【ふるさとトリビア】淡路島ってどんなところ?~玉ねぎだけじゃない! 古代からの食と伝統が息づく島

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玉ねぎ畑と玉ねぎ小屋。淡路島ならではの風景(写真:photoAC)

海外旅行はまだ先。

国内に目を向けると、実は行ったことがないスポットやエリアもたくさんある。

故郷の知られざる魅力をつづるコラム「ふるさとトリビア」。

今回は瀬戸内海に浮かぶ島、淡路島について。

 

そもそも兵庫県であることをご存じだろうか。

島といえども、かなり大きい⁉

……ところで、どこにあるの?

 

淡路島出身者の筆者が〝鉄板〟情報と魅力をご紹介。

 

 

 

淡路島の基本の基本

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明石海峡大橋と観覧車(写真:photoAC)

まずは淡路島の基本情報からお伝えしよう。

 

面積は約595平方キロメートル。だいたい東京23区と同じくらいだと言われている。

島は3つの市で構成されており、意外に広い。

サイクリングで淡路島を1周するアクティビティ、通称「アワイチ」に挑戦し、あまりの広さに途中で断念したという話も何度か耳にした。

人口は約13万人で、高校は6校。島といっても、全員が知り合いというほど小さな島ではない。

 

瀬戸内海に浮かぶ島。兵庫県の南部に位置し、本州とは明石海峡大橋で、四国の徳島県とは大鳴門橋でつながっている。

明石海峡大橋はギネス記録に認定されている世界最長のつり橋だ。

 

神戸市から明石海峡大橋を通って淡路島に向かうと、淡路サービスエリア(SA)の大きな観覧車が真っ先に目に入るが、地元民はあの観覧車に実は乗らない。筆者も乗ったことがなく、市民で乗ったことがあるという話を聞いたことがない。

ちなみに、淡路SAにはスターバックスがあるが、それが島に唯一あるスタバであるため、島民がスタバの新作を飲みたければ、わざわざ車でSAへ向かわなければならない。

 

公共交通機関は唯一の…

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周りに建物がないバス停も多いため、乗り遅れるとバス停で1時間待つことに。(写真:photoAC)※写真はイメージ

淡路島には駅がない。電車が通っていないのだ。

公共交通機関はバスのみで、そのバスは1時間に1本。

車がないと生活できないため、免許が取れる年齢になると真っ先に教習所に通う。

高校の授業が終わったら同級生と一緒に今度は教習所で授業を受ける、という流れは進路が決定した高3の島民によくある話だ。

淡路島に訪れる際には車で来るか、レンタカーを借りることをお勧めする。

 

古代からの「御食つ国」って何?

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淡路島の「3年とらふぐ」は一般的な養殖フグの2倍の大きさで、日本一速いといわれる潮の流れにもまれて身が締まっている(写真:photoAC)※写真はイメージ

淡路島は古代から朝廷に食材を献上していた御食つ国(みけつくに)だったこともあり、おいしい食材が豊富だ。

海に囲まれているため、新鮮な海の幸が楽しめる。

 

冬に旬を迎える「3年とらふぐ」や、春から秋にかけて食べられる生シラス丼、「べっぴんはも」と呼ばれる鱧(はも)が有名どころ。

スーパーに毎日並んでいる刺身や寿司まで新鮮でおいしい。

筆者は夏に帰省すると、「はもすき鍋」を食べることが定番になっている。

 

淡路島といえば あの野菜

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収穫された玉ねぎ(写真:photoAC)

魚だけでなく、淡路ビーフや淡路島牛乳、キャベツやレタスなどの野菜類もお勧めだが、やはり淡路島で最もおいしい食材は、玉ねぎだろう。玉ねぎの島と呼ばれるくらい淡路島を代表する特産品だ。

