【パラスポーツ】パラ卓球=日本男子のエース・岩渕が世界ランキング2位に!20年東京のメダルへ

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パラ卓球の日本男子エース・岩渕幸洋(右)、女子の茶田ゆきみ(撮影:大戸琳太郎)

パラ卓球の活動報告記者会見が15日、東京・渋谷区のT4 TOKYOで行われた。

会見に出席した岩渕幸洋(クラス9)は今季、6月メキシコオープン(OP)で4年ぶりの国際大会優勝。さらに11月オランダOPで優勝を果たし、世界ランキング(11月1日時点)は2位まで上昇した。20年東京パラまで世界ランク2位以上を維持し、連勝街道をひた走ることを宣言した。

また、会見ではオフィシャルウエアの発表、新しく就任した立位の部・時吉佑一、車いすの部・新井卓将の両監督によるあいさつ、そして各選手の障がいによるプレーを体感できるオリジナル卓球台「パラ卓球台」の国際賞受賞報告も行われた。

 

 

 

 

世界ランク2位・岩渕 20年東京金メダルに手応え

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パラ卓球の会見に臨んだ岩渕(後列左から3番目)、茶田ゆきみ(前列左から3番目)、渋谷区長(後列左から2番目)ら(撮影:大戸琳太郎)

日本男子のエースが20年東京の金メダルを射程圏内にとらえた。日本のエース・岩渕は6月メキシコOP(決勝はリーグ戦)で国際大会4年ぶりの優勝を果たした。11月オランダOPでは決勝トーナメントで勝ち上がり、またもやV。世界ランキングは自己最高の2位まで上昇した。

リオ後は一時期、勝てない日々が続いた。早大卓球部に所属し、15年はハンガリー、スペイン、チェコの国際大会3大会優勝を飾った。その勢いで16年リオに臨んだが、予選敗退。その後、国際大会優勝からも遠ざかった。

大学卒業後、17年4月から健常の実業団・協和発酵キリン(現・協和キリン)に入社した。パラ卓球選手が健常の強豪実業団チームに入部することは異例中の異例だった。全日本トップクラスの選手にもまれながら実業団の公式戦にも出場して日々研さん。再びパラの国際大会で優勝を重ねるようになった。

本番までの目標も、自分に高いレベルのハードルを課す。

「オランダOPでは決勝トーナメントを勝ち上がって、優勝らしい優勝を4年ぶりにすることができた。ランキング2位で東京を迎えるのは大きな目標の1つだったので、維持していきたい。でも、出場権獲得に向けて維持することだけにこだわらず、試合に出て勝ちたい」

さらなる国際大会優勝を積み上げることを誓っている。

心強い材料もある。立位の新監督に就任した時吉佑一氏は大学時代のコーチでもあり、信頼関係は強い。岩渕と時吉監督が口をそろえる課題は「自分で戦って、勝てる力をつけること」。試合中はベンチの指示に頼り過ぎるのではなく、自分自身で瞬時に判断して打開策を見つけることが大切だという。

「大事な場面で自分の力でプレーを選択できるように。また、自分はファイタータイプなので、空回りせず、ここぞでファイトできるようにしたい」

会見では、ビクタス社製の新オフィシャルウエアがお披露目となり「斜めのラインがかっこいい。統一のデザインで気に入っている」。物心両面で20年東京へのお膳立ては整いつつある。

地元での開催となる東京パラでの目標は「優勝以上」だ。
「パラ卓球の魅力を伝えられるように優勝を目指したい。東京パラは地元の友人や家族に見てもらえるチャンス。いいパフォーマンスができるように頑張りたい」と金メダル獲得を目標に掲げた。

 

 

女子・茶田 まずは出場権確保目指す

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渋谷区長とラリーを行い、卓球の実演を見せた茶田ゆきみ(撮影:大戸琳太郎)

 茶田ゆきみ(クラス3)は11月1日時点の世界ランクは15位と東京パラ出場権獲得へギリギリのラインにいる。
「来年の1~3月の試合で優勝を目指し、ランキングを1つでも上げたい」と巻き返しを誓った。

10月の中国OP団体戦では、アジア選手権で優勝したLEE Mi Gyu(韓国)と接戦を演じた。勝てなかったことに悔しさをにじませた一方で、「自分がレベルアップしていることや20年(東京パラ)への可能性を感じた。世界一になって、支えてくれた人に恩返しをしたい」と感謝の思いを胸に大舞台を目指す。

新体制で臨む20年東京パラ

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パラ卓球の会見に臨んだ立位の時吉監督(前列右から2番目)、座位の新井監督(前列右端=

撮影:大戸琳太郎)

新しく就任した日本代表の時吉佑一監督(立位)、新井卓将監督(座位)があいさつ。それぞれ今後の強化方針を明かした。

時吉佑一監督
「合宿を増やして、コミュニケーションを取りたい。メンタル面や生活を変えないとプレーは変わらない。生活からプロフェッショナルになってほしい」

新井卓将監督
「6人のスタッフでチームワークよく強化し、1人でも多く、20年(東京パラ)に出て活躍してもらいたい」

「パラ卓球台」が国際各賞受賞

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先天性で腕が短い八木克勝がプレーするイメージを実際の卓球台に反映させた「パラ卓球台」。ほとんどのエリアに手が届かないため、脚のフットワークを使って時には回り込んで戦う。そのため、八木側の卓球台が円形で表現されている(撮影:大戸琳太郎)

席上では、「パラ卓球台」の国際賞受賞報告も行われた。「パラ卓球台」とは、各選手の障がいによる特性をバーチャルまたは実物の卓球台を用いて表現したもの。例えば、座った状態でプレーする車いす卓球選手はネットまでの距離が遠く感じるため、実際に奥行を長くした卓球台となる。イラスト、または実物などで形にすることで、パラ卓球選手が感じている世界を健常者も体験することができるのだ。斬新な表現方法に、カンヌ国際クリエイティブフェスティバル金賞をはじめとする各国際賞を受賞している。

開発に関わったシニアクリエイティブディレクター・浅井雅也氏(TBWA HAKUHODO)は「パラ卓球は多様な障がいを持つ選手が競い合う面白いスポーツ。お互いの弱点を攻めることがスポーツマンシップとして成立していることに衝撃を受け、ファンになった」という。

会見では最後に、渋谷区長・長谷部健氏と茶田が「茶田モデル」の卓球台でラリーを実施。長谷部氏の悪戦苦闘ぶりに会場が温かい笑いに包まれる一幕もあった。

(mimiyori編集部)