【パラスポーツ】パラ水泳日本選手権②~内定選手は先を見据えて課題ハッキリ

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男子200メートル個人メドレーに出場した木村敬一(提供:日本身体障がい者水泳連盟)


パラ水泳の日本選手権、初日は東京パラリンピック代表に内定している選手たちも登場した。木村敬一(東京ガス)は200メートル個人メドレー(SM11)に出場。2日目は内定種目の100メートルバタフライ(S11)にエントリーしている。男子200メートル個人メドレー(SM11)で内定している東海林大(三菱商事)は、同種目をはじめ出場全種目で結果は振るわなかったものの、本番へ克服すべき課題が明らかになった。

 

 

木村敬一 本命バタフライにつながるレース

男子200メートル個人メドレー(SM11)に出場した木村敬一は2分27秒81のタイムで泳ぎ切った。150メートルまでは思い通りに泳げていたが、「最後は苦しくなった。平泳ぎから自由形への切り替えが課題」と、最終種目の自由形で思うように体を動かせなかった。

 

「試合の回数を重ねられない状況で、大会が開催されたことに感謝している。全力で泳げたことが収穫」。新型コロナウイルスの影響で大会の中止、延期が相次ぐ中、大会に出場して泳ぐことへの喜びを実感している。

 

個人メドレーについては、4種目全てでハードトレーニングを積んできたという。結果には結びつかなかったが、「自由形の基礎が足りていなかった」と改めて課題を確認できた。「バタフライに向けて良いスタートが切れた。明日につながる。(バタフライでは)自己ベストを出したい」。2日目は代表内定を決めている100メートルバタフライで、ライバル・富田宇宙(日体大大学院)との対戦が待っている。

 

東海林大 不完全燃焼の原因は「考えすぎ」

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男子200メートル個人メドレーに出場した東海林大(提供:日本身体障がい者水泳連盟)


男子200メートル個人メドレー(SM14)世界記録保持者の東海林大は、同種目を含む3レースに出場。200メートル個人メドレーは、自らが持つ世界記録から6秒以上遅い2分14秒83でフィニッシュした。

 

「いつも他の選手に抜かれている」と感じていた背泳ぎでは、ストロークのピッチが上がらず、スピードに乗れなかった。気持ちも力も入らないまま不完全燃焼。その後に出場した100メートル平泳ぎと同自由形もさえない結果に終わった。

 

考えすぎると、どうしても「力不足」と思い込んでしまい、メンタル面、そして泳ぎ全体に影響して崩れてしまうという。レース後には、背泳ぎだけでなく4種目それぞれについて、泳ぐ時の姿勢など課題を1つずつ挙げ、自分に言い聞かせるように整理していた。

 

2日目は、キックのタイミングと強さに課題がある100メートルバタフライにエントリー。初日は波に乗れなかったが、「地元・山形のみならず、全国で応援してくれている人への感謝を忘れずに過ごしたい」と気持ちを切り替えた。

 

無観客の静かな大会 開催だけでも「大きな収穫」

今大会は2日間通して無観客で行われる。東京五輪・パラリンピック組織委員会理事を務め、1年2カ月ぶりとなる大会出場となった成田真由美(横浜サクラ)は、「観客の声援は力になるから寂しい気持ちもある。でも、こうした状況で大会を開催できることだけでも大きな収穫」と話した。

 

日本選手権は、昨秋、宮城県で開催される予定だったが、時期、会場を変更。日程、会場が重なった毎年恒例の春季記録会は行われない。

 

東京パラの代表選考戦は、5月21~23日に横浜国際水泳場で行われるジャパンパラ。派遣基準記録を突破した選手から優先的に選考される。すでに内定を決めている木村敬一(S11、男子100メートルバタフライ)、東海林大(SM14、男子200メートル個人メドレー)、山口尚秀(SB14、男子100メートル平泳ぎ)は、同大会で内定種目に出場することで推薦が決定する。(岡田剛)

 

 

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