【パラスポーツ】車いすラグビー=16日開幕ワールドチャレンジ① エース池崎は18年世界選手権Vでも「常にチャレンジャー」

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常にチャレンジャーとして相手に立ち向かう日本のエース・池崎大輔

(撮影:mimiyori編集部)

車いすラグビーの国際大会、ワールドチャレンジは2019年10月16日に開幕する。
日本代表は今大会、18年世界選手権覇者として強豪国を迎え撃つ。

それでもエース・池崎大輔は、挑戦者として強豪に挑む気持ちを忘れてはいない。

20年東京を見据えた今大会で、どのように戦うのか。
さらに、刺激を受けたというラグビーW杯ともに「車いすラグビー熱」の高まりにも期待を寄せている。

 

20年東京へ「勝っても反省、負けても反省」

18年世界選手権覇者として臨む日本代表。
パラリンピック前年に行われる東京開催の国際大会とあって、前哨戦ともいえる。
エース・池崎大輔は「チャレンジャーだと思っている、常にチャレンジャーとして臨んでいく」と、挑戦者としての気持ちを忘れずに戦う決意だ。

車いすラグビーは現状、上位国の実力が拮抗している。

「常に上位は拮抗していて、中でも豪州、米国、英国。そしてカナダ、フランスは伸びてきているチームなので、気を付けなければいけない。自分たちも成長していかなければ」

世界選手権優勝を経ても成長は必要と強調する。

今大会の勝利はもちろん、最大の目標は何といっても2020年東京パラリンピック。
プレーの細部まで修正を加えながら、精度の高い日本らしいラグビーを目指す。

「勝ち負けよりも大事なものがある。この大会で終わりではない。2020年に向けていくのだから、勝っても反省、負けても反省」

パラリンピック開幕まで1年を切った今、地元で行われる国際大会での活躍は、世界の頂点に立った車いすラグビー日本代表を多くの人に知ってもらえるチャンスでもある。

「自分たちがどれだけ知名度があるのか。色々試される大会。もう1年を切っている中で、結果を出してもっともっと発信したい」と意気込んでいる。

ライバル・豪州と再戦なるか

前日練習では、プレーの精度や試合会場となる東京体育館のコートを確認した。
フロアについては「スポーツコートよりもグリップが効いていて良かった。グリップが効くとクイックができる。相手を1つ2つフェイントでかわしていける」と好感触を得た。

日本は予選リーグで英国、フランス、ブラジルと対戦。世界ランク1位の豪州はもう一方のグループに入った。
豪州とは因縁の対決となる。16年リオパラリンピックでは決勝トーナメント準決勝で激突。57-63で黒星を喫した。パラリンピックでは結果として3位決定戦でカナダを下し、同競技史上初の銅メダルを獲得した。
18年世界選手権では決勝で再び相対し、今度は日本が62-61という薄氷の、しかし、劇的な勝利で初の世界一に輝いた。

しかし、19年9月に行われたアジアオセアニア選手権では、決勝で豪州に55-57で敗れて準優勝。予選リーグでは豪州を下していたが、決勝で苦杯をなめた。
豪州との決勝について「最後の最後でファイトができなかった。ターンオーバーを取りながらも最後の1秒、2秒で力を出し切ることができなかった。フィジカルもメンタルも足りなかった」と振り返り、最後の粘りが足りなかったことを反省する。

来年のパラリンピックでも金メダルを争う最大のライバルとなる豪州。地元開催の国際大会で、借りを返したい。

ラグビーW杯8強 車いすラグビーも盛り上がり受け継ぐ

19年10月13日に行われたラグビーW杯・日本代表VSスコットランド。
車いすラグビーの日本代表たちはナショナルトレーニングセンターでの合宿中に観戦した。

15年W杯で屈辱の黒星を喫したスコットランド相手に、日本代表は4年間の成長を見せつけた。

「体を張って戦う、粘り強く戦うという点で共通することは多かった。刺激になったし、負けずにプレーして、車いすラグビーを伝えていこうと思えた。モチベーションを上げてくれる試合だった」

ラグビー、車いすラグビーという種目の違いはあるが、日本の献身的な守備、粘りに感銘を受けた。

ラグビーW杯の期間中に、車いすラグビーでトップクラスが集結する国際大会を実施すること自体が史上初の新たな試みだ。

「いい形でラグビーW杯が(バトンを)くれたので、しっかり魅力を伝えられるような試合をしたい。上位8カ国が集まる大会は初めてといえる。海外チームも来る国際大会を見ていただいて、ファンになってもらえれば」

W杯で日本代表が史上初の8強入りを果たした盛り上がりを車いすラグビーも受け継ぎたいと考えている。

(mimiyori編集部)

 

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