【プロ野球】おにぎりはメジャーを制す~イチローも松井も、福留もパワーの源に

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(写真:Adobe Stock)※写真はイメージ

その数、2800個。数もすごいが、数えていたこともすごい。

19年3月に現役引退したイチローは、メジャーリーグ在籍中に弓子夫人が握ったおにぎりの総数を公表し、自分のヒット数(3089本)と同じ「3000個は握らせたかったなと思います」と話し、妻に感謝した。

 

 

あの福留孝介も

06年に中日で首位打者のタイトルを獲得し、走攻守を武器にメジャーへ渡った福留孝介も、おにぎりは力強い“援軍”だった。
イチロー同様に、ホームでの試合前は和枝夫人の手製おにぎりで腹ごしらえ。味にはうるさく、米は故郷の鹿児島からわざわざ取り寄せていた。

 おにぎりが生んだ友達の輪

「それは何なんだ?」

カブス入団当初は英語がほとんど話せず、1人で黙々とおにぎりを食べていた福留に、ある日、それまで遠巻きで見ていたチームメートの1人が話しかけてきた。

「日本のライスボール」と説明すると「俺にも1つくれ」。興味津々で差し出してきた手に分けてあげた。

「うまい! 本当においしいよ!」

なんと行列が

これが口コミであっという間にロッカールームに広まり、翌日からは「俺も、俺も」と行列ができた。仲間の期待に応えようと、和枝夫人に1日数十個も握ってもらって球場に持参したこともある。

おにぎりで友達の輪を広げた福留は、メジャーで5年間プレーして帰国。42歳になった現在も、阪神の主力として活躍している。

松井は海苔あり派

巨人やヤンキースなどで活躍した松井秀喜も、現役時代は試合前におにぎりを食べていた。
04年にテレビや雑誌、新聞などの企画でイチローと対面した際に、“海苔あり派”か“海苔なし派”か、で盛り上がったことがある。
イチローは、海苔がしんなりしてしまうことが嫌いな“海苔なし派”だと言い、松井はおにぎりとは別に海苔をラップで巻き、食べる直前におにぎりと合わせる“海苔あり派”であることを明かしている。

 

面倒嫌いなイチローは海苔なし派

海苔をラップで持参する方法に感動しながらも、自分では絶対に巻きたくないと首を振ったイチローは、少しあきれた感じで松井に笑われていた。

起源は弥生時代?

ちなみに、おにぎりの起源は古く、弥生時代の後期には存在していたと言われている。
増淵敏之著の『おにぎりと日本人』(洋泉社)によると、1987年に石川県の中能登町で見つかった弥生時代の住居跡などがある「杉谷チャノバタケ遺跡」で、手のひらにのるくらいの大きさで炭化した石状の塊が出土した。
蒸した米を固めたものの化石で、「日本最古のおにぎり」とされている。
おにぎりは、約2000年前の稲作開始とほぼ同時に誕生したらしい。

海苔を巻くのは江戸時代から

江戸時代に入って、太平の世になると、おにぎりは民間の弁当として普及するようになる。
旅人が携行食として、農民が農作業の合間に食べた。
アサクサノリの養殖が始まった江戸中期の元禄時代(1688〜1704年)に、海苔を巻くおにぎりが発明されたとされる。
当時は海苔を先に巻いた「しっとり派」のおにぎりが主流だったが、1970年代にコンビニが日本にできたことで、後巻きの「パリッと派」が根付いた。

栄養豊富なスーパーフード

現代の日本でも、気軽に食べられるファストフードとして重宝されているが、よく考えてみれば、白米に肉、魚、野菜などの具材を閉じ込めた手のひらサイズの完全食。
1個約120グラムの中に、ビタミン、ミネラル、ブドウ糖、たんぱく質、マグネシウムなど栄養は豊富。片手で食べられ、冷めてもおいしい。いつでもどこでも栄養が摂取できるスーパーフードでもある。

 

偉大なる伝統食

そんなおにぎりは、メジャーをも制す。
日本が誇る小さな伝統食は、積み重ねていくとものすごい力を発揮することを、日本人メジャーリーガーたちが証明してくれた。