何といっても、淡路島の玉ねぎは甘い。

特に3月下旬から5月頃に収穫される新玉ねぎは、生で食べても辛さを感じない。

筆者がよく作るレシピは、皮をむいて十字に切った〝新玉〟をラップで包み、レンジで500ワットなら5分。味付けはポン酢のみでいただく。最も簡単で、最もおいしいレシピだ。

 

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巨大オブジェ「おっ玉葱」のモニュメントの前で玉ねぎのカツラを被る人たち(写真:photoAC)

玉ねぎは淡路島の最大のウリであるため、島のいたるところで見かける。

鳴門海峡を見下ろす「うずの丘 大鳴門橋記念館」には玉ねぎの巨大モニュメントがあり、さらに玉ねぎのカツラをかぶって写真が撮れる〝映えスポット〟がある。

そのモニュメントは高さ2メートル80、直径2メートル50、重さは約250キロという巨大ぶり。写真をSNSに載せる時はハッシュタグ「#おっ玉葱」をつけることがお約束となる。

 

大鳴門橋記念館には、UFOキャッチャーの要領で玉ねぎをゲットする「たまねぎキャッチャー」なるものも存在する。

 

保育園の運動会では、玉ねぎのような帽子をかぶった園児が「淡路島たまねぎのうた」に合わせて踊る演目が定番だ。

 

身近にある伝統芸能

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淡路人形座では人形と一緒に記念写真も撮れる(写真:photoAC)

淡路島に伝わる伝統芸能が人形浄瑠璃とだんじり唄だ。

 

淡路人形浄瑠璃は、国の重要無形民俗文化財に指定されている。

淡路人形座で観劇できるほか、小中学校に公演に来てくれることもあり、筆者の母校の中学には人形浄瑠璃をする部活動「郷土芸能部」が存在する。三味線を弾く、語りをする、人形を操る、そんな中学生がいるのだ。

 

だんじり唄は、太鼓や拍子木の音に合わせて独特の節回しによる〝合唱〟曲。地域の子ども会や地区の男性たちが集まって、春祭りなどで披露される。

 

全員で合唱する箇所、芝居のようにセリフを独唱する箇所がある。長い独唱部分を任された時は誇らしかったものだ。

「だんじり唄コンクール」もあり、各地区で競い合うため地区内の団結力が強まるイベントとなっている。

 

物心がついた頃から身近なところに伝統芸能がある。それが淡路島だ。

 

淡路島を観光するならココ!

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七福神の1人大黒天が祀(まつ)られる八浄寺(写真:photoAC)

「国生み神話」の中で、日本列島で一番最初にできた島だと伝えられる淡路島には、神社やお寺がたくさんある。

なかでも、淡路島を七福神が乗る宝舟に見立てて島内の寺社を巡る七福神巡りが人気だ。

 

また、インスタ映えスポットもたくさんある。

淡路市の公園「あわじ花さじき」には、四季折々の花畑が一面に広がっている。

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あわじ花さじきの菜の花畑(写真:photoAC)

カフェなどの複合施設「幸せのパンケーキ 淡路島リゾート」には、大人気の韓国ドラマ「天国の階段」をほうふつとさせるフォトスポットがある。

 

magia.tokyo

 

敷地内に複数設けられた〝映えスポット〟は、「幸せの鐘」「幸せのブランコ」「幸せのリング」と幸せだらけで、特に韓国ドラマを思わせる「幸せの階段」は、青い海と空をバックに白い階段が映える写真が撮れるため、女子高生に大人気だ。

 

兵庫県立淡路島公園内にあるアニメパーク「ニジゲンノモリ」では、人気アニメなどのコンテンツをアトラクションとして体験できる。なかでも、大口を開けた実物大のゴジラに、口の中へ侵入するジップラインは見もの。

 

nijigennomori.com

 

食と伝統が今も生きる淡路島。

おいしい、楽しい旅ができる場所だ。

(きたがわ まひろ)

 

 

mimi-yori.com

 

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