8月24日に開幕する東京パラリンピックについて、視覚障がい選手が出場する「5人制サッカー」ではこのほど10選手が発表された。
日本はパラリンピックは初出場。高田敏志監督は、「悲願のパラリンピックメダル獲得に向けて、選ばれた選手たちが勇気と責任を持ってプレーしてくれることを期待しています」と意気込んでいる。
1次リーグでは、世界ランキング12位の日本は4連覇中のブラジル、同5位の中国、同14位のフランスと同じA組。各組上位2カ国が準決勝トーナメントに進出する。
キャプテン川村 6年前の悔しさを胸に
(協会公式YouTubeより)
日本は開催国枠で初出場。1次リーグA組で、5連覇を狙うブラジル、16年リオ大会ベスト4の中国、12年ロンドン大会銀メダルのフランスと対戦する。
リオパラリンピック出場を懸けた2015年夏のアジア選手権は4位に終わり、初出場を逃したが、4年ぶりのチャンスが巡ってきた。
2016年から代表主将を務める川村怜は、小1からサッカーを始め、中学での陸上を経て2007年に進学した筑波技術大でブラインドサッカーこと、5人制サッカーと出合った。
5歳の頃に眼病の「ぶどう膜炎」にかかっていることが判明して以来、視力は徐々に低下。5人制サッカーも当初は「弱視」の障がいクラス(B2、B3)から始め、光を感じる選手も含まれる全盲クラス(B1)への移行と共に日本代表入りしていた。
「改めて東京パラリンピックに挑む覚悟を再認識し、気が引き締まりました。日本が勝利する姿をお見せできるように、身体を張って全力で闘います」
草分け的存在の黒田/ブラジル生まれの佐々木
(協会公式YouTubeより=黒田は青ユニホーム5番)
日本代表創設当初から代表を張り続ける黒田智成は、42歳で悲願の初出場を果たす。6歳で失明した後も、記憶の中にあるサッカーアニメ「キャプテン翼」のマネをする遊びの中で身のこなしを身につけた。
高い運動能力を持ち、サッカー元フランス代表のジネディーヌ・ジダンを彷ふつさせる「マルセイユルーレット」や、ブラジル代表のネイマールが得意とする大技「シャペウ」なども使いこなす。
2002年の日本代表黎明期から代表入りしており、八王子市盲学校で教員を務めながら、長年にわたって夢の「パラリンピック」の舞台をずっと追い続けて来た。
「私の、そして私たちの夢へのチャレンジが始まります。皆さん、ぜひトモに戦ってください」
(協会公式YouTubeより)
サッカー大国・ブラジル生まれで、13年に日本に帰化した佐々木ロベルト泉は、チームのムードメーカー。
「幸せな時も悲しい時も、勝った時も負けた時も、忘れてはならない事は感謝の気持ちです。パラリンピック出場という神様が与えてくれた貴重な時間。このチャンスを無駄にせず、どんな試合でも最後まで全力で戦います」
東京・青海アーバンスポーツパークで開催
5人制サッカー日本代表は10人。競技は8月29~31日、9月2、4日に東京・青海アーバンスポーツパークで行われる。
◆FP(フィールドプレーヤー)
川村怜、黒田智成、佐々木ロベルト泉、田中章仁、佐々木康裕、園部優月、寺西一 、日向 賢
◆GK
佐藤大介、神山昌士
(mimiyori編集部)