【サッカー】クラブワールドカップ 初出場の「ヤンゲン」ってどんなチーム? 

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(写真:photoAC)※写真はイメージ

サッカーのFIFAクラブワールドカップ2019(CWC)が11日深夜(日本時間)、カタールで開幕する。
11日の開幕戦はニューカレドニアからヤンゲン・スポ―ル(ニューカレドニア)が初出場。人口わずか2500人の街から、世界大会に出場したとあって選手たち、関係者も喜びひとしお。
チーム紹介第1回は、あまりなじみのないヤンゲンについて紹介する。

 

ヤンゲンってどこ?

ニューカレドニアの本島、グランデール島北西部の北岸に位置する。首都ヌメアの北西250キロの湾岸地域。日本と時差は2時間しかないが、人口はわずか約2500人(2019年)の街だ。

国の公用語はフランス語だが、「ヤンゲン」は地元のメラネシア系住民が昔から使っているカナック語で「Crying while Walking(歩きながら涙する)」を意味する。自然が豊かに残る地で、海岸の奇岩群、海に注ぐ川沿いエリアには見どころが多い。

ニワトリにそっくりな海岸の岩「チキンロック」があったり、人間が寝ているような巨岩「リンデラックの岩」。ニューカレドニアの広大なラグーン(海の一部が砂洲などによって外界と遮断されてできた湖沼)は08年に世界遺産に登録されている。ヤンゲン沿いのラグーンでもスキューバダイビングが人気だ。

愛称は「ブルーズ」

クラブ自体は1997年に創設された2013年に国内カップ戦で初タイトルを獲得し、15、19年も同カップで優勝を飾った。17年には国内リーグであるニューカレドニア・スーパーリーグ初制覇。19年も同リーグ15勝1敗2分の好成績で優勝した。

ホームスタジアムは絶景スポットにある。「スタッド・ドゥ・ヤンゲン(Stade de Hienghene)」は、山と川に囲まれた場所に位置し、収容人数は1000人とされるが、大きな観客スタンドは見当たらない。20~30人が着席できるベンチのようなスタンドが3つだけ配置されている。

チームカラーは水色と白で、愛称は「ブルーズ」。サポーターは、チームのエンブレムとともに「Allez Les Bleus(Go Blues)」の文字が入った青色の横断幕を掲げて応援する。

今回は19年オセアニア・チャンピオンズ・リーグ決勝でAS Magentaと史上初のニューカレドニアのクラブ同士が激突した。1-0で勝利を収めて国際大会初制覇を飾り、ニュージーランド以外では初のオセアニア王者になった。

監督は「たがわ」さん

ヤンゲン・スポールを強豪に押し上げた指揮官が、フェリックス・タガワ監督だ。タガワ監督自体は元タヒチ代表FWで、豪州のアデレード・ユナイテッドなどでプレー。代表で挙げた14得点は、タヒチの歴代最多得点という、母国の名選手だ。

ニューカレドニアには日系人が多いという。ヤンゲン・スポールが19年OCL決勝を行ったスタジアム「スタッド・ヨシダ」のように、日系の名字や固有名詞が多い。

ニューカレドニアは世界のニッケル資源の4分の1を埋蔵しているといわれ、19世紀末から世界的なニッケル需要とともに発展した。ニッケル鉱石を掘り出すため、国内労働者だけでは人材不足に陥り、そこにやって来たのが、主に九州・沖縄方面から移住した日系移民だった。第2次世界大戦が起こるまでの間に、5000~6000人の日本人男性がニューカレドニアに渡ったといわれている。

砂の上で練習?!

GKのロッキー・ニーケイネはビーチサッカーでも代表GKを務めている。 11人制サッカーでは11年に代表入りし、19年にはオセアニア・チャンピオンズ・リーグの最優秀GK。しかし、実はビーチサッカー経験の方が先だったのだ。

人口約1万人のリフー島出身。実家から徒歩5分のところが一面ビーチで、その砂浜で足腰が鍛えられた。幼少時代に砂上のサッカーに親しみ、11人制サッカーへ移行する中、練習の一環でビーチサッカーも改めて行うようになった。

タガワ監督もビーチサッカーのニューカレドニア代表監督を兼務。ニーケイネ自身はサッカーよりも、ボールの行方が予想しにくいビーチサッカーの方が難しいと話すが、指揮官は「ロッキーは砂の上にいる時の方が気持ちよそうだ。サッカーの上達に役立つことは間違いない」と笑顔で見守っている。

ニューカレドニアのサッカーFIFAランキングは11月23日時点で155位。世界の舞台に立つという夢をかなえた島民は11日深夜(日本時間)、開催国王者のアルサッド(カタール)と対戦する。

(mimiyori 編集部)

 

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