世界40か国以上でスポーツを通じた社会貢献活動に取り組むローレウス(英国)が4月24日(現地時間)、ローレウス世界スポーツ賞2022全13部門の受賞者を発表した。
年間最優秀男子選手部門は、F1で自身初の年間世界王者に輝いたマックス・フェルスタッペン(オランダ)、年間最優秀女子選手部門は、21年夏の東京2020五輪女子100メートル、200メートル、4×100メートルリレーで3冠を達成したエレイン・トンプソン=ヘラ(ジャマイカ)が選ばれた。
2021年の世界のスポーツ界で最も優れた功績を残した個人や団体を表彰。日本からノミネートされていた、最優秀アクションスポーツ選手部門の堀米雄斗、西矢椛、最優秀障害者選手部門の国枝慎吾、スポーツ・フォー・グッド部門のNPO法人モンキーマジックの受賞はならなかった。
フェルスタッペン 新F1王者に新たな勲章
F1世界王者に新たな勲章が加わった。
年間最優秀男子選手賞はマックス・フェルスタッペンが受賞。21年はオランダ人ドライバーとして初めて世界選手権を年間制覇し、24歳で自身初のF1王者に輝いた。
過去に7度頂点に立っていた絶対王者のルイス・ハミルトンらの追随を許さなかった。世界選手権優勝は地元のメディアで取り上げられ、「反応は驚くほどで、一生忘れることができない」と、自身が成し遂げた快挙の大きさを実感した。
今回の受賞については「多くのハードワークを重ね、長い年月をかけて準備してきた結果。我ながらとても誇らしい。世界最高峰の賞、ローレウス世界スポーツ賞に選ばれることにはとても大きな意味がある。とても幸せ」と喜びを話した。
ウサイン・ボルトに並んだ現役最速女性スプリンター
年間最優秀女子選手賞は、エレイン・トンプソン=ヘラが受賞。21年夏の東京2020五輪で、同じジャマイカ出身の最強スプリンター、ウサイン・ボルト氏に並ぶ五輪三冠を達成したことが評価された。
東京五輪で金メダルを獲得した100メートルのレースは何度も見返しているという。それでも、栄光は一つの思い出として胸に留めて先を見据える。「より速くなることが私のモチベーション。最高の女性スプリンターになるという夢に向かって集中している」。
東京五輪で話題のスケボーメダリストも受賞
東京2020五輪女子スケートボードのパーク種目で銅メダルを獲得したスカイ・ブラウン(英国)が、年間最優秀復活選手賞に選ばれた。
20年6月、練習中に頭から転倒し、頭蓋骨と左手首などを骨折。病院に運ばれた時は意識がなかったほどの大ケガだったが、五輪に出場できるまでに回復。13歳28日でのメダル獲得は、英国史上最年少だった。
母が日本人、父が英国人。母の故郷である宮崎で生まれ育った。本格的に競技に打ち込むようになってからは、米国カリフォルニアと宮崎を行き来しながら過ごしていたこともある。
東京パラ4冠の車いすランナーにも栄冠
東京2020五輪・パラ関連では、年間最優秀障がい者選手賞に東京パラリンピックの陸上マラソンなど車いす部門で4冠のマルセル・フグ(スイス)が選ばれた。
5大会連続出場となった東京大会では、800メートル、1500メートル、5000メートル、マラソンで金メダル。1500メートルでは世界記録を樹立するなど、圧倒的な強さを見せつけた。
パラリンピックに加え、21年はベルリン、ニューヨーク、ボストンの各マラソンも制覇。22年3月には東京マラソンで優勝した。
同賞は18年以来2度目の受賞。「言葉で表せられないくらい、とても光栄なこと。本当に嬉しく、誇りに思う」とコメントした。
(mimiyori編集部)
【各部門の受賞者・団体】
年間最優秀男子選手部門:マックス・フェルスタッペン(F1・オランダ)
年間最優秀女子選手部門:エレイン・トンプソン=ヘラ(陸上・ジャマイカ)
年間最優秀チーム部門:サッカー男子イタリア代表(サッカー・イタリア)
年間最優秀成長選手部門:エマ・ラドゥカヌ(テニス・英国)
年間最優秀復活選手部門:スカイ・ブラウン(スケートボード・英国)
年間最優秀障害者選手部門:マルセル・フグ(車いす陸上・スイス)
年間最優秀アクションスポーツ選手部門:ベサニー・シュリーバー(BMX・英国)
生涯功労賞:トム・ブレイディ(アメリカン・フットボール・米国)
アカデミー偉業達成賞:ロベルト・レヴァンドフスキ(サッカー・ポーランド)
スポーツ・アイコン賞:バレンティーノ・ロッシ(オートバイ・イタリア)
スポーツ・フォー・グッド賞:Lost Boyz Inc.(米国)
スポーツ・フォー・グッド・ソサエティ賞:レアル・マドリード財団(スペイン)
年間アスリート支援者賞:ゲーラルド・アサモア「ブラックイーグルス」(ドイツ)