そろそろ桜も満開になってきた陽気だが、今回は開花前にちょっと遠出をしたい気分になったので、東京本土唯一の村である檜原村へ。東京で唯一「日本の滝百選」に選ばれている払沢の滝をはじめ、滝めぐりのサイクリングに出かけてみた。
案内所に到着~まずは徒歩で「払沢の滝」目指す
東京の西の端っこにある檜原村へは、まずは旧五日市街道の突き当りにあるJR武蔵五日市駅前を左折し、檜原街道を進んでいく。村役場の先の橘橋の交差点を右に曲がり、数100m行くと、左斜め前に上り坂の分かれ道がある。ここが払沢の滝の入り口だ。
入口周辺のお店はほとんど閉まっていたが、案内所は開いていた。平日で観光客が少なかったからか、僕がうろうろしていていると係の人がわざわざ外に出てきて話しかけてくれた。
パンフレットをもらったり、ウッドデッキのところに自転車を止めさせてもらって、ここからは徒歩で滝に向かう。ちなみに上り坂をそのまま自転車で登っていくと、以前紹介した絶景の時坂峠に至る。
払沢の滝に到着!
払沢の滝はかなり前にも来たことがある。そのときは滝までの道が結構荒れていた記憶があったが、今はウッドチップが敷き詰められた歩きやすい遊歩道になっている。観光客も全然いないのかなと思っていたら、年配のご夫婦や子ども連れの家族など数組とすれ違った。
のんびり15分ほど歩くと、視線の先に払沢の滝が見えてきた。先ほどもらったパンフレットによると、落差約60mの4段の滝らしいが、下から見える景色は一番下の滝のみ。それでも落差は約26.4mあり、なかなかの迫力だ。
ちなみに払沢は「ほっさわ」と読む難読漢字だ。これもパンフレットによると、滝の流れが払子(ほっす)という毛の長い筆のような仏教の法具に似ていることから、払子の沢と呼ばれていたそうだが、それが縮まって払沢となったらしい。真冬には凍結したり、毎年8月の夏まつりにはライトアップされたりと、季節通していろんな表情が楽しめるようだ。
絶品スイーツで腹ごしらえ
入り口に戻り、開いていたちとせ屋という豆腐屋で、おからを使ったうの花ドーナツをいただく。檜原村ではサイクリストはじめ観光客に人気のスイーツだ。
先ほど「檜原村滝めぐりマップ」という案内パンフレットももらったので、眺めてみる。なんでも檜原村には13カ所の滝の名所があり、すぐ近くにも何カ所あるので、行ってみることにした。
檜原村に「吉祥寺」⁉
まずは南へ約1km下ったところに、吉祥寺滝がある。吉祥寺というと東京で人気の住みやすい街を思い出すが、檜原村には吉祥寺というお寺が実際にある。
お寺の前で橋を架ける工事をしていて、そのすぐ先に滝の入り口を示す看板がある。パンフレットによると吉祥寺滝は3段で奥行き20m、落差4mとあまり大きな滝ではないようだ。しかし、看板のところから階段を下ると途中で立入禁止になっていて、全体像は見えなかった。残念。
小さくても迫力満点「中山の滝」
続いては、檜原街道を武蔵五日市駅方面へ戻る途中にある中山の滝へ。檜原村とあきるの市の境界のそばに滝を示す看板がある。ここも階段を降り、ゴツゴツした岩場が並ぶ河原に出る。岩の上は滑りそうなので、慎重に歩く。
中山の滝自体も小さいのだが、大きな岩に挟まれて川が狭くなったところに、川の水が一気に流れ込んでいて、なかなかの迫力だ。
檜原村の滝の名所はあと10カ所あり、何カ所かの滝は本格的な登山が必要なところにあるらしいので、いつか準備ができたらまた挑戦しようかなと思いつつ、今回はここまで!
(光石達哉)