【競馬ブログ】「気まぐれウマ放談」 期待背負うニューヒロイン~阪神ジュベナイルフィリーズ

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2歳馬にとって初のGⅠ。女王のタイトルはどの馬に(写真:おかだ、19年12月撮影)


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競馬ページ担当の おかだ です!

このページでは、競馬観戦歴10数年の、まだまだ勉強することばかりのファンが、競馬にまつわるあらゆる話題を気ままに書いていきます。

 

12月6日、中京競馬場で行われたチャンピオンズカップ(GⅠ、ダート1800m)は、戸崎圭太騎手騎乗のチュウワウィザード(牡5)が優勝。JRAのGⅠは初制覇で、地方含めGⅠ通算3勝目を挙げました。

 

前回の記事で「ただ1頭の逆転候補」として挙げた同馬が優勝。単勝1.4倍と圧倒的1番人気のクリソベリル(牡4)をマークし、直線は外から力強く抜け出して国内無敗の王者に土をつけました。勝つならこれしかないという会心のレース。戸崎騎手は落馬事故から復帰後初のGⅠ制覇でした。

 

さて、今週からは2歳馬が主役。まずは女王決定戦、13日に阪神競馬場で阪神ジュベナイルフィリーズ(GⅠ、芝1600m)が行われます。数少ない白毛馬の史上初GⅠ制覇が見られるのか。同じ白毛一族の快速馬も出走。九州産のスピード自慢から前評判高い素質馬まで、見どころの多い一戦です。

 

 


一族の悲願 白毛馬の初GⅠへ

8000頭を超えるJRA登録馬のうち、白毛の馬は、わずか8頭。その1頭ソダシ(牝2)が、白毛一族の悲願に挑みます。

 

突然変異や遺伝による影響で誕生する白毛馬。希少価値が高く、他の馬の中に入ればひときわ目を引く存在です。体質の弱さなどから競走能力が他の毛色の馬と比べて劣るのではとの見方もありましたが、最近では重賞を勝つ馬が誕生したことで「白毛=弱い」のイメージは払拭されつつあります。

 

白毛の価値をさらに高めるためにも、GⅠタイトルは是が非でも譲れません。馬名の意味はサンスクリット語で「純粋、輝き」。祖母シラユキヒメは両親がともに白毛ではなく突然変異で誕生。母ブチコは白い毛に黒のまだら模様で人気を集めました。

 

新馬戦勝利から札幌2歳ステークス、アルテミスステークスとGⅢを連勝。実績はナンバーワン。女王に一番近いポジションで晴れ舞台に臨みます。

 

もう1頭、白毛ではありませんが数少ない一族の血を受け継ぐ馬がいます。ソダシ同様、無傷の3連勝でGⅠに駒を進めてきたメイケイエール(牝2)です。

 

曾祖母シラユキヒメ、祖母ユキチャン、母シロインジャーと白毛の血を持つ鹿毛馬。毛色は父ミッキーアイルと同じです。

 

短距離で活躍した父譲りのスピードを武器に、こちらも新馬戦勝利から2つのGⅢを連勝。課題の折り合い、距離延長を克服できれば頂点が見えてきます。 

  

 

熊本に届け 九州産馬の挑戦

熊本生まれのヨカヨカルクシオン(いずれも牝2)が九州産馬の夢を背負って走ります。

 

18年に国内で誕生した7250頭のうち7072頭は北海道産。九州産は熊本、宮崎、鹿児島各県の馬がいて、熊本に限れば28頭。熊本産の2頭がGⅠに出走することは、奇跡的な出来事です。

 

これまで阪神ジュベナイルフィリーズには、牝馬限定戦となった91年以降、10頭の九州産馬が参戦。しかし、全て2ケタ着順に敗れています。しかも過去に走った馬は宮崎、鹿児島産。熊本産は今回初めてJRAのGⅠに出走します。

 

「いいよ、いいよ」。方言がそのまま名前になったヨカヨカは、ここまで4戦3勝。新馬戦を勝って、フェニックス賞、ひまわり賞を逃げ切って3連勝しました。前走、距離延長で臨んだファンタジーステークス(GⅢ)は、新馬戦以来の控える競馬で結果は5着に終わりました。

 

さらに距離が延びる今回も距離への対応がカギになりますが、3勝の実績は前述の白毛一族の2頭と遜色ありません。優勝候補の一角です。

 

ルクシオンは前走、福島2歳ステークスを勝利。4戦2勝、全て4着以内と安定した走りが続いています。重賞になると一歩足りないような成績になっていますが、ヨカヨカ同様、距離さえ克服できれば上位進出を狙えるだけの能力は備えています。

 

九州産馬のGⅠ制覇となれば、間違いなく歴史的快挙です。記録ラッシュとなった20年の競馬界。また1つ新たな歴史を刻みます。

 

 

兄を超える 強い牝馬への道

同世代をけん引する存在となるための第一関門。活躍馬を兄に持つ馬も登場します。

 

2戦2勝のサトノレイナス(牝2)。兄は弥生賞(GⅡ)勝ち馬で菊花賞(GⅠ)3着に健闘したサトノフラッグ(牡3)です。

 

新馬は東京、2戦目は中山のいずれも1600mで連勝。前走はゲートの中で落ち着くことができず、スタートは出遅れて最後方からの競馬を強いられましたが、最後はメンバー最速の上がりタイムをマークして差し切り勝ち。素質の高さを見せました。

 

しかし、今回はGⅠ。前走のような出遅れは許されません。関西へ初の輸送もあり、気性・精神面の課題をクリアできるかがポイントになります。パドックでの様子など当日の雰囲気、状態は要注目です。

 

牡馬相手の重賞で結果を残したインフィナイト(牝2)は、兄の分までターフを駆け抜けます。

 

兄は17年東京新聞杯(GⅢ)を制し、重賞戦線で活躍したブラックスピネル。同馬は10月の障害レース転向初戦で故障。右大腿骨の粉砕骨折により予後不良、安楽死の措置が取られました。

 

妹は無事に2歳女王を決める舞台までやって来ました。デビュー戦を勝利で飾り、2戦目のサウジアラビアロイヤルカップ(GⅢ)で2着。いずれも不良馬場で結果を出しました。

 

良馬場、右回りの経験がないことは気がかりですが、牝馬同士なら上位候補の1頭。兄が果たせなかったGⅠ制覇の夢をかなえます。

 

 

  

それでは筆者の見解です。

一筋縄ではいかない2歳牝馬のGⅠ。迷いましたが、本命はソダシを指名します。

1600m以上の距離や東京競馬場の経験、牡馬相手に重賞勝利。前走は2番手から抜け出す王道の競馬で快勝するなど、18頭の中で不安要素は一番少ないと見ます。白毛初の快挙が楽しみです。

 

迷ったもう1頭はサトノレイナスでした。能力の高さは申し分ありませんが、問題はスタート。先にゲート入りする奇数番号の枠に入ったことは、出遅れの心配がある馬にとって減点材料。スタートが決まれば、もちろん1着があってもおかしくありません。

 

他に相手はヨカヨカ、インフィナイト、さらに強烈な末脚を持つオパールムーンまで。好枠に入ったヨカヨカは、1回叩かれて状態が上向いていれば争覇圏内。有力候補のメイケイエールは見送ります。折り合って最後まで力を温存できる見込みがあれば別ですが、行きたがってしまう馬が大外枠に入ったことは歓迎できません。

  

 

今回はここまで。

次回から有馬記念の話題。「2020年の有馬」だからこその注目点を紹介。

 

 

参考:馬名、成績など競走馬に関するデータはJRA公式サイト

 

 

 

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