【北京パラリンピック】前回王者がライバル圧倒/アイスホッケー新守護神が決勝完封 今大会で覚えておくべき海外トップ選手~アイスホッケー&車いすカーリング編

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決勝で先制点など2得点を挙げた米国の得点源デクラン・ファーマー(中央=写真:西村尚己/アフロスポーツ)


3月13日に閉幕した北京パラリンピック。今大会は46カ国の国と地域が参加し、6競技78種目で熱戦が繰り広げられた。

冬季パラの花形競技アイスホッケーは、決勝で米国とカナダが対戦。米国が序盤から試合を優位に進め5-0と圧勝し、4連覇を果たした。試合では攻撃陣だけでなく、新たに正GKとなった守護神の活躍も光った。

車いすカーリングでは、開催国の中国が決勝でスウェーデンを下して連覇。こちらは21年世界選手権の決勝と同じカードで金メダルを争った。

残念ながら団体2競技に日本の出場はなかったが、頂点を争い熱戦を繰り広げた強豪チームの活躍を紹介する。

 

 

アイスホッケー:米国4連覇 前回逆転勝利から今大会は圧勝

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22年北京大会 米国が4連覇を果たした決勝のカナダ戦(IPC公式より)

 

パラリンピック史上に残る大逆転勝利から4年。アイスホッケーの決勝は、18年平昌大会と同じ米国とカナダの対戦となった。

試合は序盤から米国ペース。第1ピリオドはパラ3連覇を知る主将のジョシュ・ポールズらの得点で2点、第2ピリオドには21年世界選手権MVPのブロディ・ロイボールが2得点。最終第3ピリオドは、前回大会で決勝点を挙げたデクラン・ファーマーがダメ押し。最後までカナダに1点も許さず、5-0で完封した。

 

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18年平昌大会の決勝戦(IPC公式より)

 

18年平昌の決勝、米国は0-1から残り時間37秒で同点。延長戦に入り、決勝ゴールをマークしてカナダに逆転勝利した。得点はいずれもデクラン・ファーマー。同じ北米地域のライバルになんとか勝ち切った。

今大会の米国代表は、17選手のうち前回の金メダル経験者は11人。ジョシュ・ポールズは、メンバー唯一のパラ3連覇経験者。ほかにも14年ソチ大会から2大会連続でパラの頂点を知る選手が5人、世界選手権の優勝経験者も多数と、最強の布陣で挑んだ。

 

アイスホッケー:名GKの後継者ジェン・リーが好セーブ

ジェン・リーを紹介するWorld Para Ice Hockeyの公式ツイッター

 

米国代表では、4度のパラリンピック出場、世界選手権は8度出場した名GKスティーブ ・キャッシュが21年に引退。サブだったジェン・リーが新たに正GKとなった。

パラリンピックは14年ソチから3大会連続出場。過去2大会は3試合に出場していたが、スタメンでの起用は今大会が初だった。

5-0と圧勝した決勝、米国は20本のシュートを放ち5本が得点となった。一方で、カナダもシュート16本と、攻めあぐねていたわけではない。得点を挙げた選手だけでなく、名選手の後を継いだ正GKの活躍も4連覇の大きな要因となった。

ジェン・リーは台湾生まれの選手。09年にバイク事故で左膝上切断。世界選手権は4回出場し、3度の優勝経験がある。

World Para Ice Hockeyの公式ツイッターは「一番タフな仕事をした男」と紹介。名選手の陰に隠れていたサブGKが、今大会、金メダルチームの新たな守護神として世界にその名が知れ渡った。

 

車いすカーリング:連覇の中国はベテランと新戦力が融合

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中国が連覇を果たした決勝のスウェーデン戦(IPC公式より)

 

今度は地元で頂点に立った。車いすカーリングは18年平昌大会の金メダルチーム中国が連覇を果たした。

決勝は、21年世界選手権の決勝と同じくスウェーデンと対戦。第2エンドで1点を先制するも第3、第4エンドで1点ずつ奪われ逆転された。

1-2とリードを許して迎えた第5エンド、中国は一挙4点のビッグエンドで5-2。第6エンドに1点を取られるも、第7エンドで3点を取って勝負あり。スウェーデンは最終第8エンドを残して相手の勝ちを認めるコンシードを宣言した。

 

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中国とスウェーデン 今大会決勝までの戦いぶり(IPC公式より)

 

中国は、予選でカナダ、スウェーデンに連敗スタートだったが、その後は全勝。8勝2敗で予選を1位通過し、準決勝でカナダ、決勝でスウェーデンと、予選で敗れた2カ国に勝利して頂点に立った。

今大会の中国は、ベテランと新戦力が融合したチーム。18年平昌の金メダル経験者は、中国チーム創設時から携わる司令塔の王海濤とバイススキップの陳建新。女子選手の閆卓らパラ初出場の3選手は、19年もしくは21年世界選手権の優勝メンバー。地元開催のパラリンピックに向けて経験を積んできた選手も大舞台で結果を残した。

(mimiyori編集部)

 

 

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参照:IPC公式サイト

International Paralympic Committee | IPC