【連載「生きる理由」46】柔道金メダリスト・内柴正人氏 「めんどくさい話」中編~英語の勉強をめんどくさいと思った結果

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勤務先の温浴施設では最近、焼き鳥も販売中。内柴氏が自ら焼くことも(撮影:丸井 乙生)

2004年アテネ、08年北京五輪柔道男子66キロ級を連覇した内柴正人氏は現在、熊本県内の温浴施設でマネジャーを務めている。18年からキルギス共和国の柔道総監督に就任し、19年秋に帰国した後は柔術と柔道の練習をしながら働く、いち社会人となった。

これまで、彼はどんな日々を過ごしてきたのか。内柴氏本人がつづる心象風景のコラム連載、今回は「めんどくさい話」中編。

練習も仕事も「面倒」と言いながらも一生懸命やってしまうが、宿題だけは本当にやっていなかったという。英語が得意ではない中、キルギス共和国で柔道を指導した経験から感じたことについてつづった。

 

 

 

めんどくさがりな自分

僕、小学生の頃から宿題をしたことがないんです。柔道をしていない頃からです。中学になって、英語の意味が分からなかった。

それを当時の彼女に聞くと、僕が何が分からないのかが分からない様子。答えは「単語は丸暗記していかないといけない」、と言われたことを今も覚えている。

何だよ、それ。
今は分かるから「あー、やっておけばよかった」とも思う。

 

キルギスでは3言語のチャンポンで指導

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仕事は大変なこともあるが、晩酌ができるという日常生活に喜びを感じている(撮影:丸井 乙生)

こんな状態でキルギスのコーチをしてたのだからスゴイ。赤ちゃん英語、適当なロシア語、変なキルギス語を織り交ぜて伝わるんだから面白い。

 

引き手と釣り手の二つを持ちなさい=「ドゥ・ア・グリップ」か「ツー・グリップ」
足技=「ブットイシテリ」。
姿勢が悪い=「フォルムジャマン」

 

そんな感じで伝わるから面白い。
でも、ご飯とか食べに行ったら、会話が成り立たないからつまらないんですね。

 

気持ちは言葉を超える

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仕事の合間にウエートトレーニング。首の付け根にある「僧帽筋」が発達しているが、あえてその筋肉を鍛えたことはなかったとか。「ほかの筋トレのおまけです」(撮影:丸井 乙生)

仲良しの選手とご飯に行くと伝わるんです。

えらいコーチ、いや、えらそうにしたいコーチとは話が伝わらない。

よく、「あいつとは話が合わない」って言いますよね。

あれは言葉が通じなくても気持ちが伝わる人には伝わるし、伝わらない人は言葉が共通の言葉でも伝わらないことを僕はキルギスで学びました。

 

キルギスの教え子と今でもテレビ電話

キルギスとの契約は終わって帰って来たけれど、今でも「通じる」選手たちは連絡も来るし、テレビ電話をかけて来ます。
「センセイ、何してるの?」って。
あと、10年いたら面白い成績が出せたことでしょう。

(内柴 正人=この項つづく)

 

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うちしば・まさと

1978年6月17日、熊本県合志市出身。小3から柔道を始め、熊本・一宮中3年時に60キロ級で全国中学大会優勝。高3でインターハイ優勝。大学2年時の99年、嘉納治五郎杯東京国際大会では準決勝で野村忠宏を破って優勝。減量にも苦しんだことから03年に階級を66キロ級へ上げて2004年アテネ五輪は5試合すべて一本勝ちで金メダル獲得。08年北京は連覇した。10年秋引退表明。11年に教え子に乱暴したとして罪に問われ、上告するも棄却。17年9月出所。得意技は巴投げ。160センチ。18年に現在の夫人と再婚し、1男がいる。20年1月から現在の職場に勤務。

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