【旅行】脱グランピング!「大人の秘密基地」でホンモノのキャンプ体験

穴掘って焚火が出来る貴重なキャンプ場(提供:事務局)

穴を掘ろうが溝を掘ろうが何ら問題ありません」

「普段のうっぷんを晴らすべく直火での焚き火を楽しんで下さい」

 

キャンパーごころをくすぐる文言が、ホームページにずらりと並ぶ。福島県・二本松市にあるキャンプ場「Sakura Bushcraft Field(通称SBF)」は、〝不便を楽しむ〟がコンセプトになっている。

ほかのキャンプ場では考えられない「直火推奨」という魅力に加え、利用料金税込なんと1000円、宿泊をしてもプラス1000円で合計2000円というリーズナブルな料金体系だ。

さらに、大自然の中でリモートワークを可能になるよう、wifiも整備されている。もう一生ここで暮らしてもいい、と思わせてくれるかも!?

 

 

 グランピング全盛期に物申す?

「Sakura Bushcraft Field」略して「SBF」(提供:事務局)

令和になっても消えることのないキャンプ人気。「グランピング」という横文字が注目を浴び、手ぶらで行けるキャンプ場が増加している。テント完備、シャワー完備、エアコン完備、と男女問わず楽しめる文化として「グランピング」が定着しつつある。

一方で、昔からのキャンパーの中には、この風潮に「いただけない」と感じる人も少なくないかもしれない。「野営」「焚火」などの言葉に慣れ親しんできたキャンパーからすると、1から10まで自分でこなしてこそナンボ。そんなキャンパーたちが、間違いなく納得するキャンプ場が、この「Sakura Bushcraft Field(SBF)」だ。

 

 「直火推奨」で大人の秘密基地作り

穴を掘っての焚火は、映画のワンシーンのよう(提供:事務局)

このキャンプ場を知るうえで、「直火推奨」というパワーワードは見過ごせない。公式ホームページには、このように宣言している。

「焚火は直火を推奨しています。薪は開墾時に出た樹木がところどころに積んでありますので、ご自由に好きなだけ燃やして下さい」

 

日本国内を見渡しても、直火を推奨するキャンプ場はそうそう見かけないだろう。ネット検索をかけると「直火OKキャンプ場〇選」といったページが目立つほど、直火が許される場所すら貴重な存在。

それでも「グレーゾーンな野営に甘んじたくない方向けの、大人の遊び場」と謳うだけあって、直火を全面的に推奨、いやむしろ直火しかありえないほどの許容ぶりだ。

 

また、サイト内へは車両の進入が禁止されており、街灯も用意されていない。火を焚いて携帯やランタンを消すと、文字通り大自然の中の秘密基地。子ども時代ですら体験できなかったような原始体験をすることが出来るかもしれない。

 

 3エリアからフィーリングに合う場所を

「FINE VIEW AREA」から望む夕日(提供:事務局)

SBFには、キャンパーたちが楽しめるように3つのエリアが用意されている。

「FINE VIEW AREA」は、最も眺望を楽しめるエリア。多くの木が伐採されていることで、大型テントも容易に設置可能。家族連れでのファミリーキャンプやサークルなどのグループキャンプに向いている。

 

「BUSHCRAFT&HAMMOCK AREA」で本格的な焚火を(提供:事務局)

「BUSHCRAFT&HAMMOCK AREA」は、適度な立木が残るSBFイチオシのエリア。ソロテント用のテントを張るもよし、按配のいい木を見つけてハンモックを掛けるもよし。思い思いの過ごし方を見つけたい。

 

「DEEP BUSHCRAFT AREA」の「DEEP」を感じる光景(提供:事務局)

「DEEP BUSHCRAFT AREA」は、ほぼ手つかずで残っているエリア。管理人が「外界から隔絶されたブッシュクラフターの桃源郷」と評するほどの具合を、ぜひベテランキャンパーなら体感してみたい。

 

 ロマンをかなえつつ仕事をする

理想と現実の狭間を生きる楽しさ(提供:事務局)

原状復帰が合言葉のSBF。ここまで紹介したように、シンプルなルール、シンプルなキャンプをウリにしている。そんなキャンプ場の料金体系は、次の通り。

 

利用料金:1,000円(1人)

宿泊料金:1,000円(1人)

駐車料金:1,000円(1人)

 

シンプルですがすがしい。駐車料金1000円を加えても、宿泊のソロキャンプが3000円と実に家計に優しい。さらに、キャッシュレス決済が推奨されているため、現金を持って行く必要もない。これなら、奥さんに黙ってキャンプに行ってもとがめられない、かもしれない。

とはいえ。平日、福島、山の中。仕事や電波が心配になるだろう。もちろん(ここまで盛大にフッているのだから)心配はない。光回線が整備されているので、思う存分リモートワークに勤しむことが出来る。

「〇〇さん、背景が素敵ですね」

「ええ、まるで本当に来てるみたいでしょ」

「……最近の背景は火までリアルなんですね」

などというZoomトークを繰り広げることも可能かもしれない。

 

元サラリーマン、それも元東スポの記者が手掛けるキャンプ場だけあって、男の「ロマン」と「現実」を両立させてくれる、なんとも素敵な場所だ。

ブッシュクラフトを生きがいにしている人はもちろん、「便利な」キャンプを卒業して、「大人の」キャンプへステップアップさせてくれるかもしれない。

 

(いいの けい=mimiyori編集部)

 

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