スターの宝庫 ”FCハリウッド”
バイエルンの本拠地ドイツ・ミュンヘンの名物噴水
(写真:あじあっしさん/photoAC)
バイエルンは1900年の創設以来、サッカー史に残る名選手を数多く輩出してきた名門中の名門だ。
ドイツのバイエルン州・ミュンヘンを本拠地とし、ブンデスリーガに加盟している。
サッカー界のスター軍団として「FCハリウッド」という異名を持ち、ファンクラブは世界最大級の規模・登録者数36万人以上。名だたるクラブの中でも、世界有数の人気と経済規模を誇っている。
影響力は絶大で、20年12月には、コロナ禍で奮闘する医療従事者や失業などによる貧困にあえぐ市民を救うため、サポーターに「バーチャル観戦チケット」購入での募金を呼びかけた。クラブ公式によると、10日間で11万3000ユーロ(約1430万円)が集まったとか。
”赤い軍団”のマスコットはメタボ熊
チームの愛称は、ユニホームカラーから「Die Roten(赤い軍団)」。
クラブスローガンの「Mia san Mia」は英訳すると「We are who we are」。日本語に直訳すれば「自分たちは自分たちでしかない」という意味で、クラブやサポーターにとって、一致団結するための「スローガン以上の」言葉として愛されている。
名物マスコットは「熊のベルニ」。ぬいぐるみは、ぽっこりおなかが特徴だが、着ぐるみになると若干スリムになっている。
2004年ドイツ生まれで、身長2メートル、体重99キロ、クラブとの契約期間は「一生」。メタボキャラでバイエルンサポーターから愛され、公式SNSも要チェックだ。
🏡🐻🎯
— Maskottchen Berni (@FCBerni12) December 31, 2020
Wie verbringt ihr den Silvesterabend? 🎇 #FCBayern #MiaSanMia pic.twitter.com/Pgp6F62zmX
皇帝、カーン…ドイツサッカーの根底にバイエルン
バイエルンは、名だたる選手を輩出し続け、ドイツサッカーを牽引してきた。
1970年代には、「皇帝」と称されたフランツ・ベッケンバウアーや、「爆撃機」と呼ばれたゲルト・ミューラー、80年代はカールハイツ・ルンメニゲやローター・マテウスらの活躍で一時代を築いた。
リーグ3連覇を達成した2000~01季は、GKオリバー・カーンの活躍で4度目の欧州王者にも輝いた。
12~13季はアリエン・ロッベン、フランク・リベリの両ウイングとGKマヌエル・ノイアーの活躍で5度目のUEFAチャンピオンズリーグ優勝を果たした。
近年では、ポーランド代表のFWロベルト・レバンドフスキ、ブラジル代表のドゥグラス・コスタ、19年限りで退団した元オランダ代表のアリエン・ロッベンなどと国際色も豊かだ。
2014年W杯ではドイツ代表の優勝時も、決勝で活躍した選手11人のうち7人がバイエルンの選手だった。
名門クラブ立て直しの手腕は圧巻~走る名門へ
7年ぶりにバイエルンを欧州王者にした指揮官は、就任1年にも満たないOBのハンス・ディーター・フリック監督だった。
19年夏にバイエルンのアシスタントコーチに就任。同年11月、成績不振で辞任したニコ・コバチ前監督の後任として、暫定で指揮を執ることになり、以降チームを立て直した。
欧州チャンピオンズリーグ決勝では、フランス王者のパリ・サンジェルマンを破り、史上初の全戦全勝で頂点に輝いた。
最終的には欧州3冠(リーグ、国内カップ戦、欧州CL)を達成し、初のブンデスリーガ1部采配にして、短期間で名門を蘇らせた。
その秘訣は、ハードワークの完全定着など意識改革に尽力したことだとか。
私生活ではすでに「おじいちゃん」で、20年6月に地元メディアに対し、しばらく子どもたちや孫に会うことができなかったと語っていた。
夫人と娘たち、そして孫のエールを胸に、アグレッシブな指導でCWCに全力を尽くす。
(mimiyori 編集部)