【バドミントン】桃田賢斗が1年2カ月ぶりの国際舞台へ! リハビリの苦悩・東京五輪への想い・将来の夢とは

桃田賢斗 バドミントン ローレウス 

1年2カ月ぶりの国際舞台となる全英オープンへの意気込みなどを語る桃田賢斗選手

(写真:ローレウス提供)

スポーツを通した社会貢献活動を行う団体「ローレウス」はこのほど、バドミントン・桃田賢斗のインタビューを公開した。

 

桃田選手は20年1月、大会のため訪れていたマレーシアで交通事故に遭い重傷を負ったが、復帰戦となった12月の全日本総合選手権で優勝を飾った活躍が評価され、ローレウス最優秀復活選手部門にノミネートされている。

今回のインタビューでは、復活までの苦労やスポーツを通した社会貢献活動について、ローレウス・アンバサダーである林丹氏とのエピソード、3月17日に開幕する全英オープンへの意気込みや、21年の東京五輪、今後の夢についても語っている。

 

事故にコロナ…予想外の出来事に翻弄された2020年

桃田は2020年1月、マレーシアマスターズ優勝の翌日に、空港へ移動する際に乗っていた車両が交通事故に遭い、重傷を負った。

「事故に遭った時は、オリンピックどうこうよりも、まず競技を続けることができるのかできないのか。そっちの方が不安でした」

 

リハビリ当初は、20年夏に予定されていた東京五輪への焦り、さらに怪我の後遺症に悩まされていたという。

「年内の一番大きな目標は東京オリンピックだったので、いかに(オリンピックに)照準を合わせることができるか、パフォーマンスを取り戻すことができるかということを考えていた」

「2 カ月間何もせず、事故からの後遺症も多少ありながらのリハビリは、普通に出来ていたことが出来ないもどかしさであったり、悔しさや辛さがあったり、精神的にもきつかったです」

 

 だが、20年3月に東京五輪の延期が決定した。 

コロナ禍では、母校の選手たちにマスクを寄付したり、リモートでの交流などを積極的に行っている。さらにSNSでファンとの交流も深めた。

「コロナが流行しだしてから、直接会えない分、どうすれば良いかと考えて、SNS の活用は大事だと思いました。一緒にバドミントンをした 2 人の子供たちの喜びとか、ファンの人の反応も良く、コメントを残してくれている人もいたので、そういう人たちがいる限りはどんどんこういう機会を作っていけたらいいかな」 

 

12月復帰戦V!バド界率いる責任を自覚

新型コロナウイルス感染拡大の影響で大会が相次いで中止になり、本格的な大会復帰は20年12月の全日本総合選手権となった。

「久しぶりの試合だったので、自分の出来ることは精一杯やりました。もちろん優勝することが目標でしたが、(優勝が)出来なかった場合でも、悔いが残る試合にだけはしないようにしようと思って試合に取り組みました」

 

復帰戦を見事優勝で飾った桃田の圧倒的な強さに、さらなる期待が注がれている。

 「最近(自分に向けられている期待を)意識するようになりました。バドミントンという競技の知名度が日本の中でどんどん上がってきていると思いますが、正直バドミントン界は何も変わっていないというのが現状だと思うので、自分が少しでも変えていければいいなと思っています」

 

 バドミントン界の変革には、スポーツを通した社会貢献活動が不可欠だと感じている。

「スポーツが社会に与える影響は、本当にすごいものがあると思います。見ている人に元気や感動を与えられるので、自分もそういう影響を与えられるような選手になりたいと思います」

「バドミントン界だけではなく、色んな競技の選手の人たちが一緒になって取り組めば、大きな力が生まれると思っています。色んな人を巻き込みながら、何ができるのかというのを考えてやっていきたい」 

 

バドミントン界の英雄・林丹氏に続け!

これまでバドミントンを通した社会貢献活動を牽引してきたのが、元世界チャンピオンでローレウス・アンバサダーの林丹氏だ。バドミントン男子シングルス初の五輪連覇という偉業も達成したスーパースターとの初対戦では、林丹氏の放つオーラ・存在感に圧倒されたという。

「初対戦の時はすごく緊張しました。いつも以上に相手側のコートが小さく見えましたし、これはやばいなという雰囲気でした」

「あいさつくらいで、会話をしたことはないですが、試合前の練習が近いと見ちゃいますし、引退間際でも得ることはたくさんありました。全盛期から衰えたとしても、彼のバドミントンに対する姿勢は凄まじかったです」

 

20年7月に引退を発表した林丹氏に代わり、次は桃田が世界バドミントン界をけん引していく番だ。 

 

東京五輪で100%金メダルを獲る!

現時点で、 東京五輪・金メダル獲得への自信はどう感じているのか。

「出るからにはもちろん優勝を目指したいという気持ちがあります。どれくらい...。遠慮している人がチャンピオンにはなれないと思うので 100%金メダルでお願いします」

エースの頼もしい一言に期待せずにはいられない。

 

16年リオ五輪は自らの不祥事で参加することも許されなかったが、この5年間、ひたむきな努力を積み重ね、日本を挙げて応援したいと思わせるアスリートに復活した。

「2016 年の時は本当に色んな方に迷惑をかけてしまったので、そういった方々に2大会分の感動や元気を届けたいなと思います」

 

さらに東日本大震災から10年の年に東京五輪が開かれることも、金メダルへの想いを強くする。

「(この10年は)長いようで短いし、短いようで長いような感じもするのですが、月日が経つにつれてあの時の深刻さや大変さが少しずつ、周りの人から薄れてきているのかなという印象を受ける時があります」

「3月11日を迎える時に、あれから何年というニュースが出てきますが、そうではなく、今でも辛い生活を送っている人はたくさんいると思いますし、あの出来事を風化させてはいけないと今でも強く思っています」

 

「(今年)東京オリンピックが開催されると、震災から10年ということもあり、何かの縁だと思うので、優勝を目指していきたい」 

 

夢は自分のアリーナで世界チャンピオンを育成

21年夏に向け、前哨戦となる全英オープンがいよいよ3月17日に始まる。

「1年2カ月ぶりの海外の試合なので緊張すると思います。楽しみ半分、不安半分という感じで、今も練習をしていて本当にこれで大丈夫かなと思う部分が多いですが、出場するからには優勝目指していきたいなと思っています」

 

ただ優勝して強くなることが全てではない。桃田の壮大な夢への一歩に過ぎないのだ。

「将来的には自分のアリーナを持って、世界チャンピオンになりたいと思う少年・少女たちを指導できるような場所を作って、コーチになれたらいいかなと思います」

 

桃田が金メダルを掲げる日も、桃田二世が誕生する日も待ち遠しい。

 

(mimiyori 編集部)

 

 

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