ブラインドサッカーとは
20年8月25日に開幕する東京パラリンピック開催まで1年を切った。オリンピック競技は知っているけれど、パラリンピック競技はよく分からない……という人も多いかもしれない。
この連載「パラQ&A」は各競技について、見どころをクイズ形式で出題。第1回はまったく見えない状況で行う「ブラインドサッカー」について。GK1人、アイマスクを着用したフィールドプレーヤー4人で行う競技。ルールはサッカー、ないしはフットサルとほぼ同じで、障がいに応じた規則の工夫がされている。読み終わる頃には、その競技について詳しくなっているかも?
- ブラインドサッカーとは
- Q.ゴールキーパー以外の選手たちはアイマスクを着けているが、視力差(光覚)を公平にするためさらに工夫をしている。それは何?
- Q.ブラサカは音の出る特別なボールを使用。どんな方法で音を出している?
- Q.ブラサカには競技独特の応援マナーがある。それは何?
- Q.敵陣ゴールの後ろにいる人は何をしている?
- Q.ボールを持った相手に向かって声をかけることがルール。その時のセリフは?
- Q.練習中、コーチが選手にポジション取りの指示を伝える方法は?
- Q.両サイドにフェンスがあるのはなぜ?
Q.ゴールキーパー以外の選手たちはアイマスクを着けているが、視力差(光覚)を公平にするためさらに工夫をしている。それは何?
- ①アイマスクを二重に着ける
- ②アイマスクの下に目を覆うテープを着ける
- ③アイマスクの下に特殊なメガネを着ける
2②アイマスクの下に目を覆うテープを着ける
まぶたの上から丸いばんそうこうのような「アイパッチ」を貼り、さらにテープで固定した上でアイマスクを着用する。ブラインドサッカーは全盲選手がパラリンピックに出場できるが、全盲のクラスは全く見えない選手、そして光は感じることができる(光覚)選手もいるため、条件を平等にするためにアイパッチも併用する。
また、国内ルールでは競技の普及のため、同じようにアイマスクを着用することで、晴眼者も弱視の人も、全盲の選手と共にプレーできるようにしている。
Q.ブラサカは音の出る特別なボールを使用。どんな方法で音を出している?
- ①ボールの中に仁丹のような小さなツブツブが入っている
- ②ボールの中にビー玉大の鈴が入っている
- ③ボールの中にパチンコ玉が入っている
1①ボールの中にツブツブが入っている
ボールの中には特殊なツブが入った金属が内蔵され、転がると音が出る仕組み。ボールの大きさはフットサルボールと同じ。
Q.ブラサカには競技独特の応援マナーがある。それは何?
- ①大きな声を出して応援する
- ②楽器を使って応援歌を演奏する
- ③静かに試合を見る
3③静かに試合を見る
視覚を遮断した状態で行うブラインドサッカーは選手たちにとって、ボールの音や味方からの指示、相手選手の声が大切な情報になる。そのため、観客は邪魔をしないようにプレー中は静かに観戦することがマナー。ゴール、試合後などプレーが途切れた時は声を出して応援してもOK。観客席にはサッカー日本代表と同じように、サムライブルーの応援団も。
Q.敵陣ゴールの後ろにいる人は何をしている?
- ①選手たちを応援している
- ②相手キーパーの邪魔をする
- ③味方にゴールの位置を伝える
3③味方にゴールの位置を伝える
ゴールの後ろには「ガイド」と呼ばれる役割の人が立っている。自軍が攻めている場面で、味方選手にゴールの位置と距離、角度、シュートのタイミングなどを声で伝える。
Q.ボールを持った相手に向かって声をかけることがルール。その時のセリフは?
- ①「セイ」
- ②「ボイ」
- ③「まいど」
2②「ボイ」
フィールドプレーヤーはボールを持った相手に向かって行く時に、「ボイ!」と声を出さなければならない。「ボイ(Voy)」とはスペイン語で「行く」の意。選手の存在を知らせ、危険な衝突を避けるためのルール。声を出さないと「ノースピーキング」というファールを取られる。
ちなみに…現在、掛け声は「ボイ」に統一されているが、日本にブラインドサッカーが上陸した当初のルールブックによると掛け声は「マイン」。当時、関西人が多かった日本チームは「まいど、まいど」と連呼していたからとか。
Q.練習中、コーチが選手にポジション取りの指示を伝える方法は?
- ①声と動きで伝える
- ②戦術を伝えるブロックサインがある
- ③指で背中に指示を書く
3③指で背中に指示を書く
もちろん、声で説明する時もあるが、具体的なポジション取りについて、コーチが指で選手の背中を触り、「ここがゴールで、ここに相手がいる」と描いて戦術を伝える。腕を掴んで「こっちの向きだ」とその方向を身体で伝えることもある。
Q.両サイドにフェンスがあるのはなぜ?
- ①ボールがどこかに行かないようにするため
- ②選手がピッチから外れないようにするため
- ③試合中、選手たちが寄り掛かって休憩するため
1①ボールがどこかに行かないようにするため
ピッチは、フットサルコートと同じ広さです。両サイドライン上に高さ約1mのフェンスが並ぶ。ボールがサイドラインを割らないことや、選手がピッチの大きさや向きを把握する一助になる。また、戦術としてフェンスの跳ね返りを使ったパスも頻繁に見られる。
ちなみに…日本が初出場した06年世界選手権では、壁にガンガンぶつかってプレーしていたチームは日本と韓国だけで、ブラジルなど強豪チームは壁にあまりぶつからなかったとの事。それまでは壁にぶつかることは勇気だと思っていた日本代表はカルチャーショックを受けたという。(mimiyori編集部)