今回は19日に行われる函館記念(GⅢ)を取り上げます。あっという間に函館開催も最終週。夏の北海道シリーズは札幌へ舞台を移します。
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競馬ページ担当の おかだ です!
このページでは、競馬観戦歴10数年の、まだまだ勉強することばかりのファンが、競馬にまつわるあらゆる話題を気ままに書いていきます。
夏競馬の期間中は、毎週行われる重賞から1レースをピックアップ。注目馬はもちろん、レースの概要や過去の優勝馬、名場面も紹介しています。
函館で一番古い重賞
夏の函館開催おなじみのレース函館記念(GⅢ)。先週の七夕賞のように、GⅠで振るわなかった馬や重賞常連馬、さらには下級条件から勝ち上がってきた馬とステップはさまざまで、毎年波乱含みの混戦となります。
創設は1965年。函館競馬場で行われる重賞競走の中で最も歴史が古いレースです。
現在は芝2000mで行われていますが、創設当初は2400mで実施。距離が変更されたのは、創設から3年後の68年のことでした。
函館芝2000mのコースレコード1分57秒8は、1988年の函館記念覇者サッカーボーイが打ち立てたものです。
同年のレースには2頭のダービー馬、シリウスシンボリ、メリーナイスが出走。ハンデのGⅢという条件を考えると、今では想像もつかない豪華なメンバーです。
2頭のダービー馬を抑えて勝利したサッカーボーイ。強い馬が集まったからこそハイレベルな一戦になって、速いタイムが出たと考えられます。
近年は高速決着のレースも珍しくない中で、このような記録が30年以上も残っていることはとても貴重だと思います。
果たして記録が破られる日は訪れるのか。冒頭でも触れましたが、20年の函館開催は今週がラスト。ちなみに、芝2000mのレースは土日合わせて函館記念だけです。
3連覇エリモハリアー
函館記念と言えば、サッカーボーイはもちろんですが、もう1頭外せない馬がいます。05年から3連覇を果たしたエリモハリアー。00年以降に競馬を本格的に見始めた筆者にとっては、同馬がまさに「函館の鬼」というイメージです。
最初の勝利となった05年は、前哨戦の巴賞を制していましたが単勝6番人気。それでも先行する競馬で、最後は逃げ馬をかわして抜け出す快勝。5歳になってようやくつかんだ初重賞のタイトルでした。
函館では巴賞の勝利が初めてでしたが、北海道シリーズでは好走。3歳時の初勝利は札幌。その後、札幌では3戦して1勝3着2回。夏の北海道開催に合わせるかのように調子を上げていました。
連覇を果たした06年は堂々の1番人気。半年の休みから3戦目。3着、2着と、やはり狙いのレースに向けて着実に調子は上がっていました。
レースは前年のように楽ではありません。後方のポジションを余儀なくされ、徐々に位置を上げても他の馬に囲まれました。それでも最後は、前にいた馬の間を割って抜け出しました。タイムも2分5秒1という非常にタフなレースを制しました。
07年、ケガからの休養明けとなった前哨戦はシンガリ負け。3連覇を懸けたレースは7番人気とどまっていました。レースは中団に控える形。スローペースから徐々にペースが上がっても内で動かず、直線に入って外に出されると鮮やかに差し切りました。
3年間、どのレースも同じような勝ち方ではありません。さらに、いずれの年も騎手は変わっていました。馬自身が「函館巧者」でなければ達成できなかった記録かもしれません。
以降、10歳まで息長く走り続けました。重賞3勝は函館記念のみ。最後のレースも函館記念(10年、12着)でした。
引退後は函館競馬場の誘導馬として活躍。夏開催で出走馬を誘導する姿も風物詩となっていました。18年に18歳で亡くなりましたが、今でも函館開催、そして函館記念となれば思い出される1頭です。
重賞制覇の好機到来
夏の函館の歴史に名を刻むべく、今回も多彩なメンバーが集まりました。16頭中14頭が重賞未勝利。今後に向けてここで結果を出したい馬ばかりです。
前哨戦の巴賞(OP)を制したトーラスジェミニ(牡4)。逃げの手で一気に覚醒の予感がします。
前々走のエプソムカップ(GⅢ)は18頭中、単勝18番人気で3着に激走。雨の影響を受けた不良馬場も味方につけながら、レースの主導権を握り、最後まで粘りました。巴賞では一気に支持を集めて2番人気。マイペースで逃げ切り、GⅢでの3着がフロックでないことを証明しました。
問題は巴賞の1着馬であること。本番の函館記念になると相性が悪く、逆に巴賞の敗戦馬が巻き返すパターンが見られます。それでも「逃げるが勝ち」。今回も戦法に迷いはありません。
マイネルファンロン(牡5)はリベンジとなる一戦。19年のレース、1着馬との差はわずかにクビ差で2着。しかし、巴賞12着から一変する内容で波乱の立役者となりました。
今回はエプソムカップ12着から参戦。19年のレースを考えれば、当然、巻き返しがあってもおかしくありません。地元函館市出身の丹内祐次騎手を背に、わずかに届かなかった重賞タイトルに挑みます。
札幌競馬場では2戦2勝のカウディーリョ(牡4)も期待がかかります。北海道シリーズに合わせて、同じような力の馬がそろうレースを狙ってきた印象があります。試金石となる一戦。過去2戦2勝と相性の良い、藤岡佑介騎手とのコンビで一気に重賞制覇となるでしょうか。
重賞勝ち馬も出走していますが、最近は思うような結果が出ていません。復活をかけて2頭が勝利を目指します。
19年エプソムカップ覇者レイエンダ(牡5)。17年日本ダービー(GⅠ)などを勝利したレイデオロの弟として常に注目を浴びる存在ですが、浮上のきっかけをつかめずにいます。
1年以上勝利がなく、遠ざかっている2つ目の重賞タイトル。秋の大舞台に立つためには、何としてでも勝っておきたい一戦です。
長いトンネルを抜け出せずにいる馬はもう1頭。ニシノデイジー(牡4)です。
2歳時は札幌2歳ステークス、東京スポーツ杯2歳ステークスとGⅢを連勝。クラシックの有力候補として期待されましたが、皐月賞17着、日本ダービー5着、菊花賞9着とGⅠでは結果を残すことができませんでした。
かつての輝きを取り戻せるか。18年7月に初勝利を挙げた函館に戻ってきました。デビューから長くコンビを組んでいた勝浦正樹騎手が再び手綱を取ります。これ以上ない準備が整いました。
筆者の注目馬ですが、今回は複数います。力が拮抗している印象で簡単には絞り切れません。
まずはマイネルファンロン、カウディーリョ。逃げるであろうトーラスジェミニの後ろにつけて最後に抜け出す競馬が理想です。差し馬からは牝馬のミスマンマミーアに期待。若干、距離が短い可能性もありますが、ハンデ52キロの軽量も生かして上位に食い込んできてほしいです。
他にはニシノデイジー。復活劇があるとするならば、これ以上ないチャンスだと思います。巴賞で敗れた馬たちにも注が必要です。
今回はここまで。
次回も夏競馬恒例の重賞に注目します!
参考:馬名、成績など競走馬に関するデータはJRA公式サイト