【ラグビー】ワールドカップ=イングランド エディー・ジョーンズHCの挑発各種/ 海外報道プチ情報

(写真はイメージ:MuddyFox/photoAC)

ラグビーのワールドカップはきょう26日、世界ランキング1位・ニュージーランド(NZ)ー同2位・イングランドの準決勝1試合を行う。

イングランドは世界最強国の3連覇を阻止し、NZ優位の下馬評を覆したいところ。元日本代表のヘッドコーチ(HC)と務めたイングランドのエディー・ジョーンズHCは、決戦を前に相手を挑発。心理戦を繰り広げている。
準決勝を前に、ジョーンズHCの挑発各種をお届け。

 

「NZのスパイが練習を撮影していた」

イングランド代表のジョーンズ HC は 22 日、練習の様子を NZ のスパイが撮影したと冗談めかして発言した。英ガーディアン紙などが伝えている。

千葉・浦安市で行った 22 日の練習について、NZ 代表関係者がグラウンド近くの高層マンションから撮影したと指摘。「撮影したのは日本のファンだったかもしれないけど、全然気にしていない」と冗談めかして話した。

むしろ、かつて自分がそうした撮影をしていたことを認めた上で「私は 01 年以来、もうやっていない。今はもう(スパイ的な)撮影なんかする必要はない。練習も YouTube で見れるし、みんなが何をしているかみんな知っている」と話した。

であれば、スパイが撮影したと言い張る必要もないはずだが、ジョーンズ HC は大一番の前に言葉で挑発することで知られており、今回もその一環で自軍の選手たちのプレッシャーを解放するためでは、と記事では推測している。

「イングランドが勝つと思う人は手を挙げて」

ジョーンズHCは準決勝について、報道陣に問いかけた。英ガーディアン紙によると「イングランドが勝つと思う人は手を挙げてください。誰もいないでしょ」とまさかの自虐アンケート。

続けて「私たちが勝てるなんて誰も思っていない。日本の 1 億 2000 万人もそうだと思う。だから、私たちはノー・プレッシャー」ともコメントした。

「今週最も東京で忙しい人はNZのメンタルコーチ」

挑発はさらに続く。「今週、東京で一番忙しい人は NZ のメンタルコーチ」、Gilbert Enoka氏だと主張した。

「W 杯 3 連覇のプレッシャーと向き合わなければいけない。さらに、(結果次第では)最高のコーチ、最高の主将が最後のゲームになる可能性もあるわけだからね」と相手がプレッシャーを感じる要素を並べたてた。

「NZ代表も人間」

これらの口撃はジョーンズHC流の心理戦であり、相手を言葉で挑発することで自軍の選手をリラックスさせる目的があるといわれる。

「NZ 代表、彼らも人間。他のどの選手とも同じように血は流すし、ボールは落とすし、タックルのミスもある」と話し、「時間とスペースを使って彼らがプレッシャーに支配されるように持っていく」

「NZ 代表は今、プレッシャーに向かって突き進んでいるところ。今週はプレッシャーが彼らを追い回すんじゃないか な」と相手の重圧を列挙し、意識させるように仕向けた。 

メディアには「キーボードを持っているただのファン」

口撃は報道陣にも飛び火した。

NZ 記者からオールブラックスが注目を集めることについて聞かれると「(むしろ)そんなことは誰かがNZ の記者に聞くべきこと。(そんな質問をするようでは)君たちはキーボードを持っているただのファン」 とメディアごと NZ 勢をバッサリ斬った。

「NZは史上最高のチーム。ウチが勝つけどね」

一方で、まじめなコメントも残している。

20日のテレグラフ紙では、 NZ 代表について「スポーツ界における史上最高のチーム」と絶賛しつつ、イングランドが勝利を収める計画がある、としていた。

ワールドカップで 12 年間無敗の NZ を始めて撃破する国に正々堂々と名乗りをあげている。

鬼のジョーンズHC/仏のNZヘッド

言葉では挑発しているが、ジョーンズHCはNZのスティーブ・ハンセンHCと互いに尊敬しあう仲だ。英ガーディアン紙では、17年の抽選会当時、毒舌のジョーンズHCがハンセンHCについて「第一に、彼はとてもいいヤツ」と人柄を認めていたと伝え、ハンセンHCの人柄についても触れている。

ハンセンHCは準々決勝でアイルランドを下した後、ジョーンズHCに対し「勝っても負けても引き分けでも、あなたに会えることを楽しみにしています。その後、ビールでも飲みましょう」とコメントした。

ジョーンズHCを高評価する理由について「彼の情熱ですね。試合を愛しているでしょう。誰も追いつけない職業倫理を持っている。彼がNZにいた時は一生懸命働いていた」。

また、ジョーンズHCがNZが優勝した07年大会ではNZアシスタントコーチと務めたこと、さらに03年大会では豪州のHCだった時代は、NZ戦11試合のうち5勝を挙げている点にも着目している。

2人の人柄について、ガーディアン紙は「ジョーンHCは公の場で相手のコーチと騎士ばりに槍で馬上一騎打ちを仕掛けることを好むが、ハンセンHCはそうではなく、相手に対して定期的に連絡を入れ、準決勝での対戦が決まったら文字でメッセージを送り、試合後はビールを一緒に飲むというタイプ」と好対照の人物だとした。

(mimiyori 編集部)

 

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