【競馬ブログ】「気まぐれウマ放談」 将来のダート界担う素質馬集結~レパードステークス

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(写真:photoAC/JohnnyNayuta)※写真はイメージ

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競馬ページ担当の おかだ です!

このページでは、競馬観戦歴10数年の、まだまだ勉強することばかりのファンが、競馬にまつわるあらゆる話題を気ままに書いていきます。


夏競馬の期間中は、毎週行われる重賞から1レースをピックアップ。注目馬はもちろん、レースの概要や過去の優勝馬、名場面も紹介しています。

今回は9日に新潟競馬場で行われる3歳馬限定のダート重賞、レパードステークス(GⅢ、ダート1800m)を取り上げます。

JRAの中では比較的新しい重賞ですが、過去にはダート界の頂点に君臨した馬が優勝しています。15頭の中から未来のダート王は誕生するのでしょうか。

 

 

 

待望の3歳ダート重賞

かつてJRAの3歳ダート重賞は、例年、東京競馬場で6月に行われるユニコーンステークス(GⅢ)のみ。重賞は地方競馬で行われる交流競走が主体になっていました。

09年、3歳ダート馬の出走機会拡大やジャパンカップダート(現チャンピオンズカップ)に向けたダート路線の充実を図る観点から、3歳馬限定の重賞として新潟競馬場のダート1800mに新設されました。

レース名の「レパード(Leopard)」は、英国の国王の紋章である盾の脇に描かれている獅子、または豹を意味する英語。古代ローマでは、豹の息に不思議な香りがあるとされ、動物を狩ることができると恐れられていました。香りに対抗できる唯一の動物がユニコーンだと信じられていたそうです。

3歳ダートといえば7月のジャパンダートダービー(JDD、GⅠ)が1つの頂点となっていますが、夏の新潟から秋のGⅠを目指す馬も少なくありません。またJDDからレパードステークスに出走してくる馬もいます。

3歳限定のダート路線は、年々注目度が上がっています。冬から春にかけては重賞がなく、オープン特別が行われて有力馬が台頭。近年は海外を目指す馬もいて、芝同様にJRAにもビッグレースがあってもいいのではと思うくらい、早い時期から強い馬が登場しています。

王者たちも駆け抜けた

歴史の浅い重賞ですが、優勝馬の中には長らくダート界引っ張った馬も名を連ねています。

09年、記念すべき第1回の優勝馬はトランセンドでした。先行する競馬で2着に3馬身差をつける圧勝。のちにGⅠ馬となるワンダーアキュートといった力のある馬たちを抑えて、レースの歴史に名を刻みました。

3歳時はGⅠの舞台に立てませんでしたが、4歳になって本格化。10年ジャパンカップダート、11年フェブラリーステークスとGⅠを連勝。

そして同年3月のドバイワールドカップ(GⅠ)、ヴィクトワールピサが日本馬として初制覇を飾ったレースで2着。日本勢のワンツーフィニッシュは、東日本大震災の直後だったこともあり、競馬界に大きな希望を与えるニュースとなりました。

帰国後はGⅠを2勝。5歳時は1勝も挙げられず、現役を引退。晩年は世代交代の波にのまれたところもありましたが、早くから素質を開花させ、ダートのトップホースとして名を残しました。

12年の勝ち馬ホッコータルマエ。7歳まで活躍した同馬の重賞初勝利はレパードステークスでした。

勝利後は善戦続きでしたが、4歳になると6月までの半年で5連勝を記録し、うちGⅠ2勝。秋以降も勢いは止まらずGⅠ2勝。13年は3着以下がありませんでした。

14年も川崎記念(GⅠ)を勝利して好スタートを決めましたが、ドバイ遠征で16着と大敗。復帰戦も4着と結果を出せずにいましたが、ジャパンカップダートから名称が変わったチャンピオンズカップ(GⅠ)で勝利。ここからGⅠ3連勝で完全復活を果たしました。

 

 

6歳になっても常に上位争いを演じ、7歳になった16年には川崎記念3連覇を達成。GⅠは全部で10勝。最後まで若い馬たちの壁となりました。

ちなみに、19年優勝のハヤヤッコは白毛馬によるJRAの初重賞制覇。数少ない白毛馬が重賞のゴール板を先頭で駆け抜けた貴重なレースとなりました。

重賞上位組優勢か

今回は下級条件を勝ち上がってきた馬が多いメンバー構成。それでも、重賞で結果を出してきた馬が実力、経験値ともに上回っています。

6月のユニコーンステークス上位馬デュードヴァンケンシンコウが参戦。勝ち馬からは大きく離されましたが、今回のメンバーに入れば十分勝ち負けできる存在です。

デュードヴァンは、これまで東京競馬場のダート1600mで4戦3勝2着1回。新潟と同じ左回りで抜群の安定感を誇ります。

1800mに距離は伸びますが、ここは能力でカバーしたいところ。前走はカフェファラオに5馬身離されての2着。群雄割拠の3歳ダート勢の中で、後れを取るわけにはいきません。

ケンシンコウは11番人気の評価を覆す激走で3着。あの時の走りがフロックでないこと証明することができるか。試金石となる一戦です。

JDD組からは5着だったミヤジコクオウが出走。巻き返しを狙います。

前走は4番手の外進んでいきましたが、先行した馬が最後まで残り、前を捕らえられずに終わりました。対戦してきた馬は同世代のダートトップ馬ばかり。経験値は最上位レベルで争覇圏内です。

芝からダートに矛先を変えて一変した馬も登場。父母合わせて12冠、超良血馬のラインベックです。

父ディープインパクト、母アパパネ。ともに3歳GⅠ三冠を達成し、2頭のGⅠ勝利数は12。当然のことながら、息子には大きな期待がかかりました。

しかし、皐月賞15着、NHKマイルカップ8着と芝のGⅠで結果を残せず、ダートに転向。7月、2勝クラスの西脇特別で思い切った逃げの手に出ると、そのまま押し切り約1年ぶりの白星をつかみました。

ダート重賞挑戦で一気に素質は開花するのか。父、母とは異なるフィールドで頂点を目指すための一歩となります。



 

 

最後に筆者の注目馬です。オープンクラスで実績のあるデュードヴァンミヤジコクオウの力を素直に評価。戦ってきた相手も含めて、ここでは一枚上と見ても良いでしょう。

他では距離をこなして、古馬との戦いを制してきた馬に注目。ラインベックとライトウォーリアです。後者はダート転向後4戦3勝。鞍上の岩田望来(みらい)騎手とのコンビでは負けなし。人馬ともに初重賞制覇に挑みます。



今回はここまで。
次回も夏競馬恒例の重賞に注目します!



参考:馬名、成績など競走馬に関するデータはJRA公式サイト