【プロレス】ZERO1のエース・大谷晋二郎が試合中に手足動かず救急搬送 延期の20周年興行でアクシデント

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大谷晋二郎が試合中に動けなくなり、リング上は騒然となった(撮影:丸井 乙生)

プロレスのZERO1旗揚げ20周年&21周年記念大会が10日、東京・両国国技館で行われ、メーンイベントに出場したエース・大谷晋二郎(ZERO1)が試合中に投げっぱなしジャーマン・スープレックスを受けた際、コーナー付近に頭を打ちつけ、手足が動かなくなって救急車で搬送された。

関係者によると意識はあるもようで、試合は16分44秒、レフェリーストップで大谷は敗れた。

同団体は、故橋本真也さんが2001年3・2両国国技館で旗揚げ。今大会は2021年3月に予定されていた20周年興行が新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期され、ようやく実現していた。

 

 

 

15分過ぎにアクシデント

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ダウンした直後(撮影:丸井 乙生)

一世一代の記念興行でまさかの事態が起こった。

メーンイベントの世界ヘビー級タイトルマッチの15分過ぎ、挑戦者・大谷晋二郎が王者・杉浦貴(プロレスリング・ノア)の投げっぱなしジャーマンスープレックスで受け身を取る際、コーナーマット付近に後頭部をぶつけてあお向けとなった。

 

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救急隊員が到着し、大谷に応急処置を施す(撮影:丸井 乙生)

レフェリーはダウンのカウント7まで数えたが、アクシデントで起き上がれなくなったと判断。リングドクターが大谷のもとに駆け付け、関係者が救急車の出動を要請した。

 

関係者によると、倒れた直後は会話ができていたという。腹部が上下していたことから呼吸はしているもようで、オッキー沖田リングアナウンサーは会場に「大谷選手の意識はあります」と繰り返しアナウンスした。

 

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救急車に運ばれる大谷(撮影:丸井 乙生)

到着した救急隊員が「手をグー・パーしてください」と呼びかけたが、大谷は動けず。首を固定され田上で酸素マスクをつけられ、担架で救急車に運び込まれた。救急車には大谷の妹・葉月さん、デビュー3年目の永尾颯樹が同乗した。

 

プロレス界きっての熱い男

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アクシデントの直前、気合の入った試合を見せていた大谷(撮影:丸井 乙生)

大谷は1972年7月12日生まれの49歳。新日本プロレスに入団し、1992年6・25福島市体育館大会の山本広吉戦でデビューした。

新日本時代はジュニアヘビー級の中心選手として活躍し、カナダ・カルガリー遠征でヘビー級に転身。帰国後は、故・橋本真也さんが01年に旗揚げした新団体「ZERO-ONE(当時)」に参戦した。

04年11月、「ZERO-ONE」の活動停止に伴い、後継団体のリーダーとして活動。05年7月に故・橋本さんが他界した後は、入門してきた長男の大地(現・大日本プロレス)を鍛え上げた。

プロレス界きっての熱い男として知られ、スポンサーの変更を経て厳しい経営状況に陥った時期もあったが、人の輪に助けられて粘り強く団体運営を続けてきた。

21年3月には旗揚げの地・両国国技館で20周年興行を予定するも、コロナ禍で延期。今大会はようやく開催にこぎつけた、待望のビッグマッチだった。

 

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原点の地・両国国技館大会の開催にこぎつけ、試合直前に場内を感慨深そうに見つめる大谷
(撮影:丸井 乙生)

延期を決めた後は、21年9月には試合中に左前腕両骨を骨折して長期離脱した。何としても今大会に間に合わせたいと治療を続け、22年4月3日の栃木・宇都宮大会で復帰したばかりだった。

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気合の入った表情でリングインする大谷(撮影:丸井 乙生)

 

若手が成長した矢先

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救急車に運び込まれる大谷(撮影:丸井 乙生)

手足が動かせない状態であることから頸髄や脊髄損傷が懸念されるが、11年には新日本で中西学が脊髄を損傷するも、懸命のリハビリを経てリング復帰を果たしたことがある。

ZERO1は一時は選手の大量離脱で存続が危ぶまれたこともあったが、最近は続々と若手選手が加入して明るい未来が見えた矢先。救急隊員は、担架に乗った大谷に「頑張りましょうね」と声を掛けた。軽傷であることを祈るばかりだ。

 

(丸井 乙生)

 

 

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