◆『大J林』
著者:千原ジュニア
発売:2020年12月18日
定価:本体1800円+税
判型:B6判
発売元:株式会社 扶桑